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レイジングループ・クリア [ゲーム]

何となく「今までプレイした中で面白かったゲーム」のまとめサイトを見ていたとき、このゲームがここ数年プレイしたアドベンチャーゲームの中で1番面白かった、という書き込みを見つけて、そこまで言うならハズレということはないだろう、と思ってプレイしてみることにしました。

5年前のソフトということでもう店売りはないだろうと思って、とりあえずアマゾンで検索すると全てのプラットフォームで品切れ、もしくはプレミア価格での販売のみでした。中古ショップも一通り見て見ましたが、品切れでした。
この状態を見たとき、これは名作ソフトなのだろう、という予感がしました。
販売数がそもそも少ないのに加えて、持っている人が手放さないゲームがクソゲーというのはまずないので。
ということで、PS4でダウンロード版を購入しました。

そうしてプレイしてみたところ……名作でした。
話の骨格がしっかりとした、穴のないシナリオが素晴らしかったです。
全編通して矛盾なく、全てにおいて謎解きも完璧。
ここまでのシナリオのゲームはここしばらく見たことなかったな、と感じました。
これならば、ここ数年でプレイしたゲームの中で1番だと言いたくなる気持ちもわかりました。
人狼ゲームと小さな集落に伝わる伝承を非常に上手く組み合わせていて、ファンタジー要素もあるにはあるけど都合よく使われていないので、全ての展開に納得がいきました。
キャラも全員個性強めで、人狼ゲーム参加者だけで16人いるものの、かなり早くキャラを把握することが出来ました。

システムとしては、「Fate/stay night」とよく似ていて、ルートは大きく3つに分岐するけれど、基本的には1本道。バッドエンドの後にヒントコーナーがある、という。
シナリオの雰囲気は「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」に近くて、人の起こす事件と超常現象が混ざっている感じ。
ただ、本編クリア後「暴露モード」というものがあり、本編で各キャラが心の中で何を思っていたのか、あのとき濁した言葉は何だったのか、どうしてそういう結末に到達したのか、というのが全てわかる仕様になっていて、これによってシナリオの穴が全て埋められる感じになっていました。
真相がわかると矛盾しそうなシチュエーションに関しても、暴露モードを見ると納得できる仕上がりでした。
本編クリアで話の全容が8割くらいわかって、暴露モードで残り2割がわかる感じでしょうか。
文章量もかなりあって、プレイ時間は多分30時間くらいだったのでは、と。
暴露モード中はセリフの枠色が変わるので、本編と区別しやすいなどの配慮もありました。

そんな中でべた褒めしたい作品ではあるのですが、唯一の欠点があるとするならグラフィックと声。
キャラデザが完全に1980年代くらいの結構古臭い感じで、話の雰囲気とは合っているけどもうちょっと現代風にしてほしかったなぁ、という。
小説版はかなり現代風に寄せていていい感じなのですが、絵で大分損をしている感じがしてしまいました。
声に関しても、オーディションはしているものの、声優専門学校の生徒の中からということで、下手ではないけどどうしても他のゲームやアニメに比べると劣ってしまっている部分がありました。その代わり、全員ほぼ無名ということで、キャスティングから黒幕がわかってしまうということがなかったのはよかったです。

では、ここからネタバレありの感想です。

シナリオでまず最初にすごいな、と感じたのが、主人公がループを自覚するのがかなり早かったこと。
問答無用で到達する最初のバッドエンド直後に死亡エンドを回避する選択ができるようになると、その時点でループを自覚している、という。
ループものの作品はそれなりに見てきましたが、主人公がループに気付くのって少なくとも中盤以降という場合が多いので、ゲーム開始してものの30分くらいでループ自覚するのってかなり早いな、と。

次に、完全に超常現象で人狼ゲームが行われていると思わせておいて、実はすべて人の仕業だったところ。
最初のバッドエンドで狼面人身の人狼らしき怪物がいると見せられたこと、村全体が霧に覆われてしまうこと、設定されたルールに違反すると「けがれ」が発生しておおよそ人の仕業と思えないレベルで死体損壊されること、などなどがあって、プレイヤーは人外の力で人狼ゲームが行われているのだろうなぁ、と刷り込まれます。
最終ルートに入って全て人の力で人狼ゲームが行われている、というのが判明するまでちょいちょい超常現象なんだろうと思わせる展開は入ってきますし、何よりループしている世界観からして超常現象なのだから疑いようがないよね、と思考誘導されていたのだと気付いたときは、深く感心しました。

ただ、超常現象である部分もそれなりにあって、それが許容できる人ならこのゲームは名作だと思うでしょうし、許せないなら駄作に感じるかもしれません。
私としては、人の仕業であった部分と超常現象がキッチリ切り分けされていましたし(例えば、超常現象で殺人をしていないとか)、最後にラスボスを取り押さえるときに超常現象が起きていたことに関しても、そもそもラスボスが超常現象使ってきているのだから、それはそれでいいのではないかな、と納得できました。
その他、めー子の力とか異能者がやたらと集まっていたこととかの偶然性についても、エクストラシナリオでちゃんと説明されていたので、特に問題はなかったかなぁ、と。

超常現象の謎解きに関しては、サクッとわかるような簡単なものではなく、西尾維新さんとか上遠野浩平さんがよく使うような異能というか、結構概念的なところから難しいものだったので、この辺り理解するのがちょっと大変でした。

その他、話の中で1番唸らされたのは、主人公が話すときに「ええと」と言っている部分が嘘だということ。
他愛のないものから、実は名前も偽名だったとわかったときは本気でゾッとしました。
ちゃんと伏線が張ってあったとわかったとき、更に唸らされました。

また、地味にギャグパートも結構好きでした。
エクストラシナリオのギャグ風の短編も好きでしたが、本編でも多恵ばあさんの「手籠めにされるぅ」とか結構笑いました。

プレイしてみて本当によかったです。
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