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冬アニメ・ドラマ 総評 [日常]

今期はアニメがやや不作、ドラマは当たりが多めだったような印象でした。

冬アニメ

アルスの巨獣
アルスと呼ばれる大地で、人々の恐怖の対象となっている巨獣。その巨獣を狩る狩人だった青年がどこからか脱走してきた謎の少女と出会って運命が動き始める、という話。
どこかで見たことある設定を寄せ集めたような話で、青年の過去にしても少女の正体にしても予想の範囲内のものでしかなく、せっかくのオリジナルアニメなのに……と、結構残念な感じでした。
なお、最終話はきれいに終わっていないのに続編情報がないので、結構モヤモヤしました。でも、「完」っていう文字が堂々と出ていたりもしていて。
絵は安定していてそこそこ動くので、映像的には悪くはない感じではありました。

大雪海のカイナ
大地のほとんどが雪海と呼ばれる謎の液体で満たされ、人々は軌道樹と呼ばれる巨大な樹木の根元で細々と暮らし、その上に張る天膜には数人の人々が暮らしているという世界。ある日、1人の少女・リリハが気球のような生物に乗って天膜に現れ、天膜で暮らしていた青年・カイナはリリハと共に地上に降りることになる、という話。
終始一貫して「風の谷のナウシカ」みたいだな、と感じる作品でした。
世界観からしてかつての地球が激変した姿ですし、天膜には巨大化した虫が住んでいたりしますし、狭い領土と水を巡って国同士が対立していますし、軍事国家がリリハの国に攻めてきますし、最終的には巨神兵みたいなのが出てきますし。
この世界では文字がほぼ失われているけど、カイナが文字を読めることで最終的に人類の希望が見えてくる、というところだけはよかったのですが……
なお、テレビ版だけでは話は完結しておらず、続きは映画で、とのこと。
でも、観に行こうという気にはなりませんでした。
これもオリジナル作品なのに、いろいろもったいない感じがしました。

TRIGUN STAMPEDE
アニメの前作は一通り見たことがあったので、リメイクするなら見てみようかな、と思って見てみました。
前作をそこまで覚えているわけではなかったのですが、今作は主役のバッシュが全体的になよなよしているのでは?、と感じる場面が多かったです。キメるところはキメるのですが、その場面がすごく短いのでなよなよしているところが目立ってしまうというか。バッシュってこんなんだっけ?、と。飄々としているけど実はすごいって感じだったと思うのですが……
また、メリルは普通にいるのになぜかミリィがいなくて代わりに渋いオジサマがいるとか、どの層の需要だ、というのもありました。メリルとミリィのやり取りが面白かったはずなのに。
ただ、これに関しては最終話で明らかになって、実はこの話自体が本編につながる前日譚で、前作で描かれていなかった「ロスト・ジュライ」の事件が描かれていて、最終話でメリルの下にミリィがつくというのがわかる、という。
だからいろんな面で何かが違うっていう感じになっていたのか、と思い至ったものの、作品に対する好感度はあまり上がりませんでした。
なお、続編制作は決定しているとのことで、それならば前作のアニメで描かれたストーリーはやらず、アニメになっていない部分を最後まで描いていく形になるのかも、という気がしました。

ニーアオートマタ
ゲームのアニメ化作品。
第1話こそまんまゲームと同じ展開でしたが、2話目以降はゲームの展開をなぞりつつもいろいろオリジナル要素が入ってくる展開になっていました。
背景はキッチリゲームと同じになっていて、ゲームをプレイしている人なら、今はあの場所をあの角度から見ている、というのがわかるようになっていました。音楽もちゃんとゲームのものを持ってきていて、ゲームをプレイしたことのある人なら満足できる内容だと思います。
反面、ゲームをプレイしていない人にはちょっと内容的にわかりにくいかな、とも感じました。「ニーアオートマタ」というゲーム自体、前作の「ニーアレプリカント」をプレイしていないと話の全てはわからないようになっていますし、ゲームをクリアした後は考察ページでいろんな謎を補完しないとわかりにくかったりしますし、アニメ版にも「ニーアレプリカント」の話がちょっと入っていたりもしますし。
なので、アニメ版を存分に楽しむなら、「ニーアレプリカント」「ニーアオートマタ」のゲームをクリアしてなおかつ設定などの補完をしないといけない、というかなりハードルが高いものになっているかと思います。
ちなみに、制作の遅れで現時点で8話までしか放送されていないので、残りのストーリーを5話程度に収められるのか、実は全24話とかなのかわからないので、まだ最終的な評価は出来ていないです。

齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定
ガンガンJOKERでコミカライズ版が連載されていたものの、アニメ化されることもなく、原作の続きがあるのに途中で終わってしまったので、これはもうアニメ化はないだろうな、と思っていたところでアニメ化されると知ったので、見てみました。
ただ、その出来具合はというと……15分アニメで、制作は中国、ということで……あまりよろしくない感じになっていました。
オープニングからしてほぼデフォルメ絵で、普通デフォルメ絵を出すにしてもエンディングじゃないのかなと思いますし、エンディングもエンディングでデフォルメ絵なので、何をもってこれがいいと判断したのかわかりませんでした。
本編は普通の絵ではあったのですが、背景が手抜き感満載だったり、そもそもあまり動かなかったり、キャラのモデリングも全体的に甘かったり、どれほどの低予算なのだろうか、と穿った見方もしたくなる感じでした。
唯一、声優は日本のベテランを使っているので上手かったです。

REVENGER
江戸時代の長崎で復讐代行業を営む利便事屋5人の物語。必殺仕事人に近い感じの話でした。
利便事屋のリーダーがキリスト教を信仰しているとか、阿片戦争の話が絡んでくるとか、設定的にはいろいろ意欲的なことを取り入れているな……とは感じるのですが、どうもパッとしないまま終わってしまった感じでした。
原案が虚淵玄さんだとか、キャラデザ原案が鈴木次郎さんだとか、ヒットしそうな要因はいくつもあったのですが……

虚構推理 SEASON2
まさかのシーズン2ということで、シーズン1を見ていた流れで一通り見てみました。
今作は1つの事件について2~3話で完結する流れで、最初に事件の真相に迫る仮説を1つ出すけどそれは実は嘘で、最後に本当の真相が語られる、ということが繰り返される感じでした。
前作のようにほぼほぼ動きのないシーンが延々続くというのはなかったのですが、全体的にワンパターンかな、という感じもしてしまいました。1つの事件に対していくつもそれっぽい仮説を出せる、といのうは素直にすごいとは思うのですが。
主人公の恋愛方面にほぼ進展がなかったのも残念でした。

東京リベンジャーズ 聖夜決戦編
話の出来自体はすごくいいのに、なぜかあまり話題にならなくて残念な作品でした。
オープニングは安定のヒゲ男でしかもかなりいい感じの曲でしたし、話の進むペースも演出も完璧で特に不満点もなかったです。
あえて原作のあらすじなども調べずに見ていたので、毎週ハラハラして楽しかったです。


ドラマ

女神の教室
裁判官から法科大学院の教師への転属を命じられた女性と、法科大学院から司法試験合格を目指す学生たちの物語。
主人公の勤める法科大学院はいわゆる弱小の部類で、司法試験の合格者は毎年数名しか出ていないのに加え、合格者は藍井ゼミという成績トップ10名しか入れない私設ゼミに入れた人のみ、という状態。
そんな学校であっても、生徒たちは常に勉強しているし、藍井先生の授業のピリピリした雰囲気など、司法試験合格を志す人たちはこれほど大変なんだな、というのが手に取るようにわかったのはよかったです。
ただ、そこに能天気な感じで実務演習をやる主人公には序盤結構イライラしました。生徒たちも次第に主人公に心を開いていって最終的には認める感じになるのですが、見ていてイライラしなくなるまで5話くらいかかりました。
また、学校や生徒周辺で事件が起こったり巻き込まれたりとかがあるのですが、全体的にちょっと蛇足な感じがありました。学校内の授業だけで話が作れないのはわかるのですが……
最終回はちょっと都合のいい感じはありましたが、ハッピーエンドだったので、見終わった後はスッキリした感じがしました。

罠の戦争
「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く草彅剛さん主演の復讐シリーズ。
長年議員秘書を務めていた主人公が、自身の仕える議員から息子の転落事件を事故として収めるよう依頼されたことに端を発し、真相を探るべく様々な人を罠にかけて追い落としていく話。
とにかく草彅剛さんの演技が全編通して上手かったです。セリフを言っていないときの表情がものすごくよくて、ありとあらゆる感情を表情だけで見せてくれました。特に復讐を決意したときの表情とかすごいなぁ、と感じました。
また、序盤は正義感溢れる好青年みたいな感じだったのが、終盤は権力で頂点を目指そうとする貪欲な感じになっていったりとか、その辺りの演じ方も上手いなぁ、と感じました。
その他、脇役の人たちも上手い人が多くて、某政党の元幹事長と同一人物に見える岸部一徳さん、ザ女性議員の見本みたいな立ち居振る舞いだった片平なぎささん、無能議員の代名詞みたいな本田博太郎さん、ものすごく嫌味なパワハラ秘書の田口浩正さんなど、印象に残る人たちが多かったです。
どこまで本当かわからないような議員と秘書あるあるが所々に入っているのも楽しかったです。

警視庁アウトサイダー
元公安で所轄に飛ばされてきた刑事と、身分を偽って過去の冤罪事件を調べる刑事のバディもの。
主人公が「はぐれ刑事純情派」の大ファンという設定とか、「えっ」→「えって言うな」というやり取りが何回も出てくるとか、全体的に見るとものすごく軽い刑事もの、という感じでした。
ある1つの冤罪事件が話の軸にあって、いろんな事件を解決しながら最終的には冤罪事件を解決するという流れは割と王道的で、最後にちょっとした捻りはあったものの、最終的に冤罪が晴らされる辺りとかはハッピーエンドだけど普通かなぁ、という感じでした。
ただ、キャラ自体は結構立っている感じだったので、続編はあるかもな、という感じがしました。ヒロインの上白石萌歌さんもいい味を出していましたし。
ちなみに、主演の西島秀俊さん、濱田岳さんに加えて神尾佑さんも出演していて、「シェフは名探偵」のメインキャスト4人のうち3人被っているというのもすごいな、と感じました。

忍者に結婚は難しい
伊賀忍者と甲賀忍者の末裔だということをお互い知らずに結婚した2人。ラブラブだったのは最初だけで、今は価値観の違いから離婚寸前。その2人がとある議員殺しの事件に関わったことで絆を取り戻していく話。
設定が「ルパンの娘」みたいだな、と思っていたら、原作者が同じとのこと。
序盤に事件が起きて、中盤はほとんど進展がなく、最後の方で一気に解決するという流れは「ルパンの娘」の1期と結構似ていました。
メインストーリーもそれなりに面白かったのですが、個人的な話のメインは事件の解決ではなく、毎回冒頭にあるお互いの価値観に対する持論を展開するところとか、任務の伝達をしてくる山田役を誰が演じているとかの小ネタでした。ただ、小ネタの面白さは「ルパンの娘」の方が上だったかな、とは思いました。
また、エンディングは主人公の2人がどういう出会いを経てどういうお付き合いをして結婚に至ったのかが漫画で描かれていて、最終回はドラマ内で描かれなかったサイドストーリーが描かれていたりして、そこを見るのも楽しみでした。いい演出だったと思います。

リエゾン-こどものこころ診療所-
医師免許を取得したものの、発達障害が原因で大きなミスをしてしまい、研修先を失った主人公。そんなとき、子供時代に自分を励ましてくれた医師のことを思い出してその医院に向かうと、かつての医師の孫が医院を継いでおり、主人公はそこで研修を続けることになる、という話。
基本的に医院を訪れるのは発達障害児を持つ親が悩んだ末に……という場合が多いものの、ヤングケアラーであったり、摂食障害であったり、学習障害であったり、精神科に関係するもので、これって発達障害がテーマのドラマではなかったっけ?、とちょっと想像と違っていて中盤は少し戸惑いました。原作があるというのはこの時知りました。
また、発達障害は一生付き合わなければいけない病気なのに、ドラマだと、発達障害が原因で何か事件が起こる→療育で状態よくなりました→よかったね、で終わることが多く、その後もいろいろあるでしょうと思ったりもしました。
なお、この作品は主人公だけでなく主人公の恩師の孫も発達障害という設定だったのですが、特徴的なルーチンワークがある、という以外に発達障害らしさみたいなものが感じられる部分がほぼなく、この設定必要なのかな?、と思ったりもしました。
全体的にちょっと浅いかな、と感じました。

6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱
共に花火師として働いていた父親が急死するも、数ヶ月後当たり前のように家の中で生活する姿を見つた主人公。幽霊の父とは会話も可能で、自分が死んだという自覚もあるが、いつまでいるのかはわからないという。そんなとき、1人の女性が弟子入りしたいとやって来て、3人の奇妙な同居生活が始まる。
花火師としての話というよりも、主人公の家族関係の話がメインで、それに花火の話が少し乗っかってくる感じでした。個人的には花火師の話がメインであってほしかったので、そこはちょっと肩透かしな感じでした。
ただ、これまで演技があまり上手くないと感じていた本田翼さんについては、今作かなり自然な感じが出ていて、主人公の高橋一生さんとのやり取りとか結構楽しく見られました。

ブラッシュアップライフ
今期1番の当たり作品でした。というか、ここ最近の中で1番面白くて次週を楽しみにしていた作品でした。
不慮の事故で死んでしまった主人公が、来世はオオアリクイになると言われて、人間になりたいのであれば徳を積む必要があるとも言われ、記憶を保持したままもう1度をやり直す、という話。
第1話の前半は幼馴染3人組との他愛のない会話が延々と続く展開で、これって必要な話なの?、と感じるものの、人生2周目がスタートすると、これがほぼ全て伏線になっていたことがわかり、ここから話に一気に引き込まれました。
最終的に作中で伏線になっていなかった日常会話がほとんどなかったくらいで、この伏線の張り方・回収の仕方が非常に上手かったです。
また、毎回クスッとできるようなネタがあったり、1990年代の懐かしさがあったり、何より主役の安藤サクラさんのモノローグが上手くて、それを見るのが毎回の楽しみでもありました。
最終的に主人公は人生を5周するわけですが、毎回違う職業に就いていて、その職業あるあるが毎回あったのも好きでした。
その他、キャスト自体は豪華なのに作中での役どころとしてほとんど本編に関わらないという、いい意味での無駄に豪華な脇役なども好きでした。
終わり方もすごくきれいでよかったです。
ちなみに、主人公の来世はオオアリクイ→ニジョウサバ→ムラサキウニ→人間と変化し、最後のやり直しでは、望んでいた人間になれると言われたのを蹴って親友を助けるためにやり直しを選ぶ、というところにかなりグッときました。

ワタシってサバサバしてるから
WEB漫画の広告を何度も見かけたことのある作品がドラマ化するというので見てみました。
仕事のできない超自己中心的な自称サバサバ女の主人公は、序盤は見ているだけでただただイライラしました。その主人公がギャフンと言わされる展開も悪くはなかったのですが、そこまでスカッとするわけでもなく。
しかしながら、それなりに中身が伴っている主人公のライバルキャラの自称サバサバ女が出てきてからは面白かったです。演じていた栗山千明さんの演技が上手いのはもちろん、この2人の自称サバサバ女同士のやり取りは結構楽しく見られました。
主人公役の丸山礼さんは芸人さんとは思えないレベルで演技が上手いな、と思ったものの、完全にアドリブだろうなとか素で笑っているだろうなというシーンがそのまま放送されていたりして、そこはちょっと素すぎるのでは、と思ったりもしました。

どうする家康
古沢良太さんが脚本だというので見てみることにしたのですが……もう途中脱落しようかな、と思ってしまっている作品です。これをあと30話くらい見るのかと思うとつらいなぁ、と。
とりあえず1番気になるのは、家康が優柔不断すぎること。タイトルからして仕方ないのですが、いつでもどこでも、どうとようどうしよう、と及び腰になっていて、何か決断したとしても間違っているとか独断すぎるとか微妙な部分も多くて。
また、各所で指摘されていますが、なぜか安っぽいCGが毎回出てきて、騎馬シーンがCGだったときはどうしたものかと思いました。戦国時代の話で騎馬シーンがCGっていうのはどうかと。他にも見るからに安っぽいCGシーンが山盛り出てきますし、そうなるとセットも安っぽく見えてしまったりして、悪循環になってしまっているように感じました。
「鎌倉殿の13人」のときも壇ノ浦の戦いなどはCGでしたが、そんなに安っぽい感じもなかったですし、本当にどうしてこうなった状態。
脇役は一通り演技の上手い人たちが固めているのに、どうして面白くないんだろう、と思うこともしばしば。
視聴脱落までそう遠くないかもしれません。
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