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コミックスレビュー追加(5/5) [漫画全般]

「魔女の下僕と魔王のツノ」
もち・全16巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
眠り続けてしまうという自らの病気を治すための薬の材料として魔王のツノが必要だと言い残して、大魔女は眠りについた。大魔女の弟子2人は魔王のツノを取るために魔王城に向かう。
話の最終目的は大魔女を目覚めさせることなのだが、読み終わったときにそこに至るまで紆余曲折・寄り道が山ほどあったな、とまず感じた。
ただ、全ての疑問に対して謎解きがされたし、人間関係もきれいに清算されたので、読後感はよかった。
キャラ同士の掛け合いが面白く、いろんな理論はキッチリ確立されていてあやふやな感じがしなかったのもよかった。

「未完成サイコロトニクス」
高山しのぶ・全4巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
優秀な生徒が集まる全寮制の国立高校に入学が決まった少年。しかし、実際高校に入学してみると、優秀な上級生によって下級生が奴隷のように扱われる、下級生という問題児を集めて上級生によって人格矯正するような場所だった。
実質的に「あまつき」(ア行参照)の続編で、後半になるほど前作の登場人物が出てくる。
本来ならもっと長く続く話だったようだが、打ち切りになってしまったため、最終巻には可能な限りの謎解きが入っているものの、いろんなことに決着がつかないまま終わってしまっている。
一応更なる続編について匂わされているが、実現するかどうかは不明。

「ミタマセキュ霊ティ」
鳩胸つるん・全5巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
霊に取り憑かれやすく、背後霊が100人行列をなしている少女を幽霊から守るため、悪霊退治のプロ・セキュ霊ティの青年がやってくる。
悪霊退治のプロなのに怖がりな主人公、次第に霊と仲良くなって名前を付け始めるヒロインなど、個性豊かなキャラが楽しめる。次第に人格を持ち始める背後霊たちもいい味を出している。
終盤はネタ切れ感が強く、無理矢理話を続けている感じがしてしまったのが残念。

「miroirs」
白井カイウ×出水ぽすか・全1巻・集英社
★ ★ ★
「約束のネバーランド」(ヤ行参照)コンビがシャネルとコラボした短編集。
シャネルのブランドコンセプトや哲学などが根幹にあるオムニバスストーリーになっている。
シャネルのことは言われないとわからないくらいの表現に留められているが、それぞれの主人公の生き方などは面白く読める。

「無能なナナ」
古屋庵・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
とある絶海の孤島に特殊能力を持った子供たちが集められ、人類の敵と戦うための訓練をしていた。しかし、実際はその島にいる子供達こそが人類の敵であった。そこに何の能力も持たない1人の少女が派遣され、人類の敵を全滅させるべく能力者たちを次々に殺していく。
原作がるーすぼーいさんなので、一筋縄ではいかない事件や謎解きが連続して引きつけられる。ストレートな話に見えて捻られていることが多く、常に飽きさせない展開になっている。
絵はそこまで上手くはないが、読みにくくはない。

「メイのメイデン」
レルシー・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
派遣された女の子とギャンブルをして、勝てば女の子に何をしてもいいというルールのあるデリバリーカジノ・メイデンズ。そこに長年勤めながらも負け知らずの少女メイと新人の少女アイが様々なギャンブルに挑む話。
特殊ルールのギャンブルをしていく話で、ギャンブル自体は割と捻られていて面白く読める。必勝法などのヒントの出し方も上手い。
ただ、デリバリー先でギャンブルをする→勝つ、というのが繰り返されるので、序盤で割とワンパターン化してしまったのが残念。
最後はそれなりの決着をつけて終わったが、かなり急ぎ足で終わった印象。
絵は女の子がかわいくてよかったのだが。

「めざせ豪華客船!!~船召喚スキルで異世界リッチライフを手に入れろ~」
ザザロン亞南・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
異世界転生した少年が船召喚というチートスキルを手に入れて、一隻のボートから豪華客船を目指してお金儲けを頑張る話。
主人公の持つ船召喚スキルというのが特殊で面白い。
小さいところからコツコツ稼いでいき、次第に大きな取引をするようになる過程は読んでいて素直に面白い。
絵も上手いので、安心して読んでいられる。

「約束のネバーランド」
白井カイウ×出水ぽすか・全20巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★ ★
とある孤児院で伸び伸びと育っていた11歳の少年と少女は、ある日自分たちが喰われるために育てられている、という事実を知ってしまう。少年少女たちは孤児院から脱出するための計画を練り始める。
孤児院からの脱出に始まり、少しずつ世界の全容が見えてきて、最終的に主人公たちが納得する形にまで持って行っていたのが素晴らしかった。
話に起伏があって飽きさせず、すべての謎解きを終えてきれいに完結している。
絵は個性が強めだが、話の雰囲気に合っていてよかった。

「山の彼方の君の学校」
赤夏・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
非常に危険な山道を使って通学している少女の家に家庭訪問をすることになった教師。しかし、少女は頑なに家庭訪問を拒む。
表題作の他にも何本かの短編が収録されている。
作者らしい雰囲気がよく出ているものが多い。
何やかんやで表題作が1番面白いのだが。

「夕暮れを待ちながら」
夢路行・秋田書店(エレガンスイブ)
★ ★ ★
とある漁港には食堂を営む女性、不思議な少年、魚に変身する能力を持つ謎の老人がいた。
何らかの心の傷をもって漁港を訪れる人たちは、3人と交流することで何かしらの答えを見つける。
基本的には漁港を訪れる人と3人の主人公の交流を描いたオムニバスストーリー。
ファンタジー要素もあるので、全体的に不思議な雰囲気が漂う癒し系の作品。

「ゆうべはお楽しみでしたね」
金田一蓮十郎・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★
ドラゴンクエストXを通じて知り合ったパウとゴローは、お互い同性だと思い込んでパウの家で同居することを決めるが、実は異性同士だということがわかって混乱する。しかし、引っ越し当日にそれが判明したため、2人はなし崩し的にそのまま同居することになる。
ドラクエXを通じて知り合ったところから始まり、作中には頻繁にドラクエXのネタが出てくる。
実際にゲームをしている人の方が話が分かりやすいと思うが、知らなくても読める。
波乱がありつつも2人の距離が縮まっていくのをのんびり眺める感じの話になっている。

「妖飼兄さん」
真柴真・全4巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
天涯孤独だと思っていた青年には腹違いの兄がいるとわかり、青年は兄の下を訪れる。しかし、兄は全身が包帯に包まれている上に妖怪のレンタルショップを営むとんでもない人物だった。
兄に振り回される弟を楽しむ感じの話で、全体的にはシリアスもあるギャグマンガ。
一見してギャグっぽくない表紙だったりするので、絵で買うとちょっとビックリするかも。

「ヨシノズイカラ」
ヨシノサツキ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
作品の打ち切りが続き、漫画家として自信を失くしていた青年は、地元を舞台にした日常系の作品を描く。何がウケているのかわからないまま、作品は人気作へと成長していく。
おそらく「ばらかもん」(ハ行参照)を描いていた頃の作者が投影されているのだろうな、と感じる作品。
作品がアニメ化されて連載を終えるくらいまで話は続くと思っていたのだが、離島を旅立って初めてのサイン会に参加する辺りで終わってしまった。
もっと続いてもよかっただけに、残念。

「齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~」
ムロコウイチ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
長寿で体が大きいだけの草食ドラゴンが、凶悪肉食ドラゴンと間違えられて少女の生贄を捧げられる。少女はドラゴンに食べられることを望んでいたが、ドラゴンはどうにか説得して少女を生き延びさせる。すると、思い込みの激しい少女はとてつもない魔法使いとして覚醒し、2人は新天地を求めて旅に出る。
少女の勘違いっぷりと思い込みの激しさ、いろいろ思いがすれ違いながらも協力して旅をしていく姿がなかなか楽しい。
原作の2巻までの内容でコミカライズが終わってしまったため、終わり方は少し中途半端。

「来世は他人がいい」
小西明日翔・講談社(アフタヌーン)」
★ ★ ★ ★ ★
大阪の極道の跡取り娘が同い年の青年との婚約のため、東京に出てくる。当初青年は婚約者としての跡取り娘に全く興味を示さなかったが、とある事件をきっかけに強烈な執着を見せるようになる。
登場人物たちが強烈な個性を持っており、序盤からかなり引きつけられる。
随所に極道らしさが垣間見える話なので、なんちゃってヤクザが出てくる作品とは一線を画している。
話もしっかり練られている内容で、飽きさせない。
若干絵は人を選ぶかもしれない。

「RAIDEN18」
荒川弘・全1巻・小学館(サンデーGENE-X)
★ ★ ★
死体改造愛好家の少女がいろんな死体をつぎはぎして1体の人造人間を作り上げる。
人の道に外れたことばかりする少女と、妙に常識人な人造人間の話。
テンポよく話が進んでいくので、サクサク楽しく読める。
掲載時期が10年くらいに及んでいるので、普通なら1話と最終話で絵柄に違いが出そうだが、そこまで落差がないので、違和感なく読める。

「ラグナクリムゾン」
小林大樹・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
竜を狩る狩竜人としてまだ新人の青年と天才だと言われる少女がいた。2人はコンビを組んで竜を狩っていたが、あるとき青年は未来の自分から少女がいずれ竜に殺されると教えられる。その未来を回避するため、未来の自分から力を与えられた青年は少女と別れて別の仲間と共に竜を全滅させるための旅に出る。
転生とも過去のやり直しとも少し違う設定で、序盤こそ未来の知識を使う場面があるが、中盤以降はただひたすら竜と戦う展開になっている。
戦闘シーンは迫力があり、キャラも個性が強いので引き込まれる。
味方の方が悪逆非道だったりするところも面白い。

「ルックバック」
藤本たつき・全1巻・集英社(ジャンプ+)
★ ★ ★
漫画家を目指し、学級新聞に4コマ漫画を描いていた少女は、担任から不登校の女の子が描いた4コマ漫画も学級新聞に載せるよう頼まれる。不登校の女の子の絵は少女よりも格段に上手く、少女は実力差に打ちのめされる。
終盤の展開がちょっとわかりにくいというのはあるが、長編読み切りという形できれいに話はまとまっている。各キャラの感情表現の仕方など、いろいろ引きつけられる部分はある。

「るろうに剣心 裏幕-炎を統べる-」
和月伸宏・全1巻・集英社(ジャンプスクエア)
★ ★ ★
上記作品の番外編。
京都編に登場する志々雄真実と駒形由美の出会いが描かれている。
漫画本編はコミックスの半分くらいの量で、残り半分は同内容の小説が掲載されている。
漫画本編だけ読めればよかったので、小説部分は無駄と感じられるのが少し残念。
内容的には本編を補完する形になっているので、本編が好きなら読んで損はない。

「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚・北海道編―」
和月伸宏・集英社(ジャンプスクエア)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編で、明治16年が舞台となっている。
死んだと思われていた神谷薫の父親が生きて北海道にいるのではないか、ということがわかり、薫と剣心は北海道へと向かう。
前作のキャラが多数登場するので、前作を知っていることが前提。
人気キャラが集まっているので、前作が好きな人なら間違いなく楽しめる。
剣心が飛天御剣流の剣術を使えなくなりつつあるという設定があるため、剣心が戦うシーンは全体的に少なめ。あくまでサブキャラの位置にいる。

「ロクショウ!」
極楽院櫻子・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
女性しか生まれないと言われていたとある神社に生まれた初めての男子である少年は、謎の敵に襲われ、1人の少女に助けられる。2人は融合して歌を歌うことで敵を倒す力を得る。
主人公には5人の許嫁がいるという設定だったが、途中で打ち切りが決まったためか、最後の2人は最終回ギリギリで登場し、かなり強引な終わり方になっていた。序盤の展開が遅いだけに、ギャップが激しい。
一応戦いの結末まで描かれているので、中途半端な終わりではなかったのが救い。

「わたしの幸せな結婚」
高坂りと・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★ ★ ★
政略結婚の末に生まれた少女は、母親が死んで後妻がやって来てその娘が誕生すると、家庭内で虐待されて使用人以下の生活を強いられる。厄介払いとして父親に勝手に結婚が決められてしまうが、嫁ぎ先でひた向きに暮らしていると、次第に大切に扱われるようになっていく。
主人公の自己肯定感の低さにイライラしてしまう部分はあるが、主人公が幸せを手に入れ、いじめていた人たちが落ちていく姿を見るのは、単純に読んでいてスカッとする。
絵もいい感じに儚げなので、話の雰囲気と合っていてよい。
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