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実写版「黒執事」・観てきました [映画]

まず最初に、映画館で観るべきか、スルーするべきか、非常に悩んだ作品でした。
キャスト、あらすじ、予告編、どこからどう見たってそこにはもう地雷しか埋まっていないとわかりきっている作品です。
でも、怖いもの見たさでどれだけ酷いかを確認するため、あえて地雷原に踏み込んでみようと思い、映画館へ観に行くことにしました。

私が観に行ったときは公開3週目に突入していたというのもあり、スクリーンは100席くらいしかない、近所の映画館でも1番小さな場所でした。
それでも3割くらいの席は埋まっていて、思っていたよりも人はいるな、と感じました。
ただでさえ人のあまり入らない映画館なので、観客が10人切っているかも?、とすら思っていたので。

客層は99%女性だろう……と思っていたら、半々くらいで、思いの外男性が多くてビックリしました。
年齢層はかなり若い感じで、10~20代前半がほとんど、という感じでした。


それで肝心の内容はというと……
先日の感想でチラッと書きましたが、思っていたほど悪くはなかったです。
結構アクションがしっかりしていて、アクションシーンは割と見応えありました。
俳優復帰作でいろいろ心配されていた水嶋ヒロさんのセバスチャンも、まぁそう言われればセバスチャンに見えないこともないな、くらいには思ったので、あんなのセバスチャンじゃない!、レベルを想像していただけに、意外といけるかな、と。

でも、ストーリーそのものが結構ツッコミ所満載で、これは脚本失敗しているな、と感じました。
一緒に観に行った原作を全く知らない旦那は、いろいろおかしすぎて失笑ものレベル、くらいに言ってましたし。原作を知っている私としては、まぁ仕方ないんじゃないかな、という部分が3割、残り7割同意、という感じでした。

とりあえず、1800円払ってまで観る価値はないと思いました。

では、ここからネタバレありの感想です。
かなりボロクソ書いているので、嫌な方はスルーしてください。

賛否両論ある、原作とは全く違う舞台設定については、実際に映画を観ると、これはこれで仕方なかったんだな、というのを実感できました。
思っていた以上に屋外でのシーンが多く、原作と同じ舞台設定にしてしまったら、建物やら衣装やら全て当時のものを用意しなければならなくなるわけですが、そんな予算が付くわけもないわけで、だったらあえて近未来が舞台なのは仕方いなのかな、と。
むしろ、あえて現代日本ではなく、全く別の国の話で、でも登場人物は日本語を話しつつ英字新聞を読むような変な国でも、それはもうそれでそういうものでいいんじゃないか、と私は割切りました。

その他、良かった点としては、
・アクションシーンが割と格好いい。
・水嶋ヒロさんはそれなりにセバスチャンに見える。
・原作の風味はそこそこ入っていて、原作ファンの神経逆撫でするような極端な改変はシエル(汐璃)くらい。
など。
さすがに悪いところばかりでなかった、というのは救いでした。

しかしながら、やはり地雷はそこかしこに埋まってました。
とりあえず、思いつく限り書いていきます。

①剛力彩芽さんの男装の麗人にはやはり無理があった
いっそのこと、ジャニーズJr.の誰かでよかったじゃない、と思えるくらい、男装していることの意味が皆無でした。
いろんな漫画なり小説なりが実写化するとき、どうしてもヒロイン役が必要で性別が変えられてしまうことはよくあることですが、それにしてもこれはない、というのを映画を観て改めて思い知らされました。
どこからどう見ても、男装しているように見えることはなく、普通に女の子でしょう、状態。
劇中で周りもわかっていて黙ってるんじゃないの?、と思うくらいでした。
だったらもう普通に女の子として出ればいいし、ここまで原作改変してるならそれで行った方がまだ観られた気がします。

まとめると、
ジャニーズJr.の誰かがシエルとして出る→まだまし
剛力彩芽さんが男装せずに普通に女の子として出る→まだいけたはず
剛力彩芽さんが男装→ありえない
という感じです。

②リンが酷過ぎる
リンは原作でのメイリンに該当するメガネのメイドなのですが、原作通り戦えるメイドさんでした。
アクションシーンは悪くなかったですが、とにかくセリフ回しが下手すぎなのと、口調は原作と同じでいいじゃない?、と思うのに、その辺り改変されていたのは残念でした。
アクションシーンを見ていて、メイリンというよりむしろ「ブラックラグーン」のロベルタのイメージと被りました。
原作のメイリンはスナイパーみたいなものなので、近接戦闘兵ではないから仕方ないと言えば仕方ないですが……

③犯人が露骨にわかりやすい
旦那は登場時点で犯人が分かったと言っていました。
私は、叔母さんか葬儀屋どちらかだと思っていたら、葬儀屋が1シーンしか登場しないというおまけ状態で、自ずと消去法で確定、という感じでした。
発作の薬とかもう……ちょっと露骨すぎました。

④敵が頭悪い
汐璃とリンが敵に捕まった時、2人は麻袋被せられて敵の背後に放置されていたのですが、それっていくらなんでも杜撰すぎないか?、と。縛ってるのはガムテープのみとか。
あえて汐璃に見せる必要があったような演出ではあるのですが、それにしてもなぁ……という感じで。

⑤警察がいらない
警察に相当する保安省というものがあるのですが、これがなくても普通に話が成立していたので、あえて入れる必要なんてなかったんじゃないかな、と。

⑥続編前提で作っている
⑤に関する部分で、警察が必要な部分はもう続編への前振りしかなかったように感じました。
警察のトップがなぜか岸谷五朗さん、というそこそこ有名な俳優さんという辺りも関係しているのかなぁ、とも。
汐璃の両親を殺した真犯人はシルエットのみだったり、警察のトップがその真犯人と繋がっているような伏線を出して終わっていましたし。
続編出るかどうかは興行成績にかかっていると思うのですが、やるなら汐璃の男装もうやめようよ、と本気で思います。

⑦根本的に脚本があまりよくない
原作を読み込んでいないとは思わなかったですし、そこかしこに原作風味が入っていたので、映画版「AIR」みたいに、いくらなんでもそれはない、とは思わなかったです。
確かに原作でも叔母さん犯人の話はありますし、セバスチャンは猫好きですし、田中さんの昼行燈っぷりとか雰囲気は全編通して悪くはないです。
脚本もそこまで悪くはない、でも原作のかなり無理矢理なんだけど妙に納得できてしまうところとか、それなりに意外性のある展開とか、そういうのはなくて、普通のラノベみたいな、そんな感じでした。
この映画を観て、原作の話ってこんなもの?、キャラだけの話なんじゃないの?、と原作を知らない人に思われるのは、原作ファンとしてはかなり心外で、旦那にもその辺りは全力で否定しておきました。


そんな感じで、悪いところの方が目立つ実写化作品となってしまっていました。
観る前からわかっていたとはいえ、やっぱりか……という落胆は少なからずありました。
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