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コミックスレビュー追加(2/5) [漫画全般]

「廻生のカリカチュア」
轟斗ソラ・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)

制服によって差別が明確化されている学園に通う少年は、存在しないはずの兄が自分をかばって死ぬ夢を毎晩見ていた。そして、1人の少女と出会うことで運命が動き始める。
ほぼ謎解きがないまま打ち切りになってしまった作品で、読んでもモヤモヤしか残らない。
不思議の国のアリスがモチーフになっているが、他の作品との差別化はあまりできていない。
絵がきれいなことだけが救い。

「賭ケグルイ」
尚村透・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
ギャンブルが推奨される学校にギャンブル狂の少女が転校してくる。少女は大金をかけた様々な特殊ルールのあるギャンブルに挑んでいく。
ギャンブルに勝ったとき、負けたときの顔芸を楽しむ作品。
ギャンブル自体も一捻りされているものが多く、そちらも楽しめる。
登場キャラも個性が強くていい。

「賭ケグルイ双」
斎木桂・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
上記作品は主人公が高校2年生だが、本作はクラスメイトのサブキャラ・早乙女芽亜里が1年生のときの話となっている。
本編主人公の夢子が運にも頼るのに比べて、芽亜里は徹底した合理主義者で確率的に分のいいものを取っていくところが差別化されている。
絵柄も本編に近いものがあり、違和感なく読める。

「賭ケグルイ妄」
柊裕一・全4巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。
サブキャラ・生志摩妄が主人公。
本編が始まる少し前、妄が美化委員長になった直後の話で、運や戦略関係なくその場の勢いでギャンブルをしていく姿が描かれている。
話があまり広がらないまま中途半端なところで終わってしまった印象があり、本編との関わりも希薄で微妙だった。絵はきれいなのだが。

「花燭の白」
高山しのぶ・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
体に花を咲かせ、それが鬼の食事となる花燭となった少女と鬼の物語。
舞台設定は大正頃となっていて、街の雰囲気などがいい感じに再現されている。
自分に自信の持てない主人公が鬼に見初められて戸惑いながらも愛される、という基本設定が理解できれば割と楽しく読める。普通に読むだけだとそこがわかりにくい。

「かつて魔法少女は悪と敵対していた」
藤原ここあ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
オラオラ系マスコットに魔法少女にされてしまった貧乏少女が、悪の組織の幹部に一目惚れされて、敵対しているように見せかけて愛されまくる、という話。
テンポのいいギャグと個性的なキャラが魅力で、確実にアニメ化されるくらいのクオリティがあった。
しかし、作者急逝のため打ち切りとなってしまった。それが非常に惜しまれる作品。

「彼女の腕は掴めない」
理央・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
体の欠損を愛するというアポテムノフィリアの青年が、生まれつき両腕のない女子高生をたまたま街で見かけて誘拐してしまう。少女は逃げ出すことのできる状態でも逃げ出さず、青年と暮らすことにする。
第1話にかなりインパクトのある作品だっただけに、その後は尻すぼみな感じになってしまったのが残念。
青年と少女の微妙な距離感は割と良かったのだが。

「神クズ☆アイドル」
いそふらぼん肘樹・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
顔はいいのに全くやる気のない男性アイドルに、夢半ばで事故死してしまった女性アイドルの霊が取り憑く。2人は時々入れ替わりながらアイドル活動を続けることになる。
全くやる気のない主人公とやる気に満ち溢れるヒロインのギャップを楽しむ作品。
絵はあまり上手くはないが、話のテンポはよく、楽しく読める。

「騎士団長島耕作」
宮本福助・全3巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
島耕作シリーズのスピンオフ作品。
異世界の騎士に転生した島耕作。異世界なのに彼の近くには前世で見知った顔が多くあり、前世の知識を活かして問題を解決していく。
一見するとイロモノの異世界転生系の話だが、なかなかどうして、結構面白く読める。
本編の人間関係を知っていた方が面白く読めるが、知らなくてもわかるように描かれている。
食わず嫌いせずに読んでみるといいかも。

「教国のレクエルド」
もち・全2巻・スクウェア・エニックス(Pファンタピー)
★ ★ ★
「魔女の下僕と魔王のツノ」(マ行参照)のスピンオフ作品。
本編主人公のアルセニオとサウロの過去が描かれている。
ここから本編につながっていくので、そこまで後味のいい終わり方にはなっていない。あくまで本編を読んでいる人向け。ただ、本編を読んでいるなら買って損はしない内容になっている。

「繰繰れ!信楽さん」
宗一郎・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
上記作品のスピンオフ作品。信楽が主人公の話で、ちゃらんぽらんに見えて陰ではちょっといいこともしている、という姿が描かれている。
本編の人間関係を知っている前提の話ではあるが、そこまで本編と話が絡んでいないので、単体としてそれなりに読める。

「クツナシ姫」
赤夏・全1巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★
10年に1度の祭りのときだけしか素足で土に触れることのできない巫女の少女と靴屋の青年の物語。
その他何本かの短編が収録されており、作者らしさがよく出ている。
表題作が1番面白いので、他の作品が小粒な印象。

「ケーキの切れない非行少年たち」
鈴木マサカズ・講談社(くらげバンチ)
★ ★ ★ ★
少年院に収容されている少年少女はIQが70~80くらいの子が比較的多く、一般の人よりも我慢が効かなかったり思い込みが激しかったりする。そういう少年少女に向き合う精神科医の話。
実話をもとにした作品で、気付きにくいけれどこの世界にはこういう人たちがいる、というのを教えてくれる。人との向き合い方などを改めて考えるきっかけになる作品。

「恋するみちるお嬢様」
若林稔弥・全2巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
家庭教師に恋をした女の子と、それに気付きながらもからかい続けるドS家庭教師の話。
からかわれるみちるお嬢様を見て楽しむ作品で、みちるを見ていると心が温かくなる。
もっと続いてもよかったが、短い期間で連載終了してしまった。

「「子供を殺してください」という親たち」
鈴木マサカズ・講談社(バンチ)
★ ★ ★ ★
民間救急会社を営み、家族で手におえなくなった人たちを医療につなげて救おうとする主人公が出会った人たちの話。
精神疾患、発達障害、様々な理由で問題行動を起こし、親が手に負えなくなって最後に頼る場所にいるのが主人公なので、様々な修羅場が描かれている。
実話をもとにしているので、綺麗に終わるエピソードもあるが、道半ばで終わってしまうエピソードも多々ある。
心を抉ってくる話が多いので、読むだけで精神力を消耗してしまうが、引き込む力も強い。
世の中ではこういうことが起こっているんだ、というのがわかる作品。

「ゴミ清掃員の日常」
滝沢友紀・全2巻・講談社(描き下ろし)
★ ★ ★
普段はお笑い芸人をしているものの、それだけでは食べていけないのでゴミ清掃員をしている青年の話。
ゴミ清掃員あるあるから始まり、こういうゴミの捨て方をしてくれると嬉しいとか、こうされると困るとか、ゴミ清掃員の視点から見た話が新鮮で面白い。
ネタ自体はかなり面白いのだが、絵があまり上手くないので、全体的にちょっと読みにくいのが難点。

「災禍の神は願わない」
尾羊英・全2巻・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
古代エジプトで兄王オシリスの殺害容疑で処刑されてしまったセト。しかし、気が付くと5年前の世界におり、兄も生きていた。兄の運命を変えるため、セトは動き始める。
世界がループするのではなく、1度だけ過去に戻ってやり直す話。それだけに失敗できないというプレッシャーも感じられ、話に引き込まれる。
短い巻数できれいにまとまっている。

「Jヲタ男子朝比奈くん」
七海慎吾・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
頭もよくてスポーツも万能な朝比奈くんは、国民的アイドル集団ジョーカーズの熱狂的なファンだった。
それを知らずに告白した少女は、朝比奈くんにジョーカーズファンの同志だと勘違いされ、様々なジョーカーズ知識を叩き込まれる。
作中では名称がぼかされているが、端的に言えばジャニーズファンの男子を描いた話。
ジャニーズファンあるあるがたくさん盛り込まれていて、ジャニーズファンの思考から普段の生活まで、熱狂的なファンはこんな感じ、というのがわかる。
ネタがワンパターン化する前にきれいに終わってくれた。

「死神と銀の騎士」
イロノ・全6巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
死神とその使い魔であるラルヴァと戦う銀の騎士。幼い頃に大切な人を死神に殺された少年は銀の騎士となるが、任務途中でラルヴァとなってしまう。
正統派の王道ファンタジー。ただ、所々に捻りがあり、ベタな展開にならないようにしているところには好感が持てる。
絵は安定していて上手い。

「渋谷金魚」
蒼伊宏海・全11巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
ある日の渋谷に突如人食い金魚が大量発生し、渋谷の街は巨大な金魚鉢の中に閉じ込められてしまう。
そこにいた人たちが金魚から生き延び、金魚を全滅させるために戦うサバイバルパニックホラー。
なぜ舞台が渋谷なのか、なぜ金魚なのかが明確化されていて、終始話に緊迫感がある。
整合性がキッチリとれた形で最後はきれいに完結した。
パニックホラー系の話でキッチリきれいに完結した作品を読んだのはこれが初めてだった。

「〆切はおとといです。」
team.きんだいち・全1巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
漫画家・金田一蓮十郎の漫画制作現場での裏話を描いた作品。
漫画制作現場での裏話というコンセプトなのに、内容の8割くらいはハロプロの話となっていて、読みたいのはその話じゃない、と思うことが多々あった。
ハロプロが好きな人ならきっと楽しいのだろうが……

「白井カイウ×出水ぽすか短編集」
白井カイウ×出水ポスカ・全1巻・集英社(ジャンプ等)
★ ★ ★
「約束のネバーランド」(ヤ行参照)コンビによる短編集。
シリアスなものからコメディタッチのものまで幅広くあるが、「約束のネバーランド」のクオリティを求めてしまうと、どうしても劣っていると感じてしまう。
むしろ、「約束のネバーランド」の後日談が掲載されているので、そのためのコミックスと言ってもいい。

「白石君の動級生」
チノク・既刊2巻(立ち消え)・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
引っ込み思案で人とうまくコミュニケーションが取れない少年は、高校入学時の手違いで人間に変身することのできる動物たちが通うクラスに振り分けられてしまう。
クラスメイトと触れ合ううち、少年は次第に心を開いていく。
設定はそこまで珍しいものではないのだが、序盤から作者が話を描きにくそうにしているな、という印象があった。それがどうも正解だったようで、2巻は何とか発売されたが、以降は描けなくなってしまったようで、連載は立ち消えてしまった。
前作よりも絵が安定して、イケメンがキッチリイケメンに描けていたので期待していただけに、残念。

「新世紀エヴァンゲリオン」
貞本義行・全14巻・角川書店(エース)
★ ★ ★ ★ ★
14歳の少年少女が人型兵器に乗って謎の敵と戦う話。
テレビアニメ版と旧劇場版がベースになっているが、どちらとも違う結末になっている。少なくとも旧劇場版よりは納得できる結末になっている。
展開もテレビアニメ版とは所々違っており、それを見比べるのも楽しい。
最終話では主人公の両親の大学時代が描かれ、新劇場版の登場人物も出てきているのはうれしいところ。

「聖女の揺籠、毒女の柩」
夏海ケイ・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
虐待されて育った兄弟は、両親の死をきっかけに孤島の孤児院へ入園することになる。
しかし、そこは1人のシスターによって支配され、仲間同士を監視し、殺人がまかり通る地獄だった。
島からの脱出を試みる序盤は割と定番な展開だが、それ以降シスターがかなりえぐいことをし出すと面白くなってくる。
しかしながら話は中盤の段階で打ち切られてしまい、ほぼ何の解決もしないまま完結してしまった。
予定では残り10話くらいあったことが最終巻に記されている。

「制服のヴァンピレスロード」
松本トモキ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
見知らぬ男に突然血を吸われて吸血鬼になってしまった少女。
少女は吸血鬼とはどんなものかというのを学びつつ、クラスメイトの女子たちを吸血していく。
わりとストレートな百合マンガ。吸血は性的快感を伴うという設定があり、女の子同士でも性的快感を共有できる、ということになっている。
絵はきれいなので、百合が好きで絵が気に入れば買ってもいいかも。

「戦隊レッド異世界で冒険者になる」
中吉虎吉・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
戦隊ヒーローのレッドが異世界転生をして旅に出る話で、変身・必殺技・巨大ロボなどの戦隊ヒーローのお約束が一通り出てくる。ただし、グリーンやイエローなどの仲間は回想シーンにしか出て来ない。あくまで戦隊レッドのみの話となっている。
いい意味で暑苦しい話で、戦隊ヒーローを見たことがあるなら楽しめる内容。
絵は全体的にゴチャゴチャしているので、ちょっと読みにくい。

「双翼の武装使い」
sanorin・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
人類が滅亡に向かおうとしている中、規格外の身体能力と頭脳をそれぞれ持つ2人が能力武装を手に入れて世界を救うために立ち上がる、という話。
主人公2人が無双していく話なので、基本的に読んでいてスカッとする展開が多い。
全体的に王道ではあるが、絵が上手いので結構読ませてくれる。

「続・〆切はおとといです。」
team.きんだいち・全1巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)
★ ★ ★
「〆切はおとといです。」(サ行参照)の続編。
基本的にやっていることは同じで、8割がハロプロの話というのも前作同様。
ドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね。」の裏話など、こういうのが読みたかったんだよ、と思える話もあるにはあるのだが、数は少ない。

「その恋はいちごのように」
イロノ・全4巻・スクウェア・エニックス(Pファンタピー)
★ ★ ★ ★
祖父が骨折で動けなくなってしまったため、祖父が営むいちご農園を手伝いに来た女子大生の少女。少女はそこでひと回り年上の青年からいちご栽培を教えてもらうことになるが、次第に2人は惹かれ合っていく。
いちごの栽培と初々しい年の差カップルを見て楽しむ作品。
話はテンポよく進んでいき、中だるみすることなくきれいに完結してくれた。
コミックスには大量の描き下ろしがあり、各キャラをそれぞれキチンと掘り下げているので、一見の価値はある。

「空のグリフターズ~一兆円の詐欺師たち~」
加藤元浩・講談社(月刊マガジン)
★ ★ ★
祖父の借金100億円のカタとして生まれ育った島を奪われた少女。その島を取り戻すため、少女は自分に従えば100億円が手に入るという謎の少年と行動を共にすることになる。
1巻の冒頭に少女たちが詐欺師として逮捕されたと報道される場面があり、少女たちの取り調べ場面が時折入りつつ過去が語られていく形で話が進行していく。
詐欺の手法は割と現実感のあるもので、これなら騙されるかも、と思わせてくれる。
終わりが決まっている話のようなので、そこまでキッチリ描かれることを期待している。

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