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コミックスレビュー追加(1/5) [漫画全般]

コミックスレビューを今回含め全5回で更新します。
いずれ「MINERVAのお部屋・アーカイブ」に組み込んでいく予定なので、「上記作品」とか「ア行参照」とかを既に入れ込んでいる状態で書いています。
思い出せる限り思い出して書きましたが、抜けている作品も多分たくさんあるので、いつかコロナが落ち着いて実家に帰るときがきたら抜けている分のレビューを補完していきたいと思っています。
では、第1回目の更新内容です。


「天誅×新曲(アイウタ)」
よしだもろへ・既刊2巻(打ち切り)・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
田舎の村に暮らす少年少女たちは、癒しの力を持つ不思議な少女と出会う。その出会いから事件が起こり、幼馴染たちはバラバラになってしまうが、数年後再会することになる。
序盤の引きはかなりよいのだが、ラスボスがチラ見えするくらいの話としてこれからというところで作者が連載を続けられなくなったというアナウンスがあり、終了してしまった。
絵も話も上手かっただけに、残念。

「アインシュタインの怪物」
宮永龍・全3巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
村人から忌み嫌われて村はずれで密かに暮らしていたアインシュタインは、不慮の事故で死んだ少年をフランケンシュタインとして蘇らせる。2人は安住の地を求めて旅に出る。
話の雰囲気に合ってはいるが、とにかく人を選ぶ絵なので、手に取って読んでみようと思えるところまで行くのが第一関門。実際に読んでみると、切ない雰囲気がなかなかいい。
終わり方も割ときれいだった。

「あおざくら防衛大学校物語」
二階堂ヒカル・小学館(サンデー)
★ ★ ★ ★
金銭的問題で大学進学をあきらめていた少年は、ただで勉強ができる上に給料も出るという理由で防衛大学に入学する。防衛大学で過ごすうち、少年は自衛隊という組織を知っていく。
防衛大学の中ではこういうことが行われている、というのが一通りわかる作品。
綿密な取材が行われており、巻末のインタビュー内容が作品内反映されているなど、いろいろためになる。
巻末インタビューに当時の統合幕僚長が出ているなど、自衛隊の協力がうかがえるのもいい。
防衛大学ってどんな場所?、と考えたことがあることなら間違いなく楽しめる。

「紅い霧の中から」
野原もさえ・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★ ★
暗殺者の息子として生まれた少年は、幼い頃から殺人方法を母親に仕込まれる。後に母親と死別し、様々な施設や家を転々する中で、少年は多くの人を殺していく。
序盤から話が二転三転するので、いい意味で先が見えない。
絵も残酷描写が上手く、暗い雰囲気があるところが作品と合っていてよい。

「アクタージュact-age」
宇佐崎しろ・既刊12巻(打ち切り)・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★
役に深く入り込む能力を持つ少女が1人の監督に見出され、次第に女優として成長していく物語。
主人公がどうやって役に入り込んでいくのか、周りの若手俳優たちがどういう思いで役者をやっているのか、などの心理描写が上手く、話に引き込まれる。
憑依型だけでなく、様々なタイプの役者を描いているのもいい。
残念ながら原作者が刑事事件を起こして逮捕されてしまったため、大河ドラマの撮影が始まる直前という非常に中途半端なところで終わってしまった。

「悪魔も踏むを恐れるところ」
吉辺あくろ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★
魔界の王を決めるため、人間と契約して戦いに臨むことになった悪魔の少女。しかし、漫画の原稿に描かれた魔法陣によって召喚され、変態漫画家と契約してしまう。
前作「絶対☆霊域」(サ行参照)とやっていることは似ているのだが、序盤からキャラが多めに登場して全体的に薄い印象。主人公の真面目悪魔が変態漫画家にいろいろもてあそばれているだけでよかったのに、手を広げ過ぎてしまったように感じた。

「悪の華道を行きましょう」
やましろ梅太・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した少女は、ヒロインに嫌がらせをした報いでガマガエルそっくりで黒い噂だらけのものすごく年上の宰相と結婚させられてしまう。しかし、前世で枯れ専だったことを結婚式の最中に思い出し、宰相を本気で好きになってしまう。宰相と少女は2人で悪の道を進むことになる。
単純な悪役令嬢×年の差ものではなく、主人公と宰相がいいこともすれば悪事も働くという二面性を持っているので、読んでいて意外性があって楽しめる。
絵も安定して上手い。

「あさドラ!」
浦沢直樹・小学館(ビッグコミック)
★ ★ ★
大家族の娘として生まれた少女は、伊勢湾台風の日に巨大生物の足跡らしきものを見つける。それから数年、飛行機の操縦士になった少女は極秘裏に巨大生物と戦うことになる。
第1回東京オリンピックが開催された頃にゴジラ的な巨大生物が襲ってきたら……という想定で描かれているので、当時の雰囲気と特撮が好きなら面白く読めると思われる。
全体的に話の進むペースが遅く、巨大生物がなかなか出て来ないところなどが結構もどかしい。

「あの夏のイヴ」
如月命・全3巻・スクウェア・エニックス(マンガUP!)

古い言い伝えや掟が存在する田舎の村で凄惨な事件が起こる。村では野犬の仕業だと処理されるが、それを不審に思う主人公たちが独自に事件を調べ始める。
一言で言えば「ひぐらしのなく頃に」の劣化版。
序盤の事件発生時は引き込まれる展開だったが、最終的な謎解きが結構酷い。超能力で殺人をしましたというレベルで、到底納得できるものではなかった。
最後はいい意味でのバッドエンドだったが……

「遺書、公開。」
陽東太郎・全9巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★ ★
始業式の直前、とある私立中学の2年D組の生徒全員に序列と名付けられたランキング表が届く。その序列で1位とされた少女が、ある日学校のトイレで首を吊って自殺してしまう。その少女の葬式当日、学校に戻ると全員の机の上に自殺した少女からの遺書が置かれていた。D組の生徒たちはクラスメイト全員の前で遺書を公開して、少女の自殺の理由を考察しようということになる。
遺書が順番に公開されていく中で自殺の理由と思しき事は二転三転し、序列1位の少女をクラスでどう扱っていたのかが明らかになっていく過程は目が離せなくなる。
全員分の遺書が公開され、最後はきれいにまとまっている。ただし、ハッピーエンドというわけではないので、そこだけは注意。

「犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい」
松本ひで吉・全7巻・講談社(Twitter)
★ ★ ★ ★
元気いっぱいで素直すぎる犬とツンデレな猫を飼っている作者のエッセイマンガ。
性格が真反対の犬と猫の対比が面白く、全編気楽に読める。
作中で犬と猫が高齢化してきたところで一旦完結したのはいい判断だったように思う。

「異能メイズ」
山田J太・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★
凄惨な事件や行方不明事件が多発するとある街。事件の原因は異能を持った誰かが迷宮を作り、中に閉じ込めた人たちを異能で殺していたためだった。迷宮から脱するには異能を持つ人物と異能の正体を明らかにしなければならない。事件に巻き込まれた少年と少女が異能絡みの事件を協力して解決していく。
登場する異能が割と捻られた設定のものが多いのはよかったが、その分話が少しわかりにくい。
終盤は思わぬ人が死んだりするなど意外な展開も多くてよかったのだが、全ての謎が解明される前に終わってしまった。ラスボスがこの人だろうな、というところで終わってしまったのが残念。
絵は全編通して安定していて上手かった。

「イノセントデビル」
宗一郎・全4巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
サイコパスなどのシリアルキラーは人類の進化した姿ではないのか、という学説を発表した天才科学者と、かつてシリアルキラーだった少女の物語。
全編通して個性強めなキャラが多いところはいいのだが、全体的に話がちょっと分かりにくい。
絵はきれいで読みやすかった。

「ヴァニタスの手記」
望月淳・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)」
★ ★ ★ ★
人々の陰に隠れて吸血鬼が細々と暮らしている19世紀のフランス。
吸血鬼が暴走して人を襲うという事件が発生し始め、その吸血鬼を治療するというヴァニタスという青年と、ヴァニタスと行動を共にする吸血鬼の青年の物語。
現在の世界と19世紀頃に分岐したような世界観で、様々な個性的なキャラが登場してきて引きつけられる。
序盤からそれなりに謎解きが入りつつ進むので飽きさせないし、絵もかなり描き込んでいて美麗。
話の盛り上がり方もいい感じ。
登場人物が多いので、把握するのがちょっと大変。

「詠う!平安京」
真柴真・全6巻・スクウェア・エニックス(Gファンタジー)
★ ★ ★
修学旅行で京都を訪れた少年は突然平安時代にタイムスリップしてしまう。そこで出会った在原業平に天女と間違えられた少年は、真の歌人に詠まれた和歌はその内容が現実になる事実に驚かされる。現代に戻る方法を探しつつ、少年はしばらく平安貴族の暮らしを送ることになる。
時代考証はそれなりにしっかりしつつも、内容はファンタジー色が濃い。内容はシリアスというよりもギャグ寄りで、在原業平に主人公が振り回されるのを楽しむ感じ。
最後はきれいにまとまっていた。

「うっかり体育大生」
もすこ・全1巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★ ★
マンガ家志望なのに楽しそうだからという理由で日本女子体育大学に入学してしまった作者のエッセイ。
体育大学はこんな場所、というのがわかる内容で、体育大学のトリビアが詰まっている。
日本女子体育大学が全面協力しているので、内容にリアリティがあって楽しめる。

「海が走るエンドロール」
たらちねジョン・秋田書店(ボニータ)
★ ★ ★ ★
夫に先立たれた65歳の女性が、たまたま入った映画館で知り合った美大生から、映画を見るのではなく撮りたいのではないか、と言われ、美大に入学して映像を学んでいく話。
65歳からでもやってみようと思えばまだやりたいことが出来るんだよ、というのを教えてくれる作品。
読んでいると何かに踏み出す勇気が与えられるような気がしてくるところが素晴らしい。
映画を撮ろうと決意するときに出てくる海のシーンが印象的でいい。

「裏世界ピクニック」
水野英多・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★
廃墟探索が趣味の女子大生が偶然現実世界とは別の次元・裏世界を発見し、探索するようになる。そこで死にかけたときに助けてくれた同じ大学の女子生徒と共に、2人は裏世界を探索していく。
裏世界では様々な都市伝説をベースにした異形の生物が登場してくるので、都市伝説好きの人なら楽しめる。
非常に上手く作画されているので、裏世界の雰囲気が良く伝わってくるのもいい。

「18エイティーン」
ヨシノサツキ・全3巻・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
父親が様々な仕事に手を出しては辞めていくことを繰り返しているため、数限りない転校を繰り返した少年とその妹は、少年が18歳になったとき、とある田舎町にやって来る。
誰とも深い交流をするつもりのない少年だったが、転校先の高校にはやたらと絡んでくる金髪の少年がいた。
父親とクラスメイトに振り回されて気苦労が絶えない主人公を見て楽しむ作品。
話としてもっと続いてもおかしくなかったが、割と短期にキリの良いところで終わってしまった。
明確な結末がないので、読み終わると少しモヤモヤする。

「大家さんと僕」
矢部太郎・全2巻・新潮社(小説新潮)
★ ★ ★ ★ ★
芸人・矢部太郎が8年間住んでいた、一階は大家さんの自宅、二階が賃貸という二世帯住宅型一軒家での大家さんとの交流を描いた作品。
年齢が倍以上違う大家さんとの距離感に最初は戸惑いつつ、次第に親密になっていく過程が微笑ましい。
連載中に大家さんが亡くなっているため、大家さんの葬式までが描かれ、作品としてキッチリ完結している。
読んでいると癒されたりホロリときたり、感情が揺さぶられる。

「「大家さんと僕」と僕」
矢部太郎・全1巻・新潮社(描き下ろし)」
★ ★ ★ ★
上記作品の番外編的な作品で、作品に関わる様々な人へのインタビューや裏話などが掲載されている。
作中に登場する先輩の元ネタになっている芸人、陽気な後輩へのインタビューのほか、感動を呼んだ手塚賞授賞式のスピーチ全文など、読み応えがある。
上記作品が好きなら間違いなく買い。
描き下ろしのマンガも面白い。

「All You Need Is Kill」
小畑健・全2巻・集英社(ヤングジャンプ)
★ ★ ★ ★
異星人に襲撃を受ける地球で、死ぬ度に記憶を保持したまま時間をループすることに気付いた青年が、己を鍛えあげて異星人と戦う中でどうにかしてループを抜け出そうとあがく話。
主人公がループに気付いてから終わりに向かって盛り上がっていく流れにはかなり引きつけられる。ヒロインもいい感じ。
原作準拠で終わり方がきれいなハッピーエンドではないのが少し残念。

「おじさまと猫」
桜井海・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★ ★ ★
妻に先立たれた元有名ピアニストのおじさまが、ペットショップで売れ残っていた猫を飼う話。
猫を飼い始めたことで、おじさまの生活が少しずつ変わり始める。
序盤は猫とおじさまの交流がメインでギャグエッセイ的な雰囲気だが、次第に人間関係などが広がっていってストーリー漫画になっていく。
ジーンとさせる演出が上手く、特に亡くなった妻の描写がいい。
読んでいると癒される。

「乙女ゲー転送、俺がヒロインで救世主!?」
辻本ユウ・スクウェア・エニックス(ガンガン)
★ ★ ★
妹がハマっている乙女ゲームの世界に手違いで転送されてしまった少年は、なぜかゲームの中ではヒロイン役になっており、様々なイケメンキャラに言い寄られてしまう。下手に好感度を上げると個別ルートに入ってしまうため、少年は好感度を上げないように努力しつつ、現実世界へ帰る手段を模索する。
好感度をあえて上げないように努力したり、転生ではなく転送なので現実世界から妹のアドバイスが届くなど、それなりに捻られている設定がいい。
王道なゲーム内のキャラ設定にツッコミを入れつつ進んでいく話もなかなか楽しい。

「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...」
ひだかなみ・一迅社(ゼロサム)
★ ★ ★ ★
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまったものの、ゲームが始まるまでまだ猶予期間のある8歳で前世の記憶を取り戻したため、少女は前世の記憶を頼りに時間をかけて破滅フラグを回避する計画を実行していく。
序盤は前世でのゲームの記憶を頼りに破滅フラグを回避しようと努力する姿が描かれていてよいのだが、中盤以降はその結果主人公が人たらし能力を発揮して全ての人が主人公に惚れている状態が誕生してしまう。そうなると話の方向性がちょっと違うように感じられて、次第に勢いがなくなっていくように感じられるのが残念。
ゲーム本編が終わる辺りまでの話ならいいのだが。

「お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない」
吉辺あくろ・全5巻・スクウェア・エニックス(ガンガンJOKER)
★ ★ ★
幼い頃から憧れていた従兄が大学進学を機に同居することになる。
少女なりに従兄にアプローチするものの、思うように思いが伝わらない上に、従兄は少女の弟に女装させて楽しむような変態だった。
相変わらず憎めない変態を描かせたら上手いな、と感じる。ただ、登場人物のほとんどが血縁関係で、いとこ同士は結婚できるとはいえちょっと血が近すぎるのでは……と思ってしまう部分もある。
話は下手に引っ張らずにきれいに終わっている。
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