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コミックスレビュー追加(4/5) [漫画全般]

「化物語」
大暮維人・講談社(マガジン)
★ ★ ★ ★
同名タイトルの小説を漫画化した作品。
吸血鬼の眷属として不老不死になってしまった少年と、様々な怪異に取り憑かれた少女たちの物語。
登場する怪異がどれも個性的で、じっくり読まないと原理がよくわからない部分はあるが、絵がとにかくきれいなので、読む価値は十分にある。
丁寧に原作を追って行ってくれているので、話の時系列はわかりやすい。

「BURN THE WITCH」
久保帯人・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
ロンドンの裏側に広がるリバース・ロンドンでドラゴンと戦う魔法使いたちの話。
世界観として「BLEACH」(ハ行参照)と共有している部分があるものの、そこまで近しいものではないので、別作品としてちゃんと読める。
キャラの個性が強く、ノリもいいのでサクサク読めるのがいい。

「はじめてのひと」
谷川史子・集英社(ココハナ)
★ ★ ★
初めて好きになった人だけでなく、初めて憎んだり、執着したり、愛されたり、と大人になってから体験する「はじめて」が描かれたオムニバスストーリー。
対象年齢は割と高めで、そのせいかハッピーエンドは少なめ。
大人の女性の日常が描かれていて、いい意味で生活感がある。

「はっぴいヱンド。」
有田イマリ・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)

田舎に引っ越してきた少女は、少しずつ地域に馴染んで楽しく暮らしていた。
しかし、ある日毎日書くように言われていた学級日誌を書き忘れてしまい、罰ゲームとして殺されてしまう。けれど、気が付けば転校初日に時間が巻き戻っていた。
タイムリープをしながら少しずつ真相に近付いていくタイプの話なのだが、どういう仕組みでタイムリープが起こっているのか、タイムリープを起こしているのは誰なのか、という謎解きが終わったところで連載終了してしまった。
ループを抜け出すところまでやってくれればもっと評価は高かったのだが……

「ハッピーシュガーライフ」
鍵空とみやき・全10巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
幼い頃に両親を亡くし、叔母による歪んだ愛情の下で育てられた少女・さとうは愛を知らなかった。
気の向くままに男遊びをしていたさとうだったが、あるとき街で出会った少女・しおを拾い、愛を知る。2人はささやかに暮らしていたが、しおを探す少年が現れて2人の暮らしに変化が表れる。
ほとんどの登場人物がある種の異常者、ということで、いい意味でどす黒い話が楽しめる。
特に登場人物の1人・太陽はいい変態になっている。
話の進むペースが少し遅いというのはあるが、謎解きをすべて終えた上で、最後はきれいに完結している。

「ハラサキ」
櫻シノ・全2巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★ ★
幼い頃の記憶がほとんどない女性は、結婚を機に故郷の村を訪れることにする。
しかし、そこに向かう電車の中で気を失ってしまい、気が付くと別次元の村に辿り着いていた。
最初は主人公に感情移入してしまうのだが、中盤以降いい意味で共感できない展開になってくると面白くなってくる。
ラストシーンは必見。
一気読みがおすすめ。

「春の呪い」
小西明日翔・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★ ★
妹の春が19歳にして癌で亡くなってしまう。春には婚約者がおり、春が死んだことで今度は姉が新たな婚約者として指名されるが、姉はそれを承諾する条件として春と巡った場所を案内してほしい、と提案する。
姉は妹のことが大好きだったけど、妹は姉よりも婚約者を見るようになっていて、その婚約者は妹よりも姉のことが好きだった、という三角関係が話に大きく絡んでくる。
婚約者に惹かれつつも妹のことを想って苦悩する姉の姿がいい。
人の心を抉ってくるような展開も多く、引き付けられる。
完全なハッピーエンドという終わり方ではなかったが、それなりにキリよく終わっている。

「ヒノワが征く!」
sterelka・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★ ★
「アカメが斬る!」(ア行参照)の続編だが、アカメ自身は出てくるものの舞台は別の大陸に移っており、あくまで脇役という形になっている。
新たに主人公となったヒノワが大陸を統一する話になっていくと思われる。
序盤は小国が大国に挑む話になっているが、話として面白くなってくるのはその決着がついてから。巻数としては6巻以降くらい。
メインキャラと思っていたキャラがサクサク死んでいくのは「アカメが斬る!」と同様で、誰が死んでもおかしくないので話に緊迫感がある。

「100日後に死ぬワニ」
きくちゆうき・全1巻・小学館(Twitter)
★ ★ ★
Twitterで公開されていた連載漫画を1冊の本としてまとめたもの。
読者には100日後に死ぬと予告されているワニが過ごす日常が淡々と描かれ、死ぬとわかっているからこその哀愁が漂うのがいい。
ワニが死んだ後の後日談が描き下されているが、そこまで大きい内容ではなかった。
なお、コミックスのサイズが変形判のため、本棚にしまうとき困る。

「百姫夜会」
いふじシンセン・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
自分の保身しか考えないスクールカーストの最底辺一歩手前の少女が、カースト上位の子に命令されて訪れた心霊スポットで自殺した少女の幽霊に取り憑かれてしまう。しかし、2人は妙に馴染んでしまい、共に暮らして行くことになる。
主人公の性格がちょっと変わった感じでわりといい。
まだ序盤なので能力バトルに向かうのか退魔師ものに進むのかがわからないが、キャラには個性があるので面白くなりそうな感じはする。

「貧乏令嬢の勘違い聖女伝~お金のために努力してたら、王族ハーレムが出来ていました!?~」
遊行寺たま・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
貧乏貴族に生まれ育った少女は、生活苦から冒険者として旅に出るが、実力不足で死亡してしまう。
しかし、目を覚ますと時間が巻き戻っており、もう1度人生をやり直すことになる。
時間が巻き戻る前の失敗を教訓として、新しい人生を謳歌していく話。時間が巻き戻るのは1回だけで、転生とはまたちょっと違うところが上手いと思う。
タイトルにある王族たちはポンポン出てくるわけではないので、話の進み方に都合が良すぎると感じる部分がないのもよい。
絵は上手いので読みやすい。

「FINAL FANTASY LOST STRANGER」
亀屋樹・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
スクウェア・エニックスの社員である兄妹が交通事故で死亡してしまうが、ファイナルファンタジーと非常に近しい世界に転生する。そこで妹が死んでしまうが、FFの世界にあるはずの蘇生呪文・レイズはおとぎ話に出てくるものとして実在していなかった。それでも妹を生き返らせるため、レイズを求めて兄は旅に出る。
一見するとイロモノ異世界転生なのだが、読んでみるとなかなかどうして、シナリオがしっかりしている。
FFの知識が随所に登場する作品なので、FFを一通りプレイした人の方が楽しめる。
絵は戦闘シーンに迫力があり、読みやすい。

「Fate Grand/Order-turas realta-」
カワグチタケシ・講談社(マガポケ)
★ ★ ★
スマホゲームのFGОで序・1・3・5・7・8章が描かれる予定のコミカライズ作品。
シナリオに定評があるスマホゲームが原作なので、シナリオに関して文句はないのだが、いつまでたっても絵が上達しないので読むのが結構きつい。
序章に関して対になっている下記作品と違う解釈をしている部分もあり、全体的に微妙。

「Fate Grand/Order-mortalis:stella」
白峰・一迅社(ゼロサム)」
★ ★ ★ ★
スマホゲームのFGОで序・1・2・4・6・8章が描かれる予定のコミカライズ作品。
絵に関しては上記作品に比べてこちらの方が格段に上手い。ただ、長期休載を挟んでおり、連載再開後もずっとページ数が少ないので、話の進むスピードはかなり遅い。
展開を急いでいるわけではないので、まとめて読む分にはいいのだが。

「腐女子になって四半世紀経つとこうなる~底~懐古編」
御手洗直子・全1巻・一迅社(pixiv)
★ ★ ★ ★
インターネットがまだ普及していない頃から同人活動をしている作者が、ネットのない時代はどうやって同人活動をしていたのか、などを振り返る話。
ネット黎明期の話など、懐かしい内容が満載で、確かにあの頃はこうだったなと、ものすごく内容に共感できる。
コミケの噂の真相を、壁サークルの当事者だった高河ゆんさんにインタビューして確認していたりもするので、その辺りも興味深く読める。

「双子の帝國」
鬼頭莫宏・既刊3巻(立ち消え)・講談社(バンチ)
★ ★
滅びた民族の生き残りである少年は、触れる者を死に至らしめる呪いを持った少女と旅をしている。2人は少女の呪いを解くため、既に死滅したとされている魔法使いを捜していた。
話としてかなり序盤で連載が立ち消えてしまったため、これから面白くなりそうなのに……という状態で放置されている感じになっている。
設定自体はそれなりに珍しくていいのだが。

「ぶっしのぶっしん鎌倉半分仏師録」
鎌谷悠希・既刊5巻(立ち消え)・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)」
★ ★ ★
鎌倉時代、仏師だった少年は事故で半身を失ってしまうが、失われた部分を仏像で補うことで生き延びる。
人でありながら半分仏となった少年は、仏像を造りつつ都などで起こる異変に対応していく。
時代設定から人物設定まで、漫画のジャンルとしてこれまでにあまりなかったものを多く取り入れているところは素晴らしい。
ただ、話半ばで連載が立ち消えてしまい、話として何も解決していないのが辛い。
絵は上手いので読みやすい。

「ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」
尾羊英・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
古代中国に似た王宮で、病弱だが皇帝に愛されている少女・玲林と、健康だが宮中のドブネズミと言われている少女・彗月の体と心が入替ってしまう。宮中で最も嫌われている少女の体になってしまった玲林だったが、それを嘆くこともなく、健康な体を手に入れたことを喜び、畑仕事に精を出すことにする。
とにかく主人公・玲林のポジティブシンキングが楽しい作品。
苦境を苦境と思わず、可能な限り努力し続ける姿もいい。
絵も上手いし、話はテンポよく進むので、サクサク読める。

「プラチナエンド」
小畑健・全14巻・集英社(ジャンプスクエア)
★ ★ ★
神の代替わりが近付き、13人の天使がそれぞれ1人ずつ人間の中から神候補を選んで、最後の1人になるまで争わせることになる。神候補たちはお互いに協力したり敵対したりしながら、次第に数を減らしていく。
「DEATH NOTE」(タ行参照)コンビによる作品で、神候補が持つアイテムの制約などは「DEATH NOTE」に通じるものがあるな、と感じる。
神候補同士の戦いではいろいろな駆け引きが行われるので、それを楽しむ感じ。
主人公が中盤くらいまでかなりウジウジした性格をしているので、そこは読んでいてちょっとイライラする。
話としてはきれいに終わったが、ハッピーエンドではないので、終わり方は人を選ぶ。

「ブラトデア」
速水時貞・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
「アラクニド」(ア行参照)の続編で、前作終了直前の別主人公の視点で話が始まる。
作画は前作から変更されて「キャタピラー」「蝶撫の忍」と同じ人が行っている。
前作の主人公も登場するが、新しくゴキブリの能力を持った少女も主人公扱いで登場するので、ダブル主人公という感じ。
前作から引き続き登場するキャラも数多くいるので、前作を知っていないとわかりにくい部分もある。

「BLEACH」
久保帯人・全74巻・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
幼い頃から幽霊を見ることができた少年は、偶然出会った死神の少女から力を貸し与えられ、死神代行として人に害をなす霊・虚を倒すことになる。
話は大きく分けて三部構成となっており、敵対勢力と戦うバトル要素が強い。
長期連載化したことで非常に登場人物が多いが、きちんと個性がついていて全て描き分けられているのは素晴らしい。セリフや戦い方もスタイリッシュで引き込まれる。
ただ、思わせぶりなセリフもまた多く、伏線を張るだけ張って回収されていなかったり、謎解きがなされないままの設定も多かった。
雰囲気で読む感じ。

「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。」
matoba・全12巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
魔界の行政機関である万魔殿の頂点に君臨する美少女悪魔・ベルゼブブ。仕事は有能だが天然気質のあるベルゼブブの近侍として1人の青年が配置されることになる。
設定は魔界なのだが、生活スタイルは人間界の役所とさして変わらないので、キャラの名前だけ悪魔から引用していると考えた方がいい。人間界や天界との仲も良好で、争いの雰囲気は一切ない。
個性的なキャラたちが暮らす日常を楽しむ癒し系の作品。
最後はキッチリハッピーエンドで終わった。

「ぼくのお父さん」
矢部太郎・全1巻・新潮社(小説新潮)
★ ★ ★
作者の実父である絵本作家・やべみつのりと作者の幼少期の思い出を描いた作品。
「大家さんと僕」(ア行参照)とは違い、フルカラーで描かれている。
一通り読んでみると、かなりエキセントリックな父親だったというのがわかる。
「大家さんと僕」ほど心に響く言葉などがないのはちょっと残念だったが、父親のキャラは読んでいると心が温かくなる感じはある。
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