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いけにえと雪のセツナ・クリア [ゲーム]

「クロノトリガー」の戦闘システムを踏襲し、往年のRPGの感覚でプレイできるという触れ込みで、それなりに気になっていたソフトだったというのもあり、プレイしてみることにしました。
中古ショップでの価格は880円(税抜)。
この価格帯は作り過ぎたかクソゲーかどちらかの場合が多いので、ちょっとためらいもありましたが、まぁクソゲーだったとしてもこの価格なら納得できるだろう、ということで買いました。

クリアまでの所要時間は体感20時間弱でした。(プレイ時間の表示がない)
周回要素もなく、やり込み要素はあるものの極めたいと思えるほどの魅力もなく、これはプレイした人が早々に手放すことが多くて回転が速いから価格が下がったソフトだったのだな、と感じました。

やり込みを極めたいと思えなかったのは、とにかくシステムが不親切だと感じる場面が多かったからでした。
1番きつかったのは、ダンジョンからすぐ外に出られる方法がないこと。呪文とかアイテムとかはFFのものを使っているのに、テレポがない。
終盤になるまで開けられない宝箱が各町に1つずつ、各ダンジョンに1つか2つあるのですが、それを回収するときに一からダンジョンに入って宝箱のところまで行って、また出口まで帰らないといけない、というのは結構面倒でした。

他にもシステム面では結構な不満点がありました。
箇条書きにするとこんな感じ。

・「逃げる」コマンドがなく、敵から逃げるにはアイテムを使わないといけない。
間違って強敵との戦闘に入ったとき、アイテムがないと全滅→セーブポイントからやり直し。

・ダッシュ機能がない。
ダンジョンや街の中はそこまでではないものの、フィールド上での動きがもっさり過ぎる。

・フィールド上とセーブポイントでしかセーブできない。
ラスダンや1つ前のダンジョンは1時間半くらいノーセーブで冷や冷やした。

・ザコ敵が無駄に強い。
HPは低いので先制出来れば1ターンキルできるが、先制出来なかったときは全滅の危機がある。1回の攻撃でこちらの最大HPの半分くらい削ってくるし、ラスダンで死ぬ瞬間にメテオを撃ってくる敵がノーセーブ状態1時間半経過くらいに出てきたとき、危うく全滅しかけた。

・料理システムが不親切。
必要な材料を全て持った状態でレシピを知っている人に話しかけないといけない。どの材料が不足しているのかは知る方法がなく、誰がレシピを知っているのかは総当たりで話しかけないといけない。

・ダンジョンがほぼほぼ1本道。
迷わないが、単調すぎる。仕掛けも簡単すぎる。

・ストーリーが王道すぎる。
最終盤でようやくちょっと捻りが入る。

・ワールドマップがなく、各街やダンジョンの場所がわかりにくい。
スキップトラベルもないので、行きたい場所に行くまで無駄に時間がかかる。

・なぜか宿屋がない。
回復するにはテント・コテージを使う。レベルアップで全回復するのが救い。

・魔法の種類が少ない。
技の種類は多い。序盤に覚えた技が終盤まで使えるが、消費МPが全体的に高め。最大МP50くらいなのにケアルが消費МP10だったりする。終盤でようやく消費МPと技の価値が釣り合う。

一長一短あるな、と思ったのがプレイ時間が短いこと。
キャラボイスは戦闘中のみ存在していて、通常のセリフにはボイスがないので、とにかく話はサクサク進んでいきます。ちゃんと各キャラの掘り下げはあるので、ストーリー的に薄いというのはないのですが、世界各地を一通り巡ったら次はもうラスダンです、というシンプルさは、大ボリュームRPGに慣れているとあっさり過ぎて物足りなく感じました。
いろんな街を行ったり来たりしてイベントを進める、というのがラスボス直前の個別キャライベントくらいしかなく、これはお遣いイベントがないことを喜ぶべきなのかどうなのか……微妙なところでした。

音楽は全てピアノ曲で、こちらも悪くはないけどちょっと物足りない感じがしてしまいました。
制作者のこだわりを感じる部分でもあるわけですが……

ただ1つ、全編通して雪に覆われた世界を描き切っていたのは素晴らしいと感じました。
雪国設定はここ最近どのRPGにもよくよく出てくるものですが、あくまで世界の中の1つの国である場合がほとんどです。でも、このゲームは全世界が雪に覆われています。飛空艇を手に入れても世界を1周することは出来ないので(四方に壁がある)、おそらく惑星上の1つの地域の話であって全世界の話ではないことは暗に示されていますが、ゲーム上移動できる場所は全て雪に覆われている、という徹底ぶりには感心しました。

では、ここからネタバレありの感想です。

おおまかなストーリーは、生贄に選ばれた少女とその護衛隊の物語。
旅を共にするヒロイン・セツナが最終的に死ぬとわかっていて旅をしている、というタイプの話です。
この設定がゲーム中盤で判明するタイプの話はいくつか見たことがあるのですが、このゲームは最序盤からそれが判明していました。旅の仲間全員が、ヒロインが最終的に死ぬとわかっていて同行しているし、死んだらダメだよ、死なないで済む方法を探そうよ、みたいなことを言わない。
これがラスボス直前まで徹底されていて、この辺りのブレない感じは結構好きでした。

ただ、プレイヤーとしてはどうせ最終的に死なない方法が出てくるのだろうな、と思っていて、ラスボス直前で割とその通りな展開になって、まぁそんなもんだよねー、くらいの感じでラスボス戦に挑みました。

しかしながら、ラスボス戦後、最終的にセツナが死ぬ展開が待っていました。
1000年のループの話とか、今回の旅は今までのループと違うとか、その辺りちょっと取って付けたようでどうかなと思っていたのですが、セツナがループの起点になった青年の魂を取り込んでそのまま主人公に殺される、となったとき、あぁこれはループ設定必要だったな、と感じました。
この終わり方はすごくよかったです。

システム周りさえもっとキッチリしていたら、もっと評価できる作品だと思えるだけに、そこだけが残念でした。
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