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コミックスレビュー追加 [漫画全般]

今回は購入していたことを思い出した作品のレビューも追加しています。

「あさりちゃん 5年2組」
室山まゆみ・全1巻・集英社(描き下ろし)
★ ★ ★
5年生になったあさりの日常が描かれている。
新たな担任の先生、中学生になったタタミなど、本編の少し後の話が読める。
基本的に4年生だったあさりを知っていること前提ではあるが、知っているといろいろな変化が楽しめる。

「あさりちゃん リベンジ」
室山まゆみ・全1巻・集英社(描き下ろし)
★ ★ ★
5年生になったあさりが幼稚園時代にタイムリープして、なぜいばらと犬猿の仲になったのかの謎を解く。
その他、描き下ろしやコミックス未収録の作品も多く、再録作品も作者の解説付きで楽しめる。
初期の頃から本作を知っている人向けではあるが、全体的に割と楽しめる。

「一ノ瀬家の大罪」
タイザン5・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
ある日病院で目覚めると、少年は自分が記憶喪失であることに気付く。しかも、その場にいた家族5人も全員記憶喪失だという。自分の過去に触れるうち、少年は家族の中の様々な秘密や謎に触れていくことになる。
最初は失くした自分の過去に向き合う話になっているのだが、そこから話は様々な方向へと向かって行くので、いい意味で先が見えない展開になっていっている。
コミックスで1巻進むと全く別の話になっていたりするジェットコースター的な展開が多い。
ミステリー好きな人にも向いている作品。

「美しいばけもの」
山本夜子・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
黒い肌に白い髪という特異な容姿をしていたため村人から虐待されていた少年が、ある日生贄として巨大な赤い狼に捧げられる。その狼に助けられた少年が、狼と共に旅に出ることになる。
第1話が漫画大賞受賞作の連載化バージョンなので、第1話の出来はかなりよい。
その後の展開はまだ何とも言えない部分もあり、話も割と手探り感が強い。
絵が気に入ったなら読むのもアリ。

「獄卒クラーケン」
タカヒロ・戸流ケイ・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
突然異世界に紛れ込んでしまった青年が瀕死になったところでクラーケンと融合することになり、イカの能力を得て、刑務官として勤める監獄から1人の女囚を救い出そうとする話。
原作のタカヒロさんが様々なゲームや漫画の脚本や原作を手掛けているだけあって、キャラの作り方や話の初期設定はさすがに上手いな、と感じる。
掲載誌が青年誌寄りなので、全体的にエログロ多め。
同じ原作・作画の「アカメが斬る!零」(ア行参照)を予想しているとちょっと面食らうかも。

「Colori Colore Creare」
天野こずえ・マッグガーデン(MAGCOMI)
★ ★ ★
急こう配の場所にあり、のれんで囲まれた街で暮らす幼い少女と保育士の交流を描いた作品。
序盤は世界観がわかりにくく、作者の頭の中だけで話が展開している感じがするが、2巻以降くらいになってメインキャラが揃ってくると、幼い子供たちとの交流物語として割り切って読めるようになる。
絵は背景までかなり描き込まれているので、見開きの景色などがきれい。
幼女・ファンタジー・絶景好きならハマれるかも。

「四百四鬼」
もち・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
蟲を使って人から生命力を奪い取る鬼と戦う桃太郎とその一行。
鬼に敗れた桃太郎が力を癒すために眠りにき、現代になって目を覚ますと、ほとんどの力を失ってヒヨコの姿になっていた。
ギャグとシリアスのバランスがいい作品で、何かにつけてヒヨコになった桃太郎がいい味を出している。
設定もしっかりしているしキャラも立っているので、作者の別作品が好きなら買って損はしない。

「堕イドル」
ガクキリオ・山口アキ・全2巻・講談社(別冊マガジン)
★ ★
堕ちたアイドルとして孤島に集められた50人のアイドル達によるデスゲームの話。
各ゲームの設定や攻略方法など、理に適っていてなかなか読み応えのある話だったのだが、3回戦の途中で打ち切りとなってしまい、何の結末もわからないまま終わってしまっていた。
最後まで連載が続いていれば、良作になっていたかもしれない。

「変な家」
綾野暁・一迅社(ピッコマ)
★ ★ ★ ★
オカルトフリーライターの女性が、知り合いから家の購入について相談を受ける。見せてもらった間取りには様々なおかしい点があり、その家についていろいろ調べ始めることになる。
非常に引きの良い作品で、読み始めたら続きが気になって仕方がない程の吸引力がある。
内容的に荒唐無稽に思えても、実際あり得るかも、と思わせてくれる。
ホラーが好きな人にもおすすめ。

「ぼくとミモザの75日」
鬼山瑞樹・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
ヤクザの父親に虐待されて学校にも行けていない少年の下に1人の女性が世話係として現れる。
ミモザと名乗ったその女性は殺し屋で、少年の父親を殺してしまう。ミモザに対して家族的な感情を持ち始めていた少年はミモザと共に逃げ出し、逃亡生活を送ることになる。
タイトルの通り既に終わりが決まっている前提で話が始まっているので、ある意味安心して読める。
逃亡生活中のストーリーは緩急ある作りになっていて、バランスも良い。

「ぼけ日和」
矢部太郎・全1巻・かんき出版(描き下ろし)
★ ★ ★ ★
認知症になってしまった本人、その家族、担当医師の交流を描いた作品。
物盗られ妄想は一番頼りにしている人に対して出る、など認知症になると実際にどういう症状が出るのか、家族はどう接したらいいのか、認知症についていろいろ学べる作品。
少しおかしいことが続いたら医者に行って早い段階で薬に頼った方が、結果的に家族も本人も楽になるなど、目からうろこの情報も多い。
認知症を知るための最初の1冊になる作品。

「有害都市」
筒井哲也・全2巻・集英社(ジャンプ改→となりのヤングジャンプ)
★ ★
有害図書の規制が厳しくなった近未来が舞台。
ギリギリを攻めた新連載でヒットを確信していた漫画家の青年だったが、表現規制のせいで連載初回が掲載された雑誌が回収に追い込まれてしまう。表現規制と描きたい作品との狭間で苦悩する漫画家の物語。
作中で規制に引っかかると言われている表現は現代ではごく普通に存在するもので、もし本当にこんな規制がかけられてしまったら、というのを読者に問いかけるような内容になっている。
掲載誌移動の影響か、あまりきれいな終わり方になっていなかったのが残念。

「予告犯-THE COPYCAT-」
小幡文夫・全3巻・集英社(ヤングジャンプ)
★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
本物のシンブンシたちに影響を受けた模倣犯たちの物語。
本編との繋がりは、新聞紙を仮面代わりにして私刑を行う若者たちの物語、という部分だけなので、内容的にはほぼ別作品。本編よりもエログロ多め。
本編のようなミステリ系の話を求めていると系統が違って面食らうかも。

「龍とカメレオン」
石山諒・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
一度短期打ち切りを経験した後人気漫画家となった青年と、画風からストーリーの癖から全てコピーすることのできる新人漫画家の体が入れ替わってしまう。人気漫画家から新人漫画家に戻ってしまった青年は、マンガへの情熱をそのままに再び連載を獲得するために立ち上がる。
とにかく全編通じて熱い作品。話にものすごく吸引力がある。
作者自身が週刊誌で打ち切りになった経験があるからか、打ち切りが決定している作品の制作現場の空気とか、週刊連載を続けていると発生するあるあるとか、その辺りのリアリティがよく伝わってくる。


差し替え作品

「空のグリフターズ~一兆円の詐欺師たち~」
加藤元浩・全6巻・講談社(月刊マガジン)
★ ★ ★
祖父の借金100億円のカタとして生まれ育った島を奪われた少女。その島を取り戻すため、少女は自分に従えば100億円が手に入るという謎の少年と行動を共にすることになる。
1巻の冒頭に少女たちが詐欺師として逮捕されたと報道される場面があり、少女たちの取り調べ場面が時折入りつつ過去が語られていく形で話が進行していく。
詐欺の手法は割と現実感のあるもので、これなら騙されるかも、と思わせてくれる。また、タックスヘイブンなどの現代らしい経済事情の話もあり、ためになる部分もある。
最初から終わりが決まっていた作品なので、最後はきれいに終わっている。ただ、盛り上がりには少し欠けた感じもした。

「化物語」
大暮維人・全22巻・講談社(マガジン)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの小説を漫画化した作品。
吸血鬼の眷属として不老不死になってしまった少年と、様々な怪異に取り憑かれた少女たちの物語。
登場する怪異がどれも個性的で、じっくり読まないと原理がよくわからない部分はあるが、絵がとにかくきれいなので、読む価値は十分にある。
丁寧に原作を追って行ってくれているので、話の時系列はわかりやすい。
原作での「猫物語」まで描かれていて、最後はきれいにまとまっている。

「破天荒遊戯」
遠藤海成・全24巻・エニックス→一迅社(Gファンタジー→ゼロサム)
★ ★ ★
突如父親に家から追い出されて旅に出されてしまった少女が、街で偶然出会った青年と旅をすることになる。
ストーリーのテンポは良く、キャラもよく立っているので楽しく読める。
絵は全編通してあまり安定しないが、読みにくくはない。
話が盛り上がってくるのは10巻以降で、連続して謎解きがある10巻台の吸引力はかなりのもの。
ただ、すべての謎解きを終えずに最終回を迎えてしまい、話として区切りはついたけどモヤモヤする部分は残ってしまった。
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コミックスレビュー更新 [漫画全般]

「オンエアできない!」
真船佳奈・全1巻・朝日新聞出版
★ ★ ★ ★
テレビ東京の新人ADが、ADの日常について語る半ばエッセイのような作品。
作者が本当にテレビ東京のADだということで、話に物凄くリアリティがある。
予算の少ないテレビ局なので、予算がない中どういう工夫をして番組を作っているのか、という辺りも読み応えがある。
作者が漫画を描くことがほぼ初めてというのもあり、全体的に絵が上手くないのが玉に瑕。

「オンエアできない!Deep」
真船佳奈・全1巻・朝日新聞出版
★ ★ ★
上記作品の続編。
内容的にはADの日常から、ADとして体験した一般的にはあり得ないような話にシフトしている。
絵は小慣れてきて読みやすくなったが、逆に話は悪くないけどそこまで……という感じになってしまった。

「さよなら絵梨」
藤本タツキ・全1巻・集英社(ジャンプ+)
★ ★ ★
とある中学生の少年がもうすぐ死ぬ母親の日常をスマホで撮影し、編集して上映したものの評判はすこぶる悪かった。しかし、それを見て何かを感じた少女・絵梨が少年の前に現れる。少女に誘われ、2人は様々な映画を一緒に観るようになる。
様々な伏線が張ってあり、カメラに捕らえられていない部分に真実があることがわかるシーンは鳥肌モノ。
ただ、作者独特の世界観があるので、感性が合うかどうかで評価は大きく変わってくると思う。それなりに人を選ぶ。

「食戟のサンジ」
附田祐斗・佐伯俊・全1巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
「ONE PIECE」(ワ行参照)の登場人物・サンジのシェフ生活を「食戟のソーマ」を描いたコンビが作品化したスピンオフ。
話のノリは「食戟のソーマ」そのものなので、「食戟のソーマ」が好きなら間違いなく楽しめる。
絵は抜群に上手いので、違ったタッチの「ONE PIECE」を読みたいという人にも合う。

「ONE PIECE エピソード エース」
Boichi・全2巻・集英社(ワンピースマガジン)
★ ★ ★ ★
「ONE PIECE」(ワ行参照)の登場人物・エースのスピンオフ作品。
1人で海に出た後、白ひげの部下になるまでの過程が描かれている。
絵と話に「ONE PIECE」に対する並々ならぬ情熱が感じられる作品で、全編通して熱い。
本編を補完する内容になっているので、「ONE PIECE」が好きなら読んで損はしない。


差し替え作品

「紅い霧の中から」
野原もさえ・全5巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
暗殺者の息子として生まれた少年は、幼い頃から殺人方法を母親に仕込まれる。後に母親と死別し、様々な施設や家を転々する中で、少年は多くの人を殺していく。
序盤から話が二転三転するので、いい意味で先が見えない。
絵も残酷描写が上手く、暗い雰囲気があるところが作品と合っていてよい。
しかし、4巻で母親関連の話は完結するのだが、その後第2部と思われる部分で打ち切りになってしまい、非常に中途半端なところで終わってしまった。
2~3巻辺りで中だるみがあったせいか。

「乙女ゲー転送、俺がヒロインで救世主!?」
辻本ユウ・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
妹がハマっている乙女ゲームの世界に手違いで転送されてしまった少年は、なぜかゲームの中ではヒロイン役になっており、様々なイケメンキャラに言い寄られてしまう。下手に好感度を上げると個別ルートに入ってしまうため、少年は好感度を上げないように努力しつつ、現実世界へ帰る手段を模索する。
好感度をあえて上げないように努力したり、転生ではなく転送なので現実世界から妹のアドバイスが届くなど、それなりに捻られている設定がいい。
王道なゲーム内のキャラ設定にツッコミを入れつつ進んでいく話もなかなか楽しい。
最後は多少駆け足展開だったものの、ちゃんとゲーム世界から戻って終わっている。その後にまだ続く感じではあったが、ギャグマンガなのでこの終わり方でよかったと思う。

「おひとり様物語」
谷川史子・全10巻・講談社(Beth・Kiss)
★ ★ ★ ★
独身で恋人がいない、もしくは恋人と離れている、基本的に孤独な女性たちの物語。
16P完結もののオムニバス形式で、作者の得意分野のような感じで楽しく読める。
ハッピーエンドもそうでないものもあるのがよく、どこからでも読める形式なのもいい。
ただ、おひとりさまの女性が主人公という縛りがあるせいか、中盤以降は似たような話であったり、おひとりさまというより普通の恋愛ものだったりする話が増えてしまい、残念。

「君と僕。」
堀田きいち・全17巻・スクウェア・エニックス(ガンガンパワード→Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
個性的な4人の高校生たちの日常を描いた作品。
やわらかい雰囲気が非常によい作品で、癒し系の雰囲気がありながらも、内容は結構毒々しい、というギャップが楽しい。
絵はすっきりしていて読みやすいが、背景がかなり白いのもまた気になってしまう。
話は長期休載を経て、無事完結。
休載の影響からか、3年生の後半部分がごっそり存在しない状態になってはいたが、作中の恋愛関係を一通り整理して卒業式で終わっている。休載前後での絵の変化もほぼないので、その辺りは違和感なく読める。

「双翼の武装使い」
sanorin・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
人類が滅亡に向かおうとしている中、規格外の身体能力と頭脳をそれぞれ持つ2人が能力武装を手に入れて世界を救うために立ち上がる、という話。
主人公2人が無双していく話なので、基本的に読んでいてスカッとする展開が多い。
序盤は割と面白かったのだが、主人公2人が能力者の学園に入学する、という展開になってから一気に普通の話になってしまい、残念。
最後は完全な打ち切りで、無理矢理ラスボスとの戦いに挑むシーンを挟み込んで何とかまとめた、という感じになってしまっている。
絵は安定して上手かったのだが。

「Dr.STONE」
Boichi・全26巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
突如謎の光に包まれ、地球上全ての人が石化してしまう。
それから約3700年後、偶然石化解除された少年が科学知識を総動員して原始にまで戻った地球で石化の謎を追っていく。
全編に渡って科学知識がふんだんに盛り込まれていて楽しく読める。様々な機械も原理から説明してくれるので、どうして作り上げることができるのかがはっきりわかるのが素晴らしい。
話もテンポよく進んでいて、飽きることなく読める。
人類の石化についても、現代科学で解明可能な部分まではキッチリ解説してくれていて、こういう未来は実際に起こり得るかも、と思わせてくれる。
最後は打ち切りではなかったが、話にある程度区切りがついたところで終わっていて、話としてまだ先がある感じだったのは一長一短ある。

「ひぐらしのなく頃に 令 星渡し編」
刻夜セイゴ・全2巻・ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
「ひぐらしのなく頃に」本編から約35年後、令和元年の雛見沢村で再びオヤシロサマの祟りが起こる。
梨花を除く本編の主人公4人にそれぞれ子供が出来ていて、その子供たちが惨劇の謎に挑む。
舞台が令和になっても、雛見沢村が世界遺産を目指して観光地化されているなど、それなりに村が存続していると思わせてくれているところは素直に上手いと思う。
なお、話としてこれは問題編なので、謎が謎のまま終わっている。これを読むなら解答編もセットで。
綿流しのお祭りの日に村にある宗教団体のお祭りに参加してしまった場合の話が展開されている。

「ひぐらしのなく頃に 令 鬼熾し編」
夏海ケイ・全2巻・ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★ ★
こちらも令和の「ひぐらしのなく頃に」。
キャラ紹介がメインの序盤はほぼ「星渡し編」と展開が同じになっているが、画力が高いのはこちらの作品なので、引き込む力は強い。
1巻の中盤くらいで展開が分かれてくる。
読者を驚かせようとする構成が上手い。
なお、この作品も問題編。綿流しのお祭りに宗教団体に属する少女を誘った場合の話が展開されている。

「ヒノワが征く!」
sterelka・全8巻・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★
「アカメが斬る!」(ア行参照)の続編だが、アカメ自身は出てくるものの舞台は別の大陸に移っており、あくまで脇役という形になっている。
新たに主人公となったヒノワが大陸を統一する話になる……はずだったのだが、打ち切りになってしまい、非常に中途半端なところで終わってしまった。
序盤は小国が大国に挑む話になっているが、話として面白くなってくるのはその決着がついてから。なのに、その直後に打ち切りとなってしまった。
序盤が長すぎたのか、新展開に入ってから人気が落ちたのか。

「百姫夜会」
いふじシンセン・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)

自分の保身しか考えないスクールカーストの最底辺一歩手前の少女が、カースト上位の子に命令されて訪れた心霊スポットで自殺した少女の幽霊に取り憑かれてしまう。しかし、2人は妙に馴染んでしまい、共に暮らして行くことになる。
主人公の性格がちょっと変わった感じでよかったのだが、それが表現されていたのは第1話のみで、以降は普通の女子高生になってしまい、残念。
少しずつ仲間が増えていく展開だったのだが、1人仲間が増えるまで結構時間がかかったというのもあり、その辺りが中だるみで打ち切りの原因だったかと思われる。
最後は中ボスに挑むところで終わる、というトンデモない打ち切り仕様だった。
コミックスでは一応作品の結末として予定されていただろう部分は描かれている。
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コミックスレビュー追加 [漫画全般]

「あかね噺」
末永祐樹・馬上鷹将・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
落語家として真打に昇進できなかった父の無念を背負い、17歳の少女が落語家になって真打を目指す話。
様々な古典落語の解説を作中で丁寧にやってくれているので、落語のことをあまり知らなくても話に入れる。
現代に合わせた改作落語やそれぞれの噺家の個性もあって、テンポよく読めるし話に引き込まれる。
少女の落語家としての成長物語として見ても楽しい。

「オウルナイト」
高津カリノ・ガンガン(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
札幌のすすきのにあるニュークラブ(キャバクラ)で女装して働くことになった青年と、その店にいる個性の強い従業員や客たちの話。
舞台がファミレスからクラブに移って登場人物の平均年齢が上がった「WORKING」(ワ行参照)という感じ。キャラ被りしているようなキャラはいないので、作者の作風が好きなら楽しめる。

「神作家紫式部のありえない日々」
D・キッサン・ゼロサム(一迅社)
★ ★ ★ ★
夫に先立たれて同人誌を書くことで寂しさを紛らわせていた女性に、断れない宮仕えの話が来る。中宮の教育係となった女性は藤式部という名前を与えられ、公認同人活動を許されて源氏物語の続きを書くことになる。
舞台は平安時代だが、セリフには結構な横文字が使われているので、その辺りのノリが合わないときついかもしれない。極端に現代語訳されていると思った方がいい。
背景や当時の生活様式などは結構しっかり描かれている。

「57人の遺産相続人」
夢路行・全1巻・エレガンスイブ(秋田書店)
★ ★ ★
とある大金持ちの老人が生前関係のあった人たち57人にそれぞれ別の遺産を残した。その遺産を渡すように頼まれたスナックを経営する3人の女性と遺産相続人たちの物語。
渡される遺産はそれぞれ謎めいていて、なぜその遺産が選ばれたのか?、というのを解明していく話がオムニバス形式で語られていく。
オチにちょっとした捻りがあったりもして、各話割と面白く読める。

「タコピーの原罪」
タイザン5・全2巻・ジャンプ+(集英社)
★ ★ ★ ★
宇宙にハッピーを広めるため地球にやって来た宇宙人・タコピー。自分にパンをくれた少女を幸せにするため、タコピーは様々な便利道具を少女に与えようとするが、少女はそれを受け取らなかった。
タコピーは善意だけで動いているものの、善意だけではどうにもならない現実であったり人間関係で最悪の結果を招くなど、読んでいるといろいろ考えさせられる作品。
次第に壊れていく主人公、イジメをしないと自我を保てないいじめっ子など、心を抉ってくる。
最後は少々都合のいい終わり方に見えてしまったことだけが残念。

「ひぐらしのなく頃に 令 星渡し編」
刻夜セイゴ・ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
「ひぐらしのなく頃に」本編から約35年後、令和元年の雛見沢村で再びオヤシロサマの祟りが起こる。
梨花を除く本編の主人公4人にそれぞれ子供が出来ていて、その子供たちが惨劇の謎に挑む。
舞台が令和になっても、雛見沢村が世界遺産を目指して観光地化されているなど、それなりに村が存続していると思わせてくれているところは素直に上手いと思う。
これから起こる惨劇に向けて不穏な空気が上手く出ている。

「ひぐらしのなく頃に 令 鬼熾し編」
夏海ケイ・ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★ ★
こちらも令和の「ひぐらしのなく頃に」。
キャラ紹介がメインの序盤はほぼ「星渡し編」と展開が同じになっているが、画力が高いのはこちらの作品なので、引き込む力は強い。
1巻の中盤くらいで展開が分かれてくる。
読者を驚かせようとする構成が上手い。

「黄泉のツガイ」
荒川弘・ガンガン(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★ ★
山奥の村で暮らしていた少年は、ある日村が襲撃され、自身が文明社会と切り離され、隠されて育てられていたことに気付く。2人のツガイと呼ばれる神と共に山を下りた少年に、様々な事件が降りかかる。
序盤は和風ファンタジーに見えるが、実際は現代文明を知らない少年を読者として温かく見守りつつ、バトルを楽しむ感じ。少しずつ明かされていく少年の価値など、話の引きは強い。
細かいネタでも楽しめる。

「竜の花嫁お断り」
イロノ・Gファンタジー(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
竜の血を引いているためそこまで強くはないものの特殊な力を持つ少女が、幼馴染の青年を助けるため封印されていた竜を解き放ってしまう。竜は青年の体に取り憑き、少女に全ての封印を解くよう要求してくる。
一見すると和風ファンタジーだが、実際は西洋の妖怪的なものも割と出てくる。
話としては割と王道な感じで、やや個性に乏しい。

「恋愛自壊人形恋するサーティン」
鍵空とみやき・ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
人のために作られ、自立思考する人形は恋をすることを禁じられていた。
しかし、人形が最終調整のために通う学校で人形たちは全員誰かに恋をしていた。
序盤はややギャグテイストで進むが、途中から少しずつ不穏な空気になっていく。「ハッピーシュガーライフ」(ハ行参照)と似た作品を求めている人にも合うと思う。
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コミックスレビュー追加(5/5) [漫画全般]

「魔女の下僕と魔王のツノ」
もち・全16巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
眠り続けてしまうという自らの病気を治すための薬の材料として魔王のツノが必要だと言い残して、大魔女は眠りについた。大魔女の弟子2人は魔王のツノを取るために魔王城に向かう。
話の最終目的は大魔女を目覚めさせることなのだが、読み終わったときにそこに至るまで紆余曲折・寄り道が山ほどあったな、とまず感じた。
ただ、全ての疑問に対して謎解きがされたし、人間関係もきれいに清算されたので、読後感はよかった。
キャラ同士の掛け合いが面白く、いろんな理論はキッチリ確立されていてあやふやな感じがしなかったのもよかった。

「未完成サイコロトニクス」
高山しのぶ・全4巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
優秀な生徒が集まる全寮制の国立高校に入学が決まった少年。しかし、実際高校に入学してみると、優秀な上級生によって下級生が奴隷のように扱われる、下級生という問題児を集めて上級生によって人格矯正するような場所だった。
実質的に「あまつき」(ア行参照)の続編で、後半になるほど前作の登場人物が出てくる。
本来ならもっと長く続く話だったようだが、打ち切りになってしまったため、最終巻には可能な限りの謎解きが入っているものの、いろんなことに決着がつかないまま終わってしまっている。
一応更なる続編について匂わされているが、実現するかどうかは不明。

「ミタマセキュ霊ティ」
鳩胸つるん・全5巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
霊に取り憑かれやすく、背後霊が100人行列をなしている少女を幽霊から守るため、悪霊退治のプロ・セキュ霊ティの青年がやってくる。
悪霊退治のプロなのに怖がりな主人公、次第に霊と仲良くなって名前を付け始めるヒロインなど、個性豊かなキャラが楽しめる。次第に人格を持ち始める背後霊たちもいい味を出している。
終盤はネタ切れ感が強く、無理矢理話を続けている感じがしてしまったのが残念。

「miroirs」
白井カイウ×出水ぽすか・全1巻・集英社
★ ★ ★
「約束のネバーランド」(ヤ行参照)コンビがシャネルとコラボした短編集。
シャネルのブランドコンセプトや哲学などが根幹にあるオムニバスストーリーになっている。
シャネルのことは言われないとわからないくらいの表現に留められているが、それぞれの主人公の生き方などは面白く読める。

「無能なナナ」
古屋庵・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
とある絶海の孤島に特殊能力を持った子供たちが集められ、人類の敵と戦うための訓練をしていた。しかし、実際はその島にいる子供達こそが人類の敵であった。そこに何の能力も持たない1人の少女が派遣され、人類の敵を全滅させるべく能力者たちを次々に殺していく。
原作がるーすぼーいさんなので、一筋縄ではいかない事件や謎解きが連続して引きつけられる。ストレートな話に見えて捻られていることが多く、常に飽きさせない展開になっている。
絵はそこまで上手くはないが、読みにくくはない。

「メイのメイデン」
レルシー・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
派遣された女の子とギャンブルをして、勝てば女の子に何をしてもいいというルールのあるデリバリーカジノ・メイデンズ。そこに長年勤めながらも負け知らずの少女メイと新人の少女アイが様々なギャンブルに挑む話。
特殊ルールのギャンブルをしていく話で、ギャンブル自体は割と捻られていて面白く読める。必勝法などのヒントの出し方も上手い。
ただ、デリバリー先でギャンブルをする→勝つ、というのが繰り返されるので、序盤で割とワンパターン化してしまったのが残念。
最後はそれなりの決着をつけて終わったが、かなり急ぎ足で終わった印象。
絵は女の子がかわいくてよかったのだが。

「めざせ豪華客船!!~船召喚スキルで異世界リッチライフを手に入れろ~」
ザザロン亞南・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
異世界転生した少年が船召喚というチートスキルを手に入れて、一隻のボートから豪華客船を目指してお金儲けを頑張る話。
主人公の持つ船召喚スキルというのが特殊で面白い。
小さいところからコツコツ稼いでいき、次第に大きな取引をするようになる過程は読んでいて素直に面白い。
絵も上手いので、安心して読んでいられる。

「約束のネバーランド」
白井カイウ×出水ぽすか・全20巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★ ★
とある孤児院で伸び伸びと育っていた11歳の少年と少女は、ある日自分たちが喰われるために育てられている、という事実を知ってしまう。少年少女たちは孤児院から脱出するための計画を練り始める。
孤児院からの脱出に始まり、少しずつ世界の全容が見えてきて、最終的に主人公たちが納得する形にまで持って行っていたのが素晴らしかった。
話に起伏があって飽きさせず、すべての謎解きを終えてきれいに完結している。
絵は個性が強めだが、話の雰囲気に合っていてよかった。

「山の彼方の君の学校」
赤夏・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
非常に危険な山道を使って通学している少女の家に家庭訪問をすることになった教師。しかし、少女は頑なに家庭訪問を拒む。
表題作の他にも何本かの短編が収録されている。
作者らしい雰囲気がよく出ているものが多い。
何やかんやで表題作が1番面白いのだが。

「夕暮れを待ちながら」
夢路行・秋田書店(エレガンスイブ)
★ ★ ★
とある漁港には食堂を営む女性、不思議な少年、魚に変身する能力を持つ謎の老人がいた。
何らかの心の傷をもって漁港を訪れる人たちは、3人と交流することで何かしらの答えを見つける。
基本的には漁港を訪れる人と3人の主人公の交流を描いたオムニバスストーリー。
ファンタジー要素もあるので、全体的に不思議な雰囲気が漂う癒し系の作品。

「ゆうべはお楽しみでしたね」
金田一蓮十郎・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★
ドラゴンクエストXを通じて知り合ったパウとゴローは、お互い同性だと思い込んでパウの家で同居することを決めるが、実は異性同士だということがわかって混乱する。しかし、引っ越し当日にそれが判明したため、2人はなし崩し的にそのまま同居することになる。
ドラクエXを通じて知り合ったところから始まり、作中には頻繁にドラクエXのネタが出てくる。
実際にゲームをしている人の方が話が分かりやすいと思うが、知らなくても読める。
波乱がありつつも2人の距離が縮まっていくのをのんびり眺める感じの話になっている。

「妖飼兄さん」
真柴真・全4巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
天涯孤独だと思っていた青年には腹違いの兄がいるとわかり、青年は兄の下を訪れる。しかし、兄は全身が包帯に包まれている上に妖怪のレンタルショップを営むとんでもない人物だった。
兄に振り回される弟を楽しむ感じの話で、全体的にはシリアスもあるギャグマンガ。
一見してギャグっぽくない表紙だったりするので、絵で買うとちょっとビックリするかも。

「ヨシノズイカラ」
ヨシノサツキ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
作品の打ち切りが続き、漫画家として自信を失くしていた青年は、地元を舞台にした日常系の作品を描く。何がウケているのかわからないまま、作品は人気作へと成長していく。
おそらく「ばらかもん」(ハ行参照)を描いていた頃の作者が投影されているのだろうな、と感じる作品。
作品がアニメ化されて連載を終えるくらいまで話は続くと思っていたのだが、離島を旅立って初めてのサイン会に参加する辺りで終わってしまった。
もっと続いてもよかっただけに、残念。

「齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~」
ムロコウイチ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
長寿で体が大きいだけの草食ドラゴンが、凶悪肉食ドラゴンと間違えられて少女の生贄を捧げられる。少女はドラゴンに食べられることを望んでいたが、ドラゴンはどうにか説得して少女を生き延びさせる。すると、思い込みの激しい少女はとてつもない魔法使いとして覚醒し、2人は新天地を求めて旅に出る。
少女の勘違いっぷりと思い込みの激しさ、いろいろ思いがすれ違いながらも協力して旅をしていく姿がなかなか楽しい。
原作の2巻までの内容でコミカライズが終わってしまったため、終わり方は少し中途半端。

「来世は他人がいい」
小西明日翔・講談社(アフタヌーン)」
★ ★ ★ ★ ★
大阪の極道の跡取り娘が同い年の青年との婚約のため、東京に出てくる。当初青年は婚約者としての跡取り娘に全く興味を示さなかったが、とある事件をきっかけに強烈な執着を見せるようになる。
登場人物たちが強烈な個性を持っており、序盤からかなり引きつけられる。
随所に極道らしさが垣間見える話なので、なんちゃってヤクザが出てくる作品とは一線を画している。
話もしっかり練られている内容で、飽きさせない。
若干絵は人を選ぶかもしれない。

「RAIDEN18」
荒川弘・全1巻・小学館(サンデーGENE-X)
★ ★ ★
死体改造愛好家の少女がいろんな死体をつぎはぎして1体の人造人間を作り上げる。
人の道に外れたことばかりする少女と、妙に常識人な人造人間の話。
テンポよく話が進んでいくので、サクサク楽しく読める。
掲載時期が10年くらいに及んでいるので、普通なら1話と最終話で絵柄に違いが出そうだが、そこまで落差がないので、違和感なく読める。

「ラグナクリムゾン」
小林大樹・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
竜を狩る狩竜人としてまだ新人の青年と天才だと言われる少女がいた。2人はコンビを組んで竜を狩っていたが、あるとき青年は未来の自分から少女がいずれ竜に殺されると教えられる。その未来を回避するため、未来の自分から力を与えられた青年は少女と別れて別の仲間と共に竜を全滅させるための旅に出る。
転生とも過去のやり直しとも少し違う設定で、序盤こそ未来の知識を使う場面があるが、中盤以降はただひたすら竜と戦う展開になっている。
戦闘シーンは迫力があり、キャラも個性が強いので引き込まれる。
味方の方が悪逆非道だったりするところも面白い。

「ルックバック」
藤本たつき・全1巻・集英社(ジャンプ+)
★ ★ ★
漫画家を目指し、学級新聞に4コマ漫画を描いていた少女は、担任から不登校の女の子が描いた4コマ漫画も学級新聞に載せるよう頼まれる。不登校の女の子の絵は少女よりも格段に上手く、少女は実力差に打ちのめされる。
終盤の展開がちょっとわかりにくいというのはあるが、長編読み切りという形できれいに話はまとまっている。各キャラの感情表現の仕方など、いろいろ引きつけられる部分はある。

「るろうに剣心 裏幕-炎を統べる-」
和月伸宏・全1巻・集英社(ジャンプスクエア)
★ ★ ★
上記作品の番外編。
京都編に登場する志々雄真実と駒形由美の出会いが描かれている。
漫画本編はコミックスの半分くらいの量で、残り半分は同内容の小説が掲載されている。
漫画本編だけ読めればよかったので、小説部分は無駄と感じられるのが少し残念。
内容的には本編を補完する形になっているので、本編が好きなら読んで損はない。

「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚・北海道編―」
和月伸宏・集英社(ジャンプスクエア)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編で、明治16年が舞台となっている。
死んだと思われていた神谷薫の父親が生きて北海道にいるのではないか、ということがわかり、薫と剣心は北海道へと向かう。
前作のキャラが多数登場するので、前作を知っていることが前提。
人気キャラが集まっているので、前作が好きな人なら間違いなく楽しめる。
剣心が飛天御剣流の剣術を使えなくなりつつあるという設定があるため、剣心が戦うシーンは全体的に少なめ。あくまでサブキャラの位置にいる。

「ロクショウ!」
極楽院櫻子・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
女性しか生まれないと言われていたとある神社に生まれた初めての男子である少年は、謎の敵に襲われ、1人の少女に助けられる。2人は融合して歌を歌うことで敵を倒す力を得る。
主人公には5人の許嫁がいるという設定だったが、途中で打ち切りが決まったためか、最後の2人は最終回ギリギリで登場し、かなり強引な終わり方になっていた。序盤の展開が遅いだけに、ギャップが激しい。
一応戦いの結末まで描かれているので、中途半端な終わりではなかったのが救い。

「わたしの幸せな結婚」
高坂りと・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★ ★
政略結婚の末に生まれた少女は、母親が死んで後妻がやって来てその娘が誕生すると、家庭内で虐待されて使用人以下の生活を強いられる。厄介払いとして父親に勝手に結婚が決められてしまうが、嫁ぎ先でひた向きに暮らしていると、次第に大切に扱われるようになっていく。
主人公の自己肯定感の低さにイライラしてしまう部分はあるが、主人公が幸せを手に入れ、いじめていた人たちが落ちていく姿を見るのは、単純に読んでいてスカッとする。
絵もいい感じに儚げなので、話の雰囲気と合っていてよい。
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コミックスレビュー追加(4/5) [漫画全般]

「化物語」
大暮維人・講談社(マガジン)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの小説を漫画化した作品。
吸血鬼の眷属として不老不死になってしまった少年と、様々な怪異に取り憑かれた少女たちの物語。
登場する怪異がどれも個性的で、じっくり読まないと原理がよくわからない部分はあるが、絵がとにかくきれいなので、読む価値は十分にある。
丁寧に原作を追って行ってくれているので、話の時系列はわかりやすい。

「BURN THE WITCH」
久保帯人・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
ロンドンの裏側に広がるリバース・ロンドンでドラゴンと戦う魔法使いたちの話。
世界観として「BLEACH」(ハ行参照)と共有している部分があるものの、そこまで近しいものではないので、別作品としてちゃんと読める。
キャラの個性が強く、ノリもいいのでサクサク読めるのがいい。

「はじめてのひと」
谷川史子・集英社(ココハナ)
★ ★ ★
初めて好きになった人だけでなく、初めて憎んだり、執着したり、愛されたり、と大人になってから体験する「はじめて」が描かれたオムニバスストーリー。
対象年齢は割と高めで、そのせいかハッピーエンドは少なめ。
大人の女性の日常が描かれていて、いい意味で生活感がある。

「はっぴいヱンド。」
有田イマリ・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)

田舎に引っ越してきた少女は、少しずつ地域に馴染んで楽しく暮らしていた。
しかし、ある日毎日書くように言われていた学級日誌を書き忘れてしまい、罰ゲームとして殺されてしまう。けれど、気が付けば転校初日に時間が巻き戻っていた。
タイムリープをしながら少しずつ真相に近付いていくタイプの話なのだが、どういう仕組みでタイムリープが起こっているのか、タイムリープを起こしているのは誰なのか、という謎解きが終わったところで連載終了してしまった。
ループを抜け出すところまでやってくれればもっと評価は高かったのだが……

「ハッピーシュガーライフ」
鍵空とみやき・全10巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
幼い頃に両親を亡くし、叔母による歪んだ愛情の下で育てられた少女・さとうは愛を知らなかった。
気の向くままに男遊びをしていたさとうだったが、あるとき街で出会った少女・しおを拾い、愛を知る。2人はささやかに暮らしていたが、しおを探す少年が現れて2人の暮らしに変化が表れる。
ほとんどの登場人物がある種の異常者、ということで、いい意味でどす黒い話が楽しめる。
特に登場人物の1人・太陽はいい変態になっている。
話の進むペースが少し遅いというのはあるが、謎解きをすべて終えた上で、最後はきれいに完結している。

「ハラサキ」
櫻シノ・全2巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★ ★
幼い頃の記憶がほとんどない女性は、結婚を機に故郷の村を訪れることにする。
しかし、そこに向かう電車の中で気を失ってしまい、気が付くと別次元の村に辿り着いていた。
最初は主人公に感情移入してしまうのだが、中盤以降いい意味で共感できない展開になってくると面白くなってくる。
ラストシーンは必見。
一気読みがおすすめ。

「春の呪い」
小西明日翔・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★ ★
妹の春が19歳にして癌で亡くなってしまう。春には婚約者がおり、春が死んだことで今度は姉が新たな婚約者として指名されるが、姉はそれを承諾する条件として春と巡った場所を案内してほしい、と提案する。
姉は妹のことが大好きだったけど、妹は姉よりも婚約者を見るようになっていて、その婚約者は妹よりも姉のことが好きだった、という三角関係が話に大きく絡んでくる。
婚約者に惹かれつつも妹のことを想って苦悩する姉の姿がいい。
人の心を抉ってくるような展開も多く、引き付けられる。
完全なハッピーエンドという終わり方ではなかったが、それなりにキリよく終わっている。

「ヒノワが征く!」
sterelka・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
「アカメが斬る!」(ア行参照)の続編だが、アカメ自身は出てくるものの舞台は別の大陸に移っており、あくまで脇役という形になっている。
新たに主人公となったヒノワが大陸を統一する話になっていくと思われる。
序盤は小国が大国に挑む話になっているが、話として面白くなってくるのはその決着がついてから。巻数としては6巻以降くらい。
メインキャラと思っていたキャラがサクサク死んでいくのは「アカメが斬る!」と同様で、誰が死んでもおかしくないので話に緊迫感がある。

「100日後に死ぬワニ」
きくちゆうき・全1巻・小学館(Twitter)
★ ★ ★
Twitterで公開されていた連載漫画を1冊の本としてまとめたもの。
読者には100日後に死ぬと予告されているワニが過ごす日常が淡々と描かれ、死ぬとわかっているからこその哀愁が漂うのがいい。
ワニが死んだ後の後日談が描き下されているが、そこまで大きい内容ではなかった。
なお、コミックスのサイズが変形判のため、本棚にしまうとき困る。

「百姫夜会」
いふじシンセン・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
自分の保身しか考えないスクールカーストの最底辺一歩手前の少女が、カースト上位の子に命令されて訪れた心霊スポットで自殺した少女の幽霊に取り憑かれてしまう。しかし、2人は妙に馴染んでしまい、共に暮らして行くことになる。
主人公の性格がちょっと変わった感じでわりといい。
まだ序盤なので能力バトルに向かうのか退魔師ものに進むのかがわからないが、キャラには個性があるので面白くなりそうな感じはする。

「貧乏令嬢の勘違い聖女伝~お金のために努力してたら、王族ハーレムが出来ていました!?~」
遊行寺たま・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
貧乏貴族に生まれ育った少女は、生活苦から冒険者として旅に出るが、実力不足で死亡してしまう。
しかし、目を覚ますと時間が巻き戻っており、もう1度人生をやり直すことになる。
時間が巻き戻る前の失敗を教訓として、新しい人生を謳歌していく話。時間が巻き戻るのは1回だけで、転生とはまたちょっと違うところが上手いと思う。
タイトルにある王族たちはポンポン出てくるわけではないので、話の進み方に都合が良すぎると感じる部分がないのもよい。
絵は上手いので読みやすい。

「FINAL FANTASY LOST STRANGER」
亀屋樹・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
スクウェア・エニックスの社員である兄妹が交通事故で死亡してしまうが、ファイナルファンタジーと非常に近しい世界に転生する。そこで妹が死んでしまうが、FFの世界にあるはずの蘇生呪文・レイズはおとぎ話に出てくるものとして実在していなかった。それでも妹を生き返らせるため、レイズを求めて兄は旅に出る。
一見するとイロモノ異世界転生なのだが、読んでみるとなかなかどうして、シナリオがしっかりしている。
FFの知識が随所に登場する作品なので、FFを一通りプレイした人の方が楽しめる。
絵は戦闘シーンに迫力があり、読みやすい。

「Fate Grand/Order-turas realta-」
カワグチタケシ・講談社(マガポケ)
★ ★ ★
スマホゲームのFGОで序・1・3・5・7・8章が描かれる予定のコミカライズ作品。
シナリオに定評があるスマホゲームが原作なので、シナリオに関して文句はないのだが、いつまでたっても絵が上達しないので読むのが結構きつい。
序章に関して対になっている下記作品と違う解釈をしている部分もあり、全体的に微妙。

「Fate Grand/Order-mortalis:stella」
白峰・一迅社(ゼロサム)」
★ ★ ★ ★
スマホゲームのFGОで序・1・2・4・6・8章が描かれる予定のコミカライズ作品。
絵に関しては上記作品に比べてこちらの方が格段に上手い。ただ、長期休載を挟んでおり、連載再開後もずっとページ数が少ないので、話の進むスピードはかなり遅い。
展開を急いでいるわけではないので、まとめて読む分にはいいのだが。

「腐女子になって四半世紀経つとこうなる~底~懐古編」
御手洗直子・全1巻・一迅社(pixiv)
★ ★ ★ ★
インターネットがまだ普及していない頃から同人活動をしている作者が、ネットのない時代はどうやって同人活動をしていたのか、などを振り返る話。
ネット黎明期の話など、懐かしい内容が満載で、確かにあの頃はこうだったなと、ものすごく内容に共感できる。
コミケの噂の真相を、壁サークルの当事者だった高河ゆんさんにインタビューして確認していたりもするので、その辺りも興味深く読める。

「双子の帝國」
鬼頭莫宏・既刊3巻(立ち消え)・講談社(バンチ)
★ ★
滅びた民族の生き残りである少年は、触れる者を死に至らしめる呪いを持った少女と旅をしている。2人は少女の呪いを解くため、既に死滅したとされている魔法使いを捜していた。
話としてかなり序盤で連載が立ち消えてしまったため、これから面白くなりそうなのに……という状態で放置されている感じになっている。
設定自体はそれなりに珍しくていいのだが。

「ぶっしのぶっしん鎌倉半分仏師録」
鎌谷悠希・既刊5巻(立ち消え)・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)」
★ ★ ★
鎌倉時代、仏師だった少年は事故で半身を失ってしまうが、失われた部分を仏像で補うことで生き延びる。
人でありながら半分仏となった少年は、仏像を造りつつ都などで起こる異変に対応していく。
時代設定から人物設定まで、漫画のジャンルとしてこれまでにあまりなかったものを多く取り入れているところは素晴らしい。
ただ、話半ばで連載が立ち消えてしまい、話として何も解決していないのが辛い。
絵は上手いので読みやすい。

「ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」
尾羊英・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
古代中国に似た王宮で、病弱だが皇帝に愛されている少女・玲林と、健康だが宮中のドブネズミと言われている少女・彗月の体と心が入替ってしまう。宮中で最も嫌われている少女の体になってしまった玲林だったが、それを嘆くこともなく、健康な体を手に入れたことを喜び、畑仕事に精を出すことにする。
とにかく主人公・玲林のポジティブシンキングが楽しい作品。
苦境を苦境と思わず、可能な限り努力し続ける姿もいい。
絵も上手いし、話はテンポよく進むので、サクサク読める。

「プラチナエンド」
小畑健・全14巻・集英社(ジャンプスクエア)
★ ★ ★
神の代替わりが近付き、13人の天使がそれぞれ1人ずつ人間の中から神候補を選んで、最後の1人になるまで争わせることになる。神候補たちはお互いに協力したり敵対したりしながら、次第に数を減らしていく。
「DEATH NOTE」(タ行参照)コンビによる作品で、神候補が持つアイテムの制約などは「DEATH NOTE」に通じるものがあるな、と感じる。
神候補同士の戦いではいろいろな駆け引きが行われるので、それを楽しむ感じ。
主人公が中盤くらいまでかなりウジウジした性格をしているので、そこは読んでいてちょっとイライラする。
話としてはきれいに終わったが、ハッピーエンドではないので、終わり方は人を選ぶ。

「ブラトデア」
速水時貞・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
「アラクニド」(ア行参照)の続編で、前作終了直前の別主人公の視点で話が始まる。
作画は前作から変更されて「キャタピラー」「蝶撫の忍」と同じ人が行っている。
前作の主人公も登場するが、新しくゴキブリの能力を持った少女も主人公扱いで登場するので、ダブル主人公という感じ。
前作から引き続き登場するキャラも数多くいるので、前作を知っていないとわかりにくい部分もある。

「BLEACH」
久保帯人・全74巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
幼い頃から幽霊を見ることができた少年は、偶然出会った死神の少女から力を貸し与えられ、死神代行として人に害をなす霊・虚を倒すことになる。
話は大きく分けて三部構成となっており、敵対勢力と戦うバトル要素が強い。
長期連載化したことで非常に登場人物が多いが、きちんと個性がついていて全て描き分けられているのは素晴らしい。セリフや戦い方もスタイリッシュで引き込まれる。
ただ、思わせぶりなセリフもまた多く、伏線を張るだけ張って回収されていなかったり、謎解きがなされないままの設定も多かった。
雰囲気で読む感じ。

「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」
matoba・全12巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
魔界の行政機関である万魔殿の頂点に君臨する美少女悪魔・ベルゼブブ。仕事は有能だが天然気質のあるベルゼブブの近侍として1人の青年が配置されることになる。
設定は魔界なのだが、生活スタイルは人間界の役所とさして変わらないので、キャラの名前だけ悪魔から引用していると考えた方がいい。人間界や天界との仲も良好で、争いの雰囲気は一切ない。
個性的なキャラたちが暮らす日常を楽しむ癒し系の作品。
最後はキッチリハッピーエンドで終わった。

「ぼくのお父さん」
矢部太郎・全1巻・新潮社(小説新潮)
★ ★ ★
作者の実父である絵本作家・やべみつのりと作者の幼少期の思い出を描いた作品。
「大家さんと僕」(ア行参照)とは違い、フルカラーで描かれている。
一通り読んでみると、かなりエキセントリックな父親だったというのがわかる。
「大家さんと僕」ほど心に響く言葉などがないのはちょっと残念だったが、父親のキャラは読んでいると心が温かくなる感じはある。
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コミックスレビュー追加(3/5) [漫画全般]

「堕アホリズム」
田中ひかる・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★
「アホリズム」(ア行参照)の外伝的作品。
本編の13年前、「弩アホリズム」(下記参照)の4年後の話で、「病文字」と言われる禁断の文字を選んでしまった少女の物語。
「病文字」という設定を出すための話という感じで、本編の謎解きなどは特にない。
本編と違う人が作画しているが、絵はそれなりに似ているので、読んでいて違和感はない。

「チェンソーマン」
藤本たつき・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
両親がおらず、借金返済のためギャングの手下として最底辺の生活をしていた少年。
その中で少年は一緒に暮らしていた悪魔と共に殺されてしまうが、悪魔が少年の心臓となることで蘇生する。その時に出会った女性とともに、少年はデビルハンターとして公安で働くことになる。
様々な能力を持った悪魔が登場するが、その個性の付け方が上手い。
最後までラスボスがわかりにくかったのはよかったが、全体的に話が概念的というか抽象的なところがあるので、人を選ぶところはある。
絵は粗く見えるが、読みにくくはない。

「天賀井さんの案外ふつう」
水野英多・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
かつて2匹の化け物住んでいたという伝承の残る街に、10年前に起きた殺人事件の犯人を見つけるために来た、という転校生の少女が現れる。
殺人事件と古い伝承と異世界の設定が入り乱れる話だが、意外と話の筋はしっかりしている。
殺人事件の犯人のことなど、読者が考える前に登場人物たちが勝手に特定してしまって置いてきぼりになる感じはあるが、最後はきれいにまとまっている。

「弩アホリズム」
宮条カルナ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
「アホリズム」(ア行参照)の外伝的作品。
本編の17年前の話となっていて、たまたま修学旅行で楢鹿高校の近くに来た少年が、学校の敷地内に入ったことで外に出られなくなってしまい、やむなくそこで暮らすことになる、という話。
主人公の性格があまりよくなく、序盤ではどうにか学校の外に出ようと誰の言うことも聞かずにがむしゃらに行動した結果死人が出るなど、後味悪い展開となっている。
中盤以降は連続殺人事件を追うことになるが、あまり吸引力はない。
学校で出されるおいしい食事の秘密について描くための話だったように思う。

「怜-Toki」-
めきめき・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★
「咲-Saki-」(サ行参照)のスピンオフ作品で、「咲-Saki-阿知賀編」に登場する千里山女子高校の生徒で一巡先が見える能力を持つ園城寺怜が主人公の話。
話は怜が小学生時代から始まっており、一巡先が見える能力がうすぼんやりあるようなないような、という状態。麻雀というよりも小学生の女の子たちがキャッキャウフフしているのを楽しむような作風になっている。
個人的にはもっと麻雀の比重を増やしてほしい。

「ときどき漫画家、金田一蓮十郎~〆切はおとといでした。~」
team.きんだいち・全1巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★
「〆切はおとといでした。」(サ行参照)の続編。
相変わらずハロプロの話が多いのだが、半分くらいがアシスタント作のギャグマンガになっていて、これが果てしなくつまらなかった。ハロプロの話ならまだエッセイとして許容できたが、エッセイですらなくなってしまったのはきつかった。
作者の出産話など、面白い部分もあるのだが……

「Dr.STONE」
Boichi・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
突如謎の光に包まれ、地球上全ての人が石化してしまう。
それから約3700年後、偶然石化解除された少年が科学知識を総動員して原始にまで戻った地球で石化の謎を追っていく。
全編に渡って科学知識がふんだんに盛り込まれていて楽しく読める。様々な機械も原理から説明してくれるので、どうして作り上げることができるのかがはっきりわかるのが素晴らしい。
話もテンポよく進んでいて、飽きることなく読める。

「賭博黙示録カイジ」
福本伸行・全13巻・講談社(ヤングマガジン)
★ ★ ★ ★
友人の借金の保証人になっていたことで多額の借金を背負わされてしまった男・カイジ。カイジは借金返済のため、非合法ギャンブルに挑むことになる。
人の心を読み、提示されるギャンブルの本質を見抜いて勝ち抜いていく主人公の姿に引き込まれる。
また、悪役の言うことに一々説得力があり、人間の本質みたいなものも見えてくる。
序盤の方がテンポよく話が進んで面白い。

「賭博破戒録カイジ」
福本伸行・全13巻・講談社(ヤングマガジン)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
背負った借金が高額になったため、地下労働施設で強制労働させられることになったカイジ。借金を返済して地下労働施設から抜け出すため、カイジは仲間と協力してギャンブルに挑む。
地下労働施設での話が個人的にカイジシリーズで1番好き。
最後はきれいに終わっているので、ここで読むのを終わりにしてもいい。

「賭博堕天録カイジ」
福本伸行・全13巻・講談社(ヤングマガジン)
★ ★ ★
上記作品の続編。
前作で知り合った仲間の家で暮らしていたカイジだったが、あまりに自堕落に暮らしていたため家を追い出されてしまう。
持たされた手切れ金でカイジは地下労働施設での仲間の誘いにより、あるゲームに挑むことになる。
全編通してギャンブルは1種類しか行われないというのもあり、展開が非常に遅い。
最後のどんでん返しの辺りは面白いが、そこまでが長い。
終わり方は続編前提になっているので、その辺りは注意が必要。

「トリリオンゲーム」
池上遼一・小学館(ビッグコミック)
★ ★ ★ ★
1兆ドルあれば世界の全ての物が買える、という前提の下、大学を卒業したばかりの青年2人が会社を立ち上げて総資産1兆ドルを目指す話。
原作が稲垣理一郎さんなので、主人公が口先だけで世の中を渡っていそうで実はしっかりとした戦略を持っているところなど、いろんな部分で原作者らしさを感じる。
1巻の冒頭で青年2人が総資産1兆ドルを達成することは既に語られていて、過去を振り返る形で話は進んでいく。なので、割と安心して読んでいられる。
作画がかなり高齢の方なので、絵柄が半世紀くらい前の劇画調で全体的に表情が硬く見えるのが残念。

「逃げ上手の若君」
松井優征・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
足利高氏の裏切りによって鎌倉幕府は滅ぼされ、北条氏は関東での支配権を失ってしまう。北条氏の最後の当主である時行は諏訪地方の神社の力を借りて再起を目指す。
北条時行の生涯を描いた作品で、史実をベースにした話になっている。
時行が最終的にどうなってしまうのかがわかっていても読みたくなる力があり、主人公を取り巻くキャラも個性的でよい。
当時の武士とはどんな感じだったのか、というのもわかるので、解説を読むのも楽しい。

「ねねね」
萩原ダイスケ・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
16歳の少女が常に狐の面で顔を隠している20歳以上年上の男性に嫁ぐ。
少女は少しでも夫との距離を詰めようと努力する。
大正×年差婚物語だが、常に顔を隠しているという設定と作画上そこまで年上に見えないのはちょっと残念。
2人の純愛を楽しむ話で、もっと続いてもよかったのだが、1巻で終わってしまった。
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コミックスレビュー追加(2/5) [漫画全般]

「廻生のカリカチュア」
轟斗ソラ・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)

制服によって差別が明確化されている学園に通う少年は、存在しないはずの兄が自分をかばって死ぬ夢を毎晩見ていた。そして、1人の少女と出会うことで運命が動き始める。
ほぼ謎解きがないまま打ち切りになってしまった作品で、読んでもモヤモヤしか残らない。
不思議の国のアリスがモチーフになっているが、他の作品との差別化はあまりできていない。
絵がきれいなことだけが救い。

「賭ケグルイ」
尚村透・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
ギャンブルが推奨される学校にギャンブル狂の少女が転校してくる。少女は大金をかけた様々な特殊ルールのあるギャンブルに挑んでいく。
ギャンブルに勝ったとき、負けたときの顔芸を楽しむ作品。
ギャンブル自体も一捻りされているものが多く、そちらも楽しめる。
登場キャラも個性が強くていい。

「賭ケグルイ双」
斎木桂・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
上記作品は主人公が高校2年生だが、本作はクラスメイトのサブキャラ・早乙女芽亜里が1年生のときの話となっている。
本編主人公の夢子が運にも頼るのに比べて、芽亜里は徹底した合理主義者で確率的に分のいいものを取っていくところが差別化されている。
絵柄も本編に近いものがあり、違和感なく読める。

「賭ケグルイ妄」
柊裕一・全4巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
サブキャラ・生志摩妄が主人公。
本編が始まる少し前、妄が美化委員長になった直後の話で、運や戦略関係なくその場の勢いでギャンブルをしていく姿が描かれている。
話があまり広がらないまま中途半端なところで終わってしまった印象があり、本編との関わりも希薄で微妙だった。絵はきれいなのだが。

「花燭の白」
高山しのぶ・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
体に花を咲かせ、それが鬼の食事となる花燭となった少女と鬼の物語。
舞台設定は大正頃となっていて、街の雰囲気などがいい感じに再現されている。
自分に自信の持てない主人公が鬼に見初められて戸惑いながらも愛される、という基本設定が理解できれば割と楽しく読める。普通に読むだけだとそこがわかりにくい。

「かつて魔法少女は悪と敵対していた」
藤原ここあ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
オラオラ系マスコットに魔法少女にされてしまった貧乏少女が、悪の組織の幹部に一目惚れされて、敵対しているように見せかけて愛されまくる、という話。
テンポのいいギャグと個性的なキャラが魅力で、確実にアニメ化されるくらいのクオリティがあった。
しかし、作者急逝のため打ち切りとなってしまった。それが非常に惜しまれる作品。

「彼女の腕は掴めない」
理央・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
体の欠損を愛するというアポテムノフィリアの青年が、生まれつき両腕のない女子高生をたまたま街で見かけて誘拐してしまう。少女は逃げ出すことのできる状態でも逃げ出さず、青年と暮らすことにする。
第1話にかなりインパクトのある作品だっただけに、その後は尻すぼみな感じになってしまったのが残念。
青年と少女の微妙な距離感は割と良かったのだが。

「神クズ☆アイドル」
いそふらぼん肘樹・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
顔はいいのに全くやる気のない男性アイドルに、夢半ばで事故死してしまった女性アイドルの霊が取り憑く。2人は時々入れ替わりながらアイドル活動を続けることになる。
全くやる気のない主人公とやる気に満ち溢れるヒロインのギャップを楽しむ作品。
絵はあまり上手くはないが、話のテンポはよく、楽しく読める。

「騎士団長島耕作」
宮本福助・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
島耕作シリーズのスピンオフ作品。
異世界の騎士に転生した島耕作。異世界なのに彼の近くには前世で見知った顔が多くあり、前世の知識を活かして問題を解決していく。
一見するとイロモノの異世界転生系の話だが、なかなかどうして、結構面白く読める。
本編の人間関係を知っていた方が面白く読めるが、知らなくてもわかるように描かれている。
食わず嫌いせずに読んでみるといいかも。

「教国のレクエルド」
もち・全2巻・スクウェア・エニックス(Pファンタピー)
★ ★ ★
「魔女の下僕と魔王のツノ」(マ行参照)のスピンオフ作品。
本編主人公のアルセニオとサウロの過去が描かれている。
ここから本編につながっていくので、そこまで後味のいい終わり方にはなっていない。あくまで本編を読んでいる人向け。ただ、本編を読んでいるなら買って損はしない内容になっている。

「繰繰れ!信楽さん」
宗一郎・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。信楽が主人公の話で、ちゃらんぽらんに見えて陰ではちょっといいこともしている、という姿が描かれている。
本編の人間関係を知っている前提の話ではあるが、そこまで本編と話が絡んでいないので、単体としてそれなりに読める。

「クツナシ姫」
赤夏・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
10年に1度の祭りのときだけしか素足で土に触れることのできない巫女の少女と靴屋の青年の物語。
その他何本かの短編が収録されており、作者らしさがよく出ている。
表題作が1番面白いので、他の作品が小粒な印象。

「ケーキの切れない非行少年たち」
鈴木マサカズ・講談社(くらげバンチ)
★ ★ ★ ★
少年院に収容されている少年少女はIQが70~80くらいの子が比較的多く、一般の人よりも我慢が効かなかったり思い込みが激しかったりする。そういう少年少女に向き合う精神科医の話。
実話をもとにした作品で、気付きにくいけれどこの世界にはこういう人たちがいる、というのを教えてくれる。人との向き合い方などを改めて考えるきっかけになる作品。

「恋するみちるお嬢様」
若林稔弥・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
家庭教師に恋をした女の子と、それに気付きながらもからかい続けるドS家庭教師の話。
からかわれるみちるお嬢様を見て楽しむ作品で、みちるを見ていると心が温かくなる。
もっと続いてもよかったが、短い期間で連載終了してしまった。

「「子供を殺してください」という親たち」
鈴木マサカズ・講談社(バンチ)
★ ★ ★ ★
民間救急会社を営み、家族で手におえなくなった人たちを医療につなげて救おうとする主人公が出会った人たちの話。
精神疾患、発達障害、様々な理由で問題行動を起こし、親が手に負えなくなって最後に頼る場所にいるのが主人公なので、様々な修羅場が描かれている。
実話をもとにしているので、綺麗に終わるエピソードもあるが、道半ばで終わってしまうエピソードも多々ある。
心を抉ってくる話が多いので、読むだけで精神力を消耗してしまうが、引き込む力も強い。
世の中ではこういうことが起こっているんだ、というのがわかる作品。

「ゴミ清掃員の日常」
滝沢友紀・全2巻・講談社(描き下ろし)
★ ★ ★
普段はお笑い芸人をしているものの、それだけでは食べていけないのでゴミ清掃員をしている青年の話。
ゴミ清掃員あるあるから始まり、こういうゴミの捨て方をしてくれると嬉しいとか、こうされると困るとか、ゴミ清掃員の視点から見た話が新鮮で面白い。
ネタ自体はかなり面白いのだが、絵があまり上手くないので、全体的にちょっと読みにくいのが難点。

「災禍の神は願わない」
尾羊英・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
古代エジプトで兄王オシリスの殺害容疑で処刑されてしまったセト。しかし、気が付くと5年前の世界におり、兄も生きていた。兄の運命を変えるため、セトは動き始める。
世界がループするのではなく、1度だけ過去に戻ってやり直す話。それだけに失敗できないというプレッシャーも感じられ、話に引き込まれる。
短い巻数できれいにまとまっている。

「Jヲタ男子朝比奈くん」
七海慎吾・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
頭もよくてスポーツも万能な朝比奈くんは、国民的アイドル集団ジョーカーズの熱狂的なファンだった。
それを知らずに告白した少女は、朝比奈くんにジョーカーズファンの同志だと勘違いされ、様々なジョーカーズ知識を叩き込まれる。
作中では名称がぼかされているが、端的に言えばジャニーズファンの男子を描いた話。
ジャニーズファンあるあるがたくさん盛り込まれていて、ジャニーズファンの思考から普段の生活まで、熱狂的なファンはこんな感じ、というのがわかる。
ネタがワンパターン化する前にきれいに終わってくれた。

「死神と銀の騎士」
イロノ・全6巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
死神とその使い魔であるラルヴァと戦う銀の騎士。幼い頃に大切な人を死神に殺された少年は銀の騎士となるが、任務途中でラルヴァとなってしまう。
正統派の王道ファンタジー。ただ、所々に捻りがあり、ベタな展開にならないようにしているところには好感が持てる。
絵は安定していて上手い。

「渋谷金魚」
蒼伊宏海・全11巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
ある日の渋谷に突如人食い金魚が大量発生し、渋谷の街は巨大な金魚鉢の中に閉じ込められてしまう。
そこにいた人たちが金魚から生き延び、金魚を全滅させるために戦うサバイバルパニックホラー。
なぜ舞台が渋谷なのか、なぜ金魚なのかが明確化されていて、終始話に緊迫感がある。
整合性がキッチリとれた形で最後はきれいに完結した。
パニックホラー系の話でキッチリきれいに完結した作品を読んだのはこれが初めてだった。

「〆切はおとといです。」
team.きんだいち・全1巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
漫画家・金田一蓮十郎の漫画制作現場での裏話を描いた作品。
漫画制作現場での裏話というコンセプトなのに、内容の8割くらいはハロプロの話となっていて、読みたいのはその話じゃない、と思うことが多々あった。
ハロプロが好きな人ならきっと楽しいのだろうが……

「白井カイウ×出水ぽすか短編集」
白井カイウ×出水ポスカ・全1巻・集英社(ジャンプ等)
★ ★ ★
「約束のネバーランド」(ヤ行参照)コンビによる短編集。
シリアスなものからコメディタッチのものまで幅広くあるが、「約束のネバーランド」のクオリティを求めてしまうと、どうしても劣っていると感じてしまう。
むしろ、「約束のネバーランド」の後日談が掲載されているので、そのためのコミックスと言ってもいい。

「白石君の動級生」
チノク・既刊2巻(立ち消え)・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
引っ込み思案で人とうまくコミュニケーションが取れない少年は、高校入学時の手違いで人間に変身することのできる動物たちが通うクラスに振り分けられてしまう。
クラスメイトと触れ合ううち、少年は次第に心を開いていく。
設定はそこまで珍しいものではないのだが、序盤から作者が話を描きにくそうにしているな、という印象があった。それがどうも正解だったようで、2巻は何とか発売されたが、以降は描けなくなってしまったようで、連載は立ち消えてしまった。
前作よりも絵が安定して、イケメンがキッチリイケメンに描けていたので期待していただけに、残念。

「新世紀エヴァンゲリオン」
貞本義行・全14巻・角川書店(エース)
★ ★ ★ ★ ★
14歳の少年少女が人型兵器に乗って謎の敵と戦う話。
テレビアニメ版と旧劇場版がベースになっているが、どちらとも違う結末になっている。少なくとも旧劇場版よりは納得できる結末になっている。
展開もテレビアニメ版とは所々違っており、それを見比べるのも楽しい。
最終話では主人公の両親の大学時代が描かれ、新劇場版の登場人物も出てきているのはうれしいところ。

「聖女の揺籠、毒女の柩」
夏海ケイ・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
虐待されて育った兄弟は、両親の死をきっかけに孤島の孤児院へ入園することになる。
しかし、そこは1人のシスターによって支配され、仲間同士を監視し、殺人がまかり通る地獄だった。
島からの脱出を試みる序盤は割と定番な展開だが、それ以降シスターがかなりえぐいことをし出すと面白くなってくる。
しかしながら話は中盤の段階で打ち切られてしまい、ほぼ何の解決もしないまま完結してしまった。
予定では残り10話くらいあったことが最終巻に記されている。

「制服のヴァンピレスロード」
松本トモキ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
見知らぬ男に突然血を吸われて吸血鬼になってしまった少女。
少女は吸血鬼とはどんなものかというのを学びつつ、クラスメイトの女子たちを吸血していく。
わりとストレートな百合マンガ。吸血は性的快感を伴うという設定があり、女の子同士でも性的快感を共有できる、ということになっている。
絵はきれいなので、百合が好きで絵が気に入れば買ってもいいかも。

「戦隊レッド異世界で冒険者になる」
中吉虎吉・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
戦隊ヒーローのレッドが異世界転生をして旅に出る話で、変身・必殺技・巨大ロボなどの戦隊ヒーローのお約束が一通り出てくる。ただし、グリーンやイエローなどの仲間は回想シーンにしか出て来ない。あくまで戦隊レッドのみの話となっている。
いい意味で暑苦しい話で、戦隊ヒーローを見たことがあるなら楽しめる内容。
絵は全体的にゴチャゴチャしているので、ちょっと読みにくい。

「双翼の武装使い」
sanorin・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
人類が滅亡に向かおうとしている中、規格外の身体能力と頭脳をそれぞれ持つ2人が能力武装を手に入れて世界を救うために立ち上がる、という話。
主人公2人が無双していく話なので、基本的に読んでいてスカッとする展開が多い。
全体的に王道ではあるが、絵が上手いので結構読ませてくれる。

「続・〆切はおとといです。」
team.きんだいち・全1巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
「〆切はおとといです。」(サ行参照)の続編。
基本的にやっていることは同じで、8割がハロプロの話というのも前作同様。
ドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね。」の裏話など、こういうのが読みたかったんだよ、と思える話もあるにはあるのだが、数は少ない。

「その恋はいちごのように」
イロノ・全4巻・スクウェア・エニックス(Pファンタピー)
★ ★ ★ ★
祖父が骨折で動けなくなってしまったため、祖父が営むいちご農園を手伝いに来た女子大生の少女。少女はそこでひと回り年上の青年からいちご栽培を教えてもらうことになるが、次第に2人は惹かれ合っていく。
いちごの栽培と初々しい年の差カップルを見て楽しむ作品。
話はテンポよく進んでいき、中だるみすることなくきれいに完結してくれた。
コミックスには大量の描き下ろしがあり、各キャラをそれぞれキチンと掘り下げているので、一見の価値はある。

「空のグリフターズ~一兆円の詐欺師たち~」
加藤元浩・講談社(月刊マガジン)
★ ★ ★
祖父の借金100億円のカタとして生まれ育った島を奪われた少女。その島を取り戻すため、少女は自分に従えば100億円が手に入るという謎の少年と行動を共にすることになる。
1巻の冒頭に少女たちが詐欺師として逮捕されたと報道される場面があり、少女たちの取り調べ場面が時折入りつつ過去が語られていく形で話が進行していく。
詐欺の手法は割と現実感のあるもので、これなら騙されるかも、と思わせてくれる。
終わりが決まっている話のようなので、そこまでキッチリ描かれることを期待している。

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コミックスレビュー追加(1/5) [漫画全般]

コミックスレビューを今回含め全5回で更新します。
いずれ「MINERVAのお部屋・アーカイブ」に組み込んでいく予定なので、「上記作品」とか「ア行参照」とかを既に入れ込んでいる状態で書いています。
思い出せる限り思い出して書きましたが、抜けている作品も多分たくさんあるので、いつかコロナが落ち着いて実家に帰るときがきたら抜けている分のレビューを補完していきたいと思っています。
では、第1回目の更新内容です。


「天誅×新曲(アイウタ)」
よしだもろへ・既刊2巻(打ち切り)・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
田舎の村に暮らす少年少女たちは、癒しの力を持つ不思議な少女と出会う。その出会いから事件が起こり、幼馴染たちはバラバラになってしまうが、数年後再会することになる。
序盤の引きはかなりよいのだが、ラスボスがチラ見えするくらいの話としてこれからというところで作者が連載を続けられなくなったというアナウンスがあり、終了してしまった。
絵も話も上手かっただけに、残念。

「アインシュタインの怪物」
宮永龍・全3巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
村人から忌み嫌われて村はずれで密かに暮らしていたアインシュタインは、不慮の事故で死んだ少年をフランケンシュタインとして蘇らせる。2人は安住の地を求めて旅に出る。
話の雰囲気に合ってはいるが、とにかく人を選ぶ絵なので、手に取って読んでみようと思えるところまで行くのが第一関門。実際に読んでみると、切ない雰囲気がなかなかいい。
終わり方も割ときれいだった。

「あおざくら防衛大学校物語」
二階堂ヒカル・小学館(サンデー)
★ ★ ★ ★
金銭的問題で大学進学をあきらめていた少年は、ただで勉強ができる上に給料も出るという理由で防衛大学に入学する。防衛大学で過ごすうち、少年は自衛隊という組織を知っていく。
防衛大学の中ではこういうことが行われている、というのが一通りわかる作品。
綿密な取材が行われており、巻末のインタビュー内容が作品内反映されているなど、いろいろためになる。
巻末インタビューに当時の統合幕僚長が出ているなど、自衛隊の協力がうかがえるのもいい。
防衛大学ってどんな場所?、と考えたことがあることなら間違いなく楽しめる。

「紅い霧の中から」
野原もさえ・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
暗殺者の息子として生まれた少年は、幼い頃から殺人方法を母親に仕込まれる。後に母親と死別し、様々な施設や家を転々する中で、少年は多くの人を殺していく。
序盤から話が二転三転するので、いい意味で先が見えない。
絵も残酷描写が上手く、暗い雰囲気があるところが作品と合っていてよい。

「アクタージュact-age」
宇佐崎しろ・既刊12巻(打ち切り)・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
役に深く入り込む能力を持つ少女が1人の監督に見出され、次第に女優として成長していく物語。
主人公がどうやって役に入り込んでいくのか、周りの若手俳優たちがどういう思いで役者をやっているのか、などの心理描写が上手く、話に引き込まれる。
憑依型だけでなく、様々なタイプの役者を描いているのもいい。
残念ながら原作者が刑事事件を起こして逮捕されてしまったため、大河ドラマの撮影が始まる直前という非常に中途半端なところで終わってしまった。

「悪魔も踏むを恐れるところ」
吉辺あくろ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★
魔界の王を決めるため、人間と契約して戦いに臨むことになった悪魔の少女。しかし、漫画の原稿に描かれた魔法陣によって召喚され、変態漫画家と契約してしまう。
前作「絶対☆霊域」(サ行参照)とやっていることは似ているのだが、序盤からキャラが多めに登場して全体的に薄い印象。主人公の真面目悪魔が変態漫画家にいろいろもてあそばれているだけでよかったのに、手を広げ過ぎてしまったように感じた。

「悪の華道を行きましょう」
やましろ梅太・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した少女は、ヒロインに嫌がらせをした報いでガマガエルそっくりで黒い噂だらけのものすごく年上の宰相と結婚させられてしまう。しかし、前世で枯れ専だったことを結婚式の最中に思い出し、宰相を本気で好きになってしまう。宰相と少女は2人で悪の道を進むことになる。
単純な悪役令嬢×年の差ものではなく、主人公と宰相がいいこともすれば悪事も働くという二面性を持っているので、読んでいて意外性があって楽しめる。
絵も安定して上手い。

「あさドラ!」
浦沢直樹・小学館(ビッグコミック)
★ ★ ★
大家族の娘として生まれた少女は、伊勢湾台風の日に巨大生物の足跡らしきものを見つける。それから数年、飛行機の操縦士になった少女は極秘裏に巨大生物と戦うことになる。
第1回東京オリンピックが開催された頃にゴジラ的な巨大生物が襲ってきたら……という想定で描かれているので、当時の雰囲気と特撮が好きなら面白く読めると思われる。
全体的に話の進むペースが遅く、巨大生物がなかなか出て来ないところなどが結構もどかしい。

「あの夏のイヴ」
如月命・全3巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)

古い言い伝えや掟が存在する田舎の村で凄惨な事件が起こる。村では野犬の仕業だと処理されるが、それを不審に思う主人公たちが独自に事件を調べ始める。
一言で言えば「ひぐらしのなく頃に」の劣化版。
序盤の事件発生時は引き込まれる展開だったが、最終的な謎解きが結構酷い。超能力で殺人をしましたというレベルで、到底納得できるものではなかった。
最後はいい意味でのバッドエンドだったが……

「遺書、公開。」
陽東太郎・全9巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
始業式の直前、とある私立中学の2年D組の生徒全員に序列と名付けられたランキング表が届く。その序列で1位とされた少女が、ある日学校のトイレで首を吊って自殺してしまう。その少女の葬式当日、学校に戻ると全員の机の上に自殺した少女からの遺書が置かれていた。D組の生徒たちはクラスメイト全員の前で遺書を公開して、少女の自殺の理由を考察しようということになる。
遺書が順番に公開されていく中で自殺の理由と思しき事は二転三転し、序列1位の少女をクラスでどう扱っていたのかが明らかになっていく過程は目が離せなくなる。
全員分の遺書が公開され、最後はきれいにまとまっている。ただし、ハッピーエンドというわけではないので、そこだけは注意。

「犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい」
松本ひで吉・全7巻・講談社(Twitter)
★ ★ ★ ★
元気いっぱいで素直すぎる犬とツンデレな猫を飼っている作者のエッセイマンガ。
性格が真反対の犬と猫の対比が面白く、全編気楽に読める。
作中で犬と猫が高齢化してきたところで一旦完結したのはいい判断だったように思う。

「異能メイズ」
山田J太・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
凄惨な事件や行方不明事件が多発するとある街。事件の原因は異能を持った誰かが迷宮を作り、中に閉じ込めた人たちを異能で殺していたためだった。迷宮から脱するには異能を持つ人物と異能の正体を明らかにしなければならない。事件に巻き込まれた少年と少女が異能絡みの事件を協力して解決していく。
登場する異能が割と捻られた設定のものが多いのはよかったが、その分話が少しわかりにくい。
終盤は思わぬ人が死んだりするなど意外な展開も多くてよかったのだが、全ての謎が解明される前に終わってしまった。ラスボスがこの人だろうな、というところで終わってしまったのが残念。
絵は全編通して安定していて上手かった。

「イノセントデビル」
宗一郎・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
サイコパスなどのシリアルキラーは人類の進化した姿ではないのか、という学説を発表した天才科学者と、かつてシリアルキラーだった少女の物語。
全編通して個性強めなキャラが多いところはいいのだが、全体的に話がちょっと分かりにくい。
絵はきれいで読みやすかった。

「ヴァニタスの手記」
望月淳・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)」
★ ★ ★ ★
人々の陰に隠れて吸血鬼が細々と暮らしている19世紀のフランス。
吸血鬼が暴走して人を襲うという事件が発生し始め、その吸血鬼を治療するというヴァニタスという青年と、ヴァニタスと行動を共にする吸血鬼の青年の物語。
現在の世界と19世紀頃に分岐したような世界観で、様々な個性的なキャラが登場してきて引きつけられる。
序盤からそれなりに謎解きが入りつつ進むので飽きさせないし、絵もかなり描き込んでいて美麗。
話の盛り上がり方もいい感じ。
登場人物が多いので、把握するのがちょっと大変。

「詠う!平安京」
真柴真・全6巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
修学旅行で京都を訪れた少年は突然平安時代にタイムスリップしてしまう。そこで出会った在原業平に天女と間違えられた少年は、真の歌人に詠まれた和歌はその内容が現実になる事実に驚かされる。現代に戻る方法を探しつつ、少年はしばらく平安貴族の暮らしを送ることになる。
時代考証はそれなりにしっかりしつつも、内容はファンタジー色が濃い。内容はシリアスというよりもギャグ寄りで、在原業平に主人公が振り回されるのを楽しむ感じ。
最後はきれいにまとまっていた。

「うっかり体育大生」
もすこ・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
マンガ家志望なのに楽しそうだからという理由で日本女子体育大学に入学してしまった作者のエッセイ。
体育大学はこんな場所、というのがわかる内容で、体育大学のトリビアが詰まっている。
日本女子体育大学が全面協力しているので、内容にリアリティがあって楽しめる。

「海が走るエンドロール」
たらちねジョン・秋田書店(ボニータ)
★ ★ ★ ★
夫に先立たれた65歳の女性が、たまたま入った映画館で知り合った美大生から、映画を見るのではなく撮りたいのではないか、と言われ、美大に入学して映像を学んでいく話。
65歳からでもやってみようと思えばまだやりたいことが出来るんだよ、というのを教えてくれる作品。
読んでいると何かに踏み出す勇気が与えられるような気がしてくるところが素晴らしい。
映画を撮ろうと決意するときに出てくる海のシーンが印象的でいい。

「裏世界ピクニック」
水野英多・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
廃墟探索が趣味の女子大生が偶然現実世界とは別の次元・裏世界を発見し、探索するようになる。そこで死にかけたときに助けてくれた同じ大学の女子生徒と共に、2人は裏世界を探索していく。
裏世界では様々な都市伝説をベースにした異形の生物が登場してくるので、都市伝説好きの人なら楽しめる。
非常に上手く作画されているので、裏世界の雰囲気が良く伝わってくるのもいい。

「18エイティーン」
ヨシノサツキ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
父親が様々な仕事に手を出しては辞めていくことを繰り返しているため、数限りない転校を繰り返した少年とその妹は、少年が18歳になったとき、とある田舎町にやって来る。
誰とも深い交流をするつもりのない少年だったが、転校先の高校にはやたらと絡んでくる金髪の少年がいた。
父親とクラスメイトに振り回されて気苦労が絶えない主人公を見て楽しむ作品。
話としてもっと続いてもおかしくなかったが、割と短期にキリの良いところで終わってしまった。
明確な結末がないので、読み終わると少しモヤモヤする。

「大家さんと僕」
矢部太郎・全2巻・新潮社(小説新潮)
★ ★ ★ ★ ★
芸人・矢部太郎が8年間住んでいた、一階は大家さんの自宅、二階が賃貸という二世帯住宅型一軒家での大家さんとの交流を描いた作品。
年齢が倍以上違う大家さんとの距離感に最初は戸惑いつつ、次第に親密になっていく過程が微笑ましい。
連載中に大家さんが亡くなっているため、大家さんの葬式までが描かれ、作品としてキッチリ完結している。
読んでいると癒されたりホロリときたり、感情が揺さぶられる。

「「大家さんと僕」と僕」
矢部太郎・全1巻・新潮社(描き下ろし)」
★ ★ ★ ★
上記作品の番外編的な作品で、作品に関わる様々な人へのインタビューや裏話などが掲載されている。
作中に登場する先輩の元ネタになっている芸人、陽気な後輩へのインタビューのほか、感動を呼んだ手塚賞授賞式のスピーチ全文など、読み応えがある。
上記作品が好きなら間違いなく買い。
描き下ろしのマンガも面白い。

「All You Need Is Kill」
小畑健・全2巻・集英社(ヤングジャンプ)
★ ★ ★ ★
異星人に襲撃を受ける地球で、死ぬ度に記憶を保持したまま時間をループすることに気付いた青年が、己を鍛えあげて異星人と戦う中でどうにかしてループを抜け出そうとあがく話。
主人公がループに気付いてから終わりに向かって盛り上がっていく流れにはかなり引きつけられる。ヒロインもいい感じ。
原作準拠で終わり方がきれいなハッピーエンドではないのが少し残念。

「おじさまと猫」
桜井海・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
妻に先立たれた元有名ピアニストのおじさまが、ペットショップで売れ残っていた猫を飼う話。
猫を飼い始めたことで、おじさまの生活が少しずつ変わり始める。
序盤は猫とおじさまの交流がメインでギャグエッセイ的な雰囲気だが、次第に人間関係などが広がっていってストーリー漫画になっていく。
ジーンとさせる演出が上手く、特に亡くなった妻の描写がいい。
読んでいると癒される。

「乙女ゲー転送、俺がヒロインで救世主!?」
辻本ユウ・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
妹がハマっている乙女ゲームの世界に手違いで転送されてしまった少年は、なぜかゲームの中ではヒロイン役になっており、様々なイケメンキャラに言い寄られてしまう。下手に好感度を上げると個別ルートに入ってしまうため、少年は好感度を上げないように努力しつつ、現実世界へ帰る手段を模索する。
好感度をあえて上げないように努力したり、転生ではなく転送なので現実世界から妹のアドバイスが届くなど、それなりに捻られている設定がいい。
王道なゲーム内のキャラ設定にツッコミを入れつつ進んでいく話もなかなか楽しい。

「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...」
ひだかなみ・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったものの、ゲームが始まるまでまだ猶予期間のある8歳で前世の記憶を取り戻したため、少女は前世の記憶を頼りに時間をかけて破滅フラグを回避する計画を実行していく。
序盤は前世でのゲームの記憶を頼りに破滅フラグを回避しようと努力する姿が描かれていてよいのだが、中盤以降はその結果主人公が人たらし能力を発揮して全ての人が主人公に惚れている状態が誕生してしまう。そうなると話の方向性がちょっと違うように感じられて、次第に勢いがなくなっていくように感じられるのが残念。
ゲーム本編が終わる辺りまでの話ならいいのだが。

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」
吉辺あくろ・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
幼い頃から憧れていた従兄が大学進学を機に同居することになる。
少女なりに従兄にアプローチするものの、思うように思いが伝わらない上に、従兄は少女の弟に女装させて楽しむような変態だった。
相変わらず憎めない変態を描かせたら上手いな、と感じる。ただ、登場人物のほとんどが血縁関係で、いとこ同士は結婚できるとはいえちょっと血が近すぎるのでは……と思ってしまう部分もある。
話は下手に引っ張らずにきれいに終わっている。
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紅心王子・完結 [漫画全般]

次のガンガンの感想と一緒に更新しようと思っていたのですが、思いの外長くなったので別記事として更新します。

先日最終巻が発売された「紅心王子」。
17巻と18巻が同時発売だったのですが、17巻は丸々ガンガン掲載分でした。そして18巻に関しては、最後の掲載がもう5年前くらいなので、どう終わっていたのか記憶も曖昧というのもあり、おおよそですが80%くらい描き下ろしの感じでした。
終わり方はハッピーエンドで、打ち切りとか無理矢理まとめたという感じでもなく、これは想定通りの終わりなんだろうな、と感じるのと同時に、この残り100ページくらいを5年くらい描けなかったというのは相当深刻に体調不良だったのだろうな、と思いました。
画力が落ちている感じもなかったので、絵は描けるけど漫画は描けないとかだったのかも、とも。
イラストなら描けるけど漫画とかストーリーを描けなくなってしまう作家さんはそれなりにいますから、桑原さんがどうだったのかは別として、理由はどうあれ絵は描き続けていたのだろうな、とも思いました。

それで、最後のあとがきで「桑原草太としての活動はこれで最後」「絵を描く仕事は続けていく」とあり、どうやらこれまでの実績を捨てて別名義で活動するようで、それもそれでビックリしました。
ガンガン本誌での連載はもうやらないにしても、ガンガンONLINEで不定期掲載で連載するとかはあり得ると思っていましたし、ガンガンONLINEでのリバイバル連載はその布石なのではないかとも。
それがもう桑原草太として活動しないなら、これはスクエニ系雑誌で描くことはもうないだろうな、と感じました。

俳優さんが音楽活動するときとか、声優さんがギャルゲーに出演するときに別名義にするというのはよくある話ですが、漫画家さんが別名義にするときはもう全く別ジャンルで活動するときが大半なので、何か作品を発表するにしても完全少女漫画になるとか、作画しかやらないとか、今までとはいろいろ違ってくる気がします。
別名義について有名なところだと河下水希さんは少年漫画名義で、少女漫画だと桃栗みかんに変えているとか、藤野もやむさんが再デビューで桑佳あさに変わったとか、古いところだと西川秀明さんがエロを描いていた時はまみやこまし名義だったとか。
同人誌と商業誌、エロとノーマルで名義を分けている方はそれなりにいますが、今回は桑佳あささんみたいな再デビューパターンに当たるかなと思います。
考えられる限り、別名義で同じ雑誌で新作発表した方はいないと思われます。
例外としては、ガンガンJOKERで主にいろんな原作の作画担当をしている宗一郎さんが「死神様の最期のお願いをRE」で古代甲名義にしたくらいでしょうか。
あとは、コンビ名で最初に活動していたけど、解散して個人名義になったたかなし霧香さんとか南澤久佳さんとかもいますが、この辺りは今回とはあまり関係ないですし。

その他、「絵を描く仕事は続けていく」という表現にしても、「漫画家を続けていく」と書いていないので、もうガッツリ個人で月刊連載という形式で新作は発表しないような感じに受け取りました。
「絵を描く仕事」と書かれているので、原作のみ担当という選択はまずないと思われますが、前述のように作画だけとか挿絵のみとか、あったとしても読み切りだけとか。
少なくとも、スクエニ系雑誌で新連載を持つことはまずないだろうな、と思いました。
せっかく最終巻が出たのに、それは少し残念でした。
でも、引退するわけではないようなので、今後の活動に注目はしていきたいです。
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最近のおすすめマンガ [漫画全般]

ここ最近、めっきりコミックスを買うことも減って、最盛期では月に30~40冊は買っていたのですが、ここ最近は10冊程度に落ち着いています。
ただ、1度集め始めたら最終巻まで買うというポリシーは曲げていないので、コミックス1巻を買うときは以前よりも自分の中のハードルを上げていて、本当に手元に残したい作品かどうかを考えてから買うようになりました。
ここ最近は「コミックスREVIEW」の更新もできていないので、そんな中でこれはと思った作品を紹介してみたいと思います。

・約束のネバーランド

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 出水 ぽすか
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/12/02
  • メディア: コミック


ジャンプで連載中の作品で、現時点ではコミックス2巻まで刊行中です。
とある孤児院で暮らす11歳の少年・少女が、実は自分たちが食料として育てられているということに気づいて、孤児院からの脱出を計画する、という話です。
この話が「脱出編」と既に公式に命名されているので、脱出後の話もすでに想定されているのだと思われます。

主人公の少年・少女は非常に頭がよくて(頭がいいことについて必然性もある)、孤児院を監督する大人(ママ&シスター)と様々な駆け引きをしていて、そこに引き込まれます。大人も大人で頭がいいので、お互いボロを出さず、表面上は穏やかに過ごしつつ、それぞれの目的のために動いていく様子は、いつも息をのむ展開で飽きさせません。
印象的には「DEATH NOTE」を読んでいた時の感覚に近いです。

・春の呪い

春の呪い 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

春の呪い 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

  • 作者: 小西明日翔
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2016/04/25
  • メディア: コミック


「このマンガがすごい2016 オンナ編」の2位に選ばれたことで一気に知名度が上がった作品ですが、そうなる前にコミックス1巻の発行部数が10万部を超えたという告知があったので、見ている人は見ているんだな、というのを実感した作品でした。
マイナー雑誌の新人作家のコミックス1巻なんて、なかなか日の目を見ることなんてないですし。

19歳で亡くなった妹・春の婚約者と交際することになった女性・夏美の物語で、冒頭でタイトルの「春」が人名だったということがわかることが第一の衝撃。その春が亡くなる直前に口から発したのは姉ではなく婚約者の名前で、何よりも妹のことが大切だった夏美にとってそれは絶望の言葉なのだけど、妹の婚約者は実は夏美のことが好きだったというのが第1話でわかる、という内容の濃さに第二の衝撃。
この後は人の心を抉ってくる心理描写が素晴らしく、グイグイ話に引き込んでくるので、完結の2巻まで一気に読めます。
現時点でも品薄状態(特に2巻)に感じますが、いずれ手に入りやすくなるとは思います。

・堕イドル

堕イドル(1) (講談社コミックス)

堕イドル(1) (講談社コミックス)

  • 作者: 山口 アキ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/12/09
  • メディア: コミック


ガンガンJOKERで掲載された漫画賞原作部門受賞作の読み切り「囚人のジレンマ」の原作者が、実はもうデビューしていたというのを知り、そのデビュー作を読んでみたら非常に面白かったので、ここで紹介します。

アイドル戦国時代の現代で、地下アイドルとしてようやく芽が出始めたアイドルの女の子が、関わると不幸になるという男性と偶然出会ったことで巨大な客船に幽閉され、命を懸けたゲームをすることになる、という話。
この命懸けのゲームの内容が、非常に面白いです。
主催者側から出されるゲームのルールや勝利条件からゲームの本質を見抜いて勝ち残らなければならない、という辺りは「ライアーゲーム」とか「カイジ」に近い感じでしょうか。
ゲームのヒントの出し方も、簡単すぎず難しすぎずのいいバランスで、読者に提示するヒントのさじ加減が非常に上手いです。

「囚人のジレンマ」を読んだとき、この原作者は世に出る才能の人だと思ったのですが、それが思いの外早く現実化したな、と感じました。
作画もかなり絵が上手い人がついているので、これから伸びていく作品ではないかな、と思っています。

・ハッピーシュガーライフ

ハッピーシュガーライフ(1) (ガンガンコミックスJOKER)

ハッピーシュガーライフ(1) (ガンガンコミックスJOKER)

  • 作者: 鍵空 とみやき
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2015/10/22
  • メディア: コミック


もう既刊として4巻まで出てしまっているものの、改めて紹介したいのでここに書きます。
愛が理解できなくて常に満たされない思いを抱えていた少女・さとうが少女・しおと出会って愛を知ることができた。2人は一緒に暮らしながらお互い満たされていくものの、2人の前には様々な障害が出てくる、という感じの話です。

登場人物のほとんどがいい感じの変態でいい意味で狂っていて、いいキャラ揃いです。
主人公のさとうからして、しおのためなら殺人でも厭わない冷徹少女だけどしおの前ではデレデレのギャップ萌え、大人の女性に監禁されて幼女趣味に目覚めた太陽、ドM教師などなど、見所キャラ盛りだくさんです。
話の展開が少し遅めですが、それでいて謎解きは割と早めに出てきたりもするので、いろいろとバランスが取れている感じはします。
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