オクトパストラベラー・クリア

ゲームではどのジャンルでもポリゴンや３ＤＣＧが主流になっている中で、あえてドット絵２ＤのＲＰＧが出るということで、これはプレイしてみて損はないだろう、ということで買ってみした。

プレイしてみて最初に感じたのはやっぱり、懐かしい、でした。
物陰に隠れるようにして置いてある宝箱とか、ターン制のコマンド入力式の戦闘とか、昔のＲＰＧってみんなこんな形だったなぁ、と。
ただ、それに慣れてくると、現代ＲＰＧやオープンワールドにどっぷり浸かっている身としては、いろんなところがまどろっこしい感じがしたり面倒だったりしてしまいました。

ストーリーに関しては後述しますが、良かったところ、悪かったところを箇条書きにするとこんな感じでした。
良かったところ
・１ダンジョン内の宝箱が多いので、中身が何であれ単純にうれしい。
・音楽がいい。特に各キャラのテーマ。
・町の人たちの持ち物を盗めるので、新しい街に行くのが楽しい。
・目的地が明示されているので、迷わない。
・８人分のストーリーを進める順番が自由。
・レベルが上がりやすい。
・サブイベントが豊富。

悪かったところ
・１キャラ１イベントにつき１ダンジョン＋ボスという構造でワンパターン。
・ダンジョンが狭い。すぐ踏破できる。
・中盤の敵が硬い。負けはしないものの倒すのにかなり時間がかかる。
・コマンド入力が面倒。初代ペルソナみたいな感じで毎ターン一々入力がある。
・ザコ敵の経験値多めでボスの経験値少なめなので、しっかりザコ敵を倒してレベルを上げないといけない。
・各キャラ同士のつながりが薄く、パーティで旅をしている雰囲気が薄い。

という感じだったので、一長一短ありました。
昔はこれでよかったけど……という部分もあったりして、この辺りは時代なのかな、とも思いました。

では、ここからストーリーのネタバレ含む話なので隠します。
８人の主人公から１人選んで話を始めるものの、結局８人集めて話を進めていくので、主人公に誰を選んでもさほど難易度に関係しない作りになっていました。
反面、誰を選んでもいいということは、主人公同士のつながりが薄いということで、各キャラのメインストーリーを進めているときは常に１人で進めている感じで仲間がいるという雰囲気が希薄でした。
一応パーティチャット機能があって、メインストーリーに他のキャラもちゃんと絡んでいるよっていうところは見せてくれるのですが、あくまで各キャラのストーリーを進めるのは当事者のみだったので、別々の話を８本見ている感じでした。
各キャラのメインストーリーが終わった後はいろんなキャラを組み合わせた雑談みたいなのも始まるのですが、それでもやっぱりキャラ同士のつながりは薄い気がしました。

メインストーリーは全体的に短めで、それでも８人分あるのでプレイ時間自体は１００時間くらいにはなりました。サブストーリー・裏ダンジョン含めてこのくらいの時間だったので、１人当たりのメインストーリーは１０時間くらいだったのではないかと。
そうなると結構短かったな、という印象で、きれいに話が完結するキャラもいれば、いろんな含みが残るキャラもいたり、その辺りは微妙でした。
個人的には、８人別々の場所で別のストーリーが進んでいくのだけど、最後には１つにまとまってラスボスと戦う……みたいな流れを期待したのですが（それは裏ボスで一応達成しているものの）、メインストーリーを終えた段階で関連がありそうな話が半分、残りは本当に個別という感じで消化不良感が残りました。

裏ボスと戦う直前まで行くと、８人はそれぞれ何かしらの形でフィニスの門に関わっていたとわかるのですが……ハンイットなどはメインストーリーからだと全く想像できないところで絡んでいたりするので、そこはもっとメインストーリーで匂わせたり、触れてほしかったです。
また、裏ボスはサブストーリーの１つで辿り着くのですが、サブストーリー中は依頼者だけがしゃべって自キャラは全く発言しないという作りのせいで、仲間になった８人が少しずつフィニスの門に関わっていたんだよ、というところゲーム中のキャラが察するという描写がないのもきつかったです。

ちなみに私が主人公に選んだのはオルベリクで、ストーリーとしては単純だったものの、エアハルトが最後の最後で助けに来てくれるところとかは熱い展開で好きでした。
最近オジサマ系のキャラが好きなこともあって、感情移入もしやすかったです。

逆に微妙だったのはアーフェンとプリムロゼ。
アーフェンはありふれ過ぎた結末だったこと、プリムロゼは復讐を遂げたものの虚しさだけが残る終わり方だったことで、話が完結しても爽快感がなかったです。