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デスエンドリクエスト2・クリア [ゲーム]

前作のストーリーがそれなりに面白かったこと、ちょうど前作プレイ中にDL版が半額セール中だったことが重なり、プレイしてみることにしました。

この作品は2ということで続編扱いなわけですが、そもそもゲームの続編というものには、

1.前作とストーリーが完全に独立していていきなりプレイしても問題ない。(テイルズシリーズなど)
2.前作を知らなくても話の9割は理解できるが、知っていた方が楽しめる。(ニーアオートマタなど)
3.前作を知らないと話の半分もわからない。前作プレイ必須。(大逆転裁判など)

という大まかに分けて3パターンあります。
プレイするまでこのソフトは2のパターンだと思っていたのですが、ふたを開けてみたら3のパターンでした。特に2周目。
ここまでガッツリ絡んでくるとは思っていませんでした。

これはシステムにも言えることで、戦闘は基本的に前作の流用でした。
前作の不満点だったSP使用量、属性以外の敵の弱点がわからない、に関しては調整されていたのですが、フィールドバグに関しては特にストーリー上何の説明もなく、こういうものがあるから利用してね、というチュートリアルのみしか説明がなかったことには結構ビックリしました。他にも、ショップの店員が全員同一人物である理由など、前作でストーリー上の設定としてキッチリ説明されていたことが今作は「前作で説明してるから別に今作独自の説明はしなくてもいいよね」という感じで何の説明もなく当たり前に存在していたのはどうなのかなぁ、と感じました。
前作は「バグで浸食されたオンラインゲームの世界」というのを上手く利用していたのに、今作は前作でそうだったんだから今作も同じ感覚でやってくれればいいよ、というだけで、どうしてこういう戦闘システムなのかの説明が一切なく、残念でした。
オンラインゲームと現実世界を行き来するという設定ではなくなったせいで、ハッキングによるサポートがなくなったりもしていて、2なのにむしろ退化しているのでは?、と感じる部分が多かったです。

仲間になるキャラは全部で9人いるのですが、新キャラは3人だけで他の6人は前作からの流用なのもどうかな、と思いました。前作の仲間キャラは今作のストーリーにも若干絡んでくるのですが、戦闘で使うのはアバターキャラという設定で、メインの3人がストーリー上離脱することが何度かあるので、その穴埋めとしてとりあえず入れておきました、みたいな感じで残念でした。
戦闘も基本的には新キャラ3人で戦っていくことになるので、前作キャラを使うメリットはなかったです。
前作キャラ加入時のレベルが低めに設定されているので、使ってみたところで弱いというのもありました。

ストーリーに関しても、前作はダンジョンで進めなくなったら現実世界に切り替えてバグを消して……みたいな並行世界同士での連携みたいなものがあったのですが、今作は夜になると街に化け物が出現するという設定になっていて、昼は寮生たちとの会話イベント、夜は街に出てダンジョン探索、という完全時間経過で話が進むようになっていて、これシステム的に劣化してないか?、と思ってしまいました。
夜に街に出る理由も寮生の誰かがいなくなったから捜しに行く、というワンパターンばかりで残念でした。夜間外出させるための理由を無理矢理ひねり出しているみたいな流れで、前作のような自然な流れはどうした?、となってしまいました。

他にも、探索中に見つけたパスコードを入力すると謎のPCの機能がいろいろ解放されるという設定があるのに、解放したけど何も新しいことはわからない、という流ればかりで、何なんだよこれ……と思うこともしばしば。
前作では、現実世界で見つけた制御構文を適用するとオンラインゲームのバグが消えて進めるようになる、という素晴らしい設定があったのに。

前作はやたらに広いマップが多かったのですが、今作はかなり狭いマップばかりで、極端から極端に走り過ぎじゃないかな、と感じました。
女子寮を拠点として東西南北に広がるマップをストーリーに沿って巡っていくのですが、必ずマップの途中でイベントが発生して1回寮に強制的に帰らされて、翌日もう1回最初からダンジョンに入らないといけない、という流れがあって、同じ道を何度も行き来しないといけないのは結構苦痛でした。

バッドエンドを回収する楽しみもあったのですが、バッドエンド以外のエピソードを回収してもお金しかもらえないとか(前作はアイテムがいろいろあった)、そもそもバッドエンドの数が少ないとか、続編なのにほぼ全てが前作を下回る出来具合ってどうなのよ、と頭を抱えるような展開ばかりでした。

ここからはネタバレありの感想ですが、メインストーリーも結構ツッコミどころが多かったです。

ストーリー上1番わからなかったのは、寮母ミドラの立ち回り方。
根本にあるのは、事故で瀕死状態になった娘・ロットの命をつなぐために寮生たちの命を悪魔に捧げ続けた、ということなのですが、序盤から中盤にかけてメイドを調教していたり、寮生にちょっかいをかけて仲違いさせたり、血のお風呂に浸かってエリザベート・バートリーみたいになっていたり、などなど、行動に一貫性がないように見えました。
ミドラがロットをちゃんと娘として愛していた、という描写はエンディングで描かれたのみで、そこに至る過程では特にロットを大切にしている風でもなく、取って付けたように感じてしまいました。

あとは、シナリオライターの性癖なのか、全編通して何度となく失禁シーンが出てきたり、百合百合しかったり、私とは合わないなぁ、という展開が結構ありました。前作では全くそんなことなかったのに。
百合に関しては、ヴィクトリエとチツバの関係は特に問題ないと思うのです。
チツバはヴィクトリエと恋人の関係を望んでいるけど、ヴィクトリエは同性とお付き合いをすること、恋人同士になるとはどういうことなのかがよくわかっていなくて、嫉妬などなどいろいろすれ違った結果、チツバがヴィクトリエを殺してしまう、という流れは確かにあり得るな、と思えました。
でも、ロットが序盤からまいに対して友人以上のことを望んでいたり、ミドラがいろんな寮生をつまみ食いしているような描写があったり、その設定必要なのかな?、と思うところが多々ありました。
女子寮という設定なので、そういうことが起こっても不思議はないということなのかもしれませんが、ヴィクトリエとチツバだけでいいのではないかな、と思っていました。

主人公のまいにしてみても、妹のさなえを探すためにあえてこの女子寮を選んできた、という設定なのに、終盤はこの寮は何かおかしいからとりあえず逃げよう、みたいな流れになって、さなえのことはどうでもいいのかよ、となりました。
さなえに関する情報も作中では全く出て来ないのに、ラスボス戦手前で、実はラスボスに捕らえられていました、と唐突に出てきたりして、週刊連載の漫画でもないのにどうしてここまでシナリオが行き当たりばったりなんだよ、と思ったりも。

ラスボスのジルエッタにはそれなりの意外性もありましたが、666人分の魂を捧げるためにミドラが22人の寮生を殺害した事件を30年間ループさせていた、という部分には腑に落ちないところがありました。
寮生は確かに数えると22人出てくるのですが、それは主人公のまい、ミドラが殺していないだろう娘のロット、途中から寮に入って来るリリアナ・セーラ・アンを含めての人数なのです。まい・リリアナ・セーラ・アンには現代の知識があって、元からいる寮生たちは30年前の知識で止まっているという設定なのに、全員入れて惨殺されたのをループしているとなると矛盾してくるよね、となって。
元からの寮生+ループ外から毎年人を入れて合計22人にしているということなのかどうなのか……

2周目から追加されるストーリーはもっとわからないことだらけでした。
本編自体、前作のリディアENDから続く話のようで、おそらくリディアENDで前作主人公の新が受け取った古文書に挟まれていたという紙に今作の舞台となるリズ=ショアラのことが書いてあって、新はそこに向かうことにしたのだろう、と思います。それで、結局行方不明になってエニグマ社の親しい社員たちも片っ端から巻き込むことになってしまった、と。
でも、裏でエニグマ社の社員たちが今回の事件にいろいろ絡んでいたというのはわかるものの、現地に入った新・しいな・凛は殺されてしまう上に、棟方の立ち位置がよくわからないままで、エニグマ社のメンバーをあえて今作のストーリーに絡める必要あったのかな、と思わずにはいられなかったです。

リディアの家族のこととか世界を修正する仕事のこととかがより詳細に語られていたり、その中で今作のラスボスであるジルエッタがリディアの姉だというのがわかったのはまずまずよかったのですが、EXエンドの最後でジルエッタがリディアと共に殺されているのに、元々上位世界の住人のジルエッタが下位世界で悪魔召喚から世界を破壊しようとするラスボスになっていたのは結局どういうことだったのだろうな、と理解できませんでした。

EXエンドでリディアとジルエッタを殺したのは棟方だったわけですが、その辺りもよくわからなかったです。棟方も上位世界の人間だとすると、必然的に凜も上位世界の人間となるわけですが、下位世界の人にあっさり殺されてしまうという流れはどうなんだろうなぁ、と。

でもまぁ、それもこれも、最後にデグレードを発生させて皆生きている頃に戻りました、という終わり方にしたことが原因だったとは思います。どうせ元に戻るんだから殺しても大丈夫理論みたいなものがそこかしこから感じられる展開でした。
ついでに、デグレードでハッピーエンドっていう話の畳み方が前作とほぼ同じというのはどうなんだろう、とも思いました。
前作のしいなエンドはその先の未来を見せてくれていたのに、これじゃあ前作の劣化版でしかないじゃない、と。

前作は話に合理性が見えていたのですが、今作はいろんなところで詰めが甘いと感じました。
いろいろ雑にまとめた上で結末をぶん投げているので、今更だけどプレイしなくてもよかったな、と思ってしまいました。
前作のしいなエンドで終わったと思っておきます。
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