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コミックスレビュー追加(3/5) [漫画全般]

「堕アホリズム」
田中ひかる・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガンONLINE)
★ ★
「アホリズム」(ア行参照)の外伝的作品。
本編の13年前、「弩アホリズム」(下記参照)の4年後の話で、「病文字」と言われる禁断の文字を選んでしまった少女の物語。
「病文字」という設定を出すための話という感じで、本編の謎解きなどは特にない。
本編と違う人が作画しているが、絵はそれなりに似ているので、読んでいて違和感はない。

「チェンソーマン」
藤本たつき・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
両親がおらず、借金返済のためギャングの手下として最底辺の生活をしていた少年。
その中で少年は一緒に暮らしていた悪魔と共に殺されてしまうが、悪魔が少年の心臓となることで蘇生する。その時に出会った女性とともに、少年はデビルハンターとして公安で働くことになる。
様々な能力を持った悪魔が登場するが、その個性の付け方が上手い。
最後までラスボスがわかりにくかったのはよかったが、全体的に話が概念的というか抽象的なところがあるので、人を選ぶところはある。
絵は粗く見えるが、読みにくくはない。

「天賀井さんの案外ふつう」
水野英多・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
かつて2匹の化け物住んでいたという伝承の残る街に、10年前に起きた殺人事件の犯人を見つけるために来た、という転校生の少女が現れる。
殺人事件と古い伝承と異世界の設定が入り乱れる話だが、意外と話の筋はしっかりしている。
殺人事件の犯人のことなど、読者が考える前に登場人物たちが勝手に特定してしまって置いてきぼりになる感じはあるが、最後はきれいにまとまっている。

「弩アホリズム」
宮条カルナ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
「アホリズム」(ア行参照)の外伝的作品。
本編の17年前の話となっていて、たまたま修学旅行で楢鹿高校の近くに来た少年が、学校の敷地内に入ったことで外に出られなくなってしまい、やむなくそこで暮らすことになる、という話。
主人公の性格があまりよくなく、序盤ではどうにか学校の外に出ようと誰の言うことも聞かずにがむしゃらに行動した結果死人が出るなど、後味悪い展開となっている。
中盤以降は連続殺人事件を追うことになるが、あまり吸引力はない。
学校で出されるおいしい食事の秘密について描くための話だったように思う。

「怜-Toki」-
めきめき・スクウェア・エニックス(ビッグガンガン)
★ ★ ★
「咲-Saki-」(サ行参照)のスピンオフ作品で、「咲-Saki-阿知賀編」に登場する千里山女子高校の生徒で一巡先が見える能力を持つ園城寺怜が主人公の話。
話は怜が小学生時代から始まっており、一巡先が見える能力がうすぼんやりあるようなないような、という状態。麻雀というよりも小学生の女の子たちがキャッキャウフフしているのを楽しむような作風になっている。
個人的にはもっと麻雀の比重を増やしてほしい。

「ときどき漫画家、金田一蓮十郎~〆切はおとといでした。~」
team.きんだいち・全1巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★
「〆切はおとといでした。」(サ行参照)の続編。
相変わらずハロプロの話が多いのだが、半分くらいがアシスタント作のギャグマンガになっていて、これが果てしなくつまらなかった。ハロプロの話ならまだエッセイとして許容できたが、エッセイですらなくなってしまったのはきつかった。
作者の出産話など、面白い部分もあるのだが……

「Dr.STONE」
Boichi・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
突如謎の光に包まれ、地球上全ての人が石化してしまう。
それから約3700年後、偶然石化解除された少年が科学知識を総動員して原始にまで戻った地球で石化の謎を追っていく。
全編に渡って科学知識がふんだんに盛り込まれていて楽しく読める。様々な機械も原理から説明してくれるので、どうして作り上げることができるのかがはっきりわかるのが素晴らしい。
話もテンポよく進んでいて、飽きることなく読める。

「賭博黙示録カイジ」
福本伸行・全13巻・講談社(ヤングマガジン)
★ ★ ★ ★
友人の借金の保証人になっていたことで多額の借金を背負わされてしまった男・カイジ。カイジは借金返済のため、非合法ギャンブルに挑むことになる。
人の心を読み、提示されるギャンブルの本質を見抜いて勝ち抜いていく主人公の姿に引き込まれる。
また、悪役の言うことに一々説得力があり、人間の本質みたいなものも見えてくる。
序盤の方がテンポよく話が進んで面白い。

「賭博破戒録カイジ」
福本伸行・全13巻・講談社(ヤングマガジン)
★ ★ ★ ★
上記作品の続編。
背負った借金が高額になったため、地下労働施設で強制労働させられることになったカイジ。借金を返済して地下労働施設から抜け出すため、カイジは仲間と協力してギャンブルに挑む。
地下労働施設での話が個人的にカイジシリーズで1番好き。
最後はきれいに終わっているので、ここで読むのを終わりにしてもいい。

「賭博堕天録カイジ」
福本伸行・全13巻・講談社(ヤングマガジン)
★ ★ ★
上記作品の続編。
前作で知り合った仲間の家で暮らしていたカイジだったが、あまりに自堕落に暮らしていたため家を追い出されてしまう。
持たされた手切れ金でカイジは地下労働施設での仲間の誘いにより、あるゲームに挑むことになる。
全編通してギャンブルは1種類しか行われないというのもあり、展開が非常に遅い。
最後のどんでん返しの辺りは面白いが、そこまでが長い。
終わり方は続編前提になっているので、その辺りは注意が必要。

「トリリオンゲーム」
池上遼一・小学館(ビッグコミック)
★ ★ ★ ★
1兆ドルあれば世界の全ての物が買える、という前提の下、大学を卒業したばかりの青年2人が会社を立ち上げて総資産1兆ドルを目指す話。
原作が稲垣理一郎さんなので、主人公が口先だけで世の中を渡っていそうで実はしっかりとした戦略を持っているところなど、いろんな部分で原作者らしさを感じる。
1巻の冒頭で青年2人が総資産1兆ドルを達成することは既に語られていて、過去を振り返る形で話は進んでいく。なので、割と安心して読んでいられる。
作画がかなり高齢の方なので、絵柄が半世紀くらい前の劇画調で全体的に表情が硬く見えるのが残念。

「逃げ上手の若君」
松井優征・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
足利高氏の裏切りによって鎌倉幕府は滅ぼされ、北条氏は関東での支配権を失ってしまう。北条氏の最後の当主である時行は諏訪地方の神社の力を借りて再起を目指す。
北条時行の生涯を描いた作品で、史実をベースにした話になっている。
時行が最終的にどうなってしまうのかがわかっていても読みたくなる力があり、主人公を取り巻くキャラも個性的でよい。
当時の武士とはどんな感じだったのか、というのもわかるので、解説を読むのも楽しい。

「ねねね」
萩原ダイスケ・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
16歳の少女が常に狐の面で顔を隠している20歳以上年上の男性に嫁ぐ。
少女は少しでも夫との距離を詰めようと努力する。
大正×年差婚物語だが、常に顔を隠しているという設定と作画上そこまで年上に見えないのはちょっと残念。
2人の純愛を楽しむ話で、もっと続いてもよかったのだが、1巻で終わってしまった。
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