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バディミッションBOND・クリア [ゲーム]

発売当初からプレイしたいと思ってはいたものの、当時SWITCH本体を娘がほぼ独占していたのと、発売からしばらく経過してもほぼ値下げセールが行われない&中古に流れないというのがあって、発売から2年以上経過してようやくプレイすることとなりました。
ニンテンドーカタログチケットの対象ソフトになっていたことに感謝。
「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」と同時に購入しましたが、この2本で1万円は本当にお買い得でした。

この作品のシステムとしては、会話で話が進んでいくオーソドックスなADVを基本として、仲間と協力してマップを巡って手掛かりを集めて、最終的に敵地に潜入して様々なミッションをこなしていく、というのを各話で繰り返していきます。
この各話のボリューム加減が割といい感じに短く(ザックリ1時間くらい)、本編で語り切れない部分には大量のサイドストーリーが用意されていて、話が区切りやすくなっていたのがよかったです。
各話が細かく分割された形になると話の構成がワンパターンになりがちになるものですが、この作品にはそれが全くなく、最後まで話に飽きることがありませんでした。

サイドストーリーも、バディエピソードという形で主人公4人を2人組にした形で6パターン用意されていて、基本的にはルーク&アーロン、モクマ&チェズレイというバディの扱いが厚いものの、ちゃんと全パターン用意されているのは素晴らしいな、と感じました。
わかってる、制作者はちゃんとわかってる、と感じました。

マップ捜査では特定のバディでないと捜査が成功しなかったり、新エピソードが解放されなかったり、各話のクリアランクがSでないとやはり新エピソードが解放されないなどがあり、初見プレイでいきなり全エピソードを解放するにはちょっと難易度は高めになっていました。
でも、1回捜査失敗したら正解が表示されたり、各話をクリアしたらすぐに周回プレイが可能だったり、2回目の周回プレイなら正解が開示された状態で超速スキップ機能が使えたり、とかなり周回プレイがしやすく、なおかつエピソードが解放されやすくなっていて、かなり親切な設計となっていました。
各話がいい感じに短い、というのはここでかなり活きていました。
攻略ページを一切見なくても答えがわかる、というのは素晴らしかったです。

ストーリーは基本的にボタンポチポチで進んでいくのですが、適度に選択肢が表示され、その答えが最終的なストーリーランクに関係してくるというのもあって、思っていた以上にプレイヤーが話に介入する部分が多かったのもよかったです。
ストーリー上で重要な単語は赤字で表示され、それを覚えておかないと捜査パートで困ることになる、というシステムも、流し読みしないでちゃんと話を読んでおけというプレイヤーの真剣度が試されるものでありつつも、「思い出す」ボタンでちゃんと救済措置を用意しているとか、その辺りの配慮が素晴らしかったです。
ボタンポチポチだけだとどうしても飽きることが多いのですが、そうさせない工夫が随所にありました。

また、この作品のキャラデザは村田雄介さんが行っているのですが、この作品にはその絵の世界観が十二分に表現されていて、もうこれ全部の原画を村田さんが描いているんじゃ?と錯覚するほど、再現度が素晴らしかったです。
作中ではマンガっぽいコマ割で話が進む場面が多々あるのですが、そのコマ割の仕方とか書き文字とか塗りとか、村田さんっぽいなぁ、と感じる場面が本当に多かったです。

ただ、ここまでベタ褒めではありますが、欠点がなかったと言えばそんなことはなく、ちょっと癖のあるQTEには苦労しました。特に最終話でランクSを取るために、最後の連続QTEは10回はやり直しました。
また、本編中の背景・立ち絵・表情パターン、かなりの数が用意されていたのですが、主人公たちの服装が普段着・潜入用服の2パターンしかなく、室内でずっとコートを着ているルークとか、常に帽子をかぶっているスイとか、そこはコートなしバージョンとか帽子なしバージョンとか欲しかったな、と感じました。
他にも、黒服のモブがかなり使いまわされていましたし、ホテルとか病室の背景もほぼ全部一緒とか、もうちょっと欲しかったなぁ、というシーンはそれなりにありました。

ゲーム中はほとんど2Dイラストで話が進みますが、潜入パートは3Dで、そのときの動作が結構もっさりしていて戦闘シーンに迫力が感じられなかったり、モデリングが悪かったりして(PS2レベル)、2Dのレベルが高いだけにもうちょっと3Dもどうにかならなかったものかな、とも思いました。

でも、それを補って余りあるほどストーリーとシステムがよかったので、これはまさしく名作だったな、と感じました。

では、ここからネタバレありの感想です。

この作品はタイトルにあるようにバディの絆を描いたものとなっていて、最初から最後まで、それは徹底していました。
最初はいがみ合っていたり、打ち解けたと思ったらぶつかり合ったり、それでも最後は全員で協力して戦う、という王道ストーリーではありましたが、むしろそれがよかったです。
テーマに少年漫画の世界観というのもあるようで、確かにそういう感じだったと思います。

ただ、王道ではあったのですが、話の各所にはいろいろ捻りが入っていて、何度となく驚かされることがありました。
例えば、黒幕の正体について。
中盤くらいで、おそらくアッカルドかナデシコが黒幕だろうと思っていて、実際アッカルドが黒幕だと言われたときは、まぁそれくらいしか選択肢がないよなぁ……と思って話を進めていたら、さまかのエドワードが真犯人ということで、ここはやられたな、と感じました。
それで思い返してみると伏線はいろんなところにあって、エドワード関連のエピソードが序盤以降全く解放されないとか、そもそも超大物声優(小山力也さん)を使っているにしては出番が少ない上に早期退場しすぎてたとか、確かにそうなるな、と。
やたらと握手するときにAボタンを押させるのはなんでなんだ?、と思っていたら、それもそれでしっかり伏線でしたし。

バディ同士の関係についても、いい感じの友情物語となっていて、下手にBLを匂わせる形にしていなかったのもよかったです。
ルーク&アーロン、モクマ&チェズレイなんて、寄せようと思えばいくらでも寄せることはできたはずで、でもそれをしなかったというのも素晴らしかったです。

ルーク&スイの甘酸っぱい関係もなかなかいい感じで、本編で1ヶ所だけルークがスイを呼び捨てにするシーンとか、最後の最後でルークがスイの恋心に気付くところとか、最高でした。
この辺りも、スタッフわかってるなぁ、と感じた部分です。

最終章については、最初のエンディングでエドワードがルークの手を振り切って死ぬ展開となっていて、最近のゲームでラスボスが死を選ぶ展開ってあまりないけど、この作品はそうなんだなぁ……と思って見ていました。それが、クリア後のサイドストーリーを読み進めていたら真エンディングへの道が出てきて、もう1人の黒幕ともども助かる展開となっていて、これもやり方が上手いな、と感じました。
最初から全員助かる展開だと都合がいいように見えていたかもしれないのですが、死ぬルートもありつつやり方によっては助かるというのを見せてくれたおかげで、本当に全員生きていてよかったな、と思えました。

本当にいい作品でした。
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