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ダブルブリッド・完結 [小説]

雑誌の感想がちょっと間に合わなかったので、ストックしていたものの中から小説の感想を。
明日は多分ゼロサムの感想が更新できるはず。


ライトノベルはそこまで数を読んでいる方ではないですが、長編になると徐々に刊行ペースが遅くなって、あわやフェードアウトしそうになる、もしくは未完のままフェードアウトしてしまう作品が多いように思います。
たまたま私が買っているものがそうなのかもしれませんが、ダブルブリッドもあわやフェードアウトしそうになった作品でした。

最終巻とその前の巻の間が4年半ということもあって、忘れかけている設定がいくつかありました。
浦木と飯田の区別がつかなかった、片倉晃って誰だっけ?、Ωサーキットってなんだっけ?、という感じで。
最初から読み返せばいい話ではあるのですが、9巻分読み返すのも辛いのでそのまま最終巻を読みました。

とりあえず、ネタバレのない感想から。
9巻発売時点で、次巻で完結する、と言われていたものの、無理矢理終わらせた感じが強かったな、というのが読み終わってからの第一印象でした。
中ボスと思っていた人がラスボス扱いで、ラスボスはいきなりいなくなってしまう展開で、一応いろいろ決着を付けて終わっていたけど、拍子抜けだった感じが否めませんでした。

長期連載作品でままあることなのですが、全10巻の場合だと序盤の3巻くらいまでは結構面白くて、そこから中だるみな展開の遅い話が始まって、最後は尻すぼみで終了……という典型だったような気がします。
漫画化された頃が思えば一番面白かった時期かもしれません。

では、ここからネタバレありの感想です。
ちょっと黒いことが書いてあるので、気にする方はスルーでお願いします。


ダブルブリッドで好きだったのは、4巻くらいまででしょうか。
山崎が第六課に派遣されて、それが終わるくらいまで。
読みながらある程度展開を予想するものの、ちょいちょいそれがいい意味で裏切られることが多くて、楽しく読めていました。

おかしくなってきたのは、安藤と虎司の話が始まった辺りでしょうか。
7~8巻とか丸々2冊くらいの勢いでこの2人の話が描かれていましたが、虎司が安藤を食べようかどうしようかひたすら悩んで、最後は安藤が老衰で死ぬ時に食べればいいや、という結論に至って、2巻分かけてなんだその結論は、と思わずにはいられませんでした。

優樹の記憶がだんだん曖昧になっていく過程もやたらと長く感じましたし、山崎が鬼斬りに支配されていく過程を含めて、ページ数稼ぎのように思えるモノローグが多すぎだろう、と思うことが多かったです。

ラスボスだと思っていた優樹の父であり総理大臣である”主”は、最終巻でいきなり「もうすぐ死にます」みたいなことになっていて、スペアとして考えていた優樹の体もいらないよー、死んでも復活するからもう政治のこととかどうでもいいやー、キマイラの研究をΩサーキットでしていたけどもうそれもやらなくていいよー、と肩すかし展開の連続。
もっとまともにやったら10巻で完結できなかったとは思うのですが……それでもこの展開はどうだろう、と納得できなかったです。

完結してくれただけいいと思えばいいのかもしれませんが……
最終巻の後で発売された短編集も過去の話が半分、その後の展開も直近の未来の話だけで後日談というわけでもなかったので、いまひとつな印象でした。
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履歴書の書き方

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 履歴書の書き方 (2013-05-17 15:54) 

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