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コミックスレビュー追加 [漫画全般]

「あかね噺」
末永祐樹・馬上鷹将・集英社(ジャンプ)
★ ★ ★ ★
落語家として真打に昇進できなかった父の無念を背負い、17歳の少女が落語家になって真打を目指す話。
様々な古典落語の解説を作中で丁寧にやってくれているので、落語のことをあまり知らなくても話に入れる。
現代に合わせた改作落語やそれぞれの噺家の個性もあって、テンポよく読めるし話に引き込まれる。
少女の落語家としての成長物語として見ても楽しい。

「オウルナイト」
高津カリノ・ガンガン(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
札幌のすすきのにあるニュークラブ(キャバクラ)で女装して働くことになった青年と、その店にいる個性の強い従業員や客たちの話。
舞台がファミレスからクラブに移って登場人物の平均年齢が上がった「WORKING」(ワ行参照)という感じ。キャラ被りしているようなキャラはいないので、作者の作風が好きなら楽しめる。

「神作家紫式部のありえない日々」
D・キッサン・ゼロサム(一迅社)
★ ★ ★ ★
夫に先立たれて同人誌を書くことで寂しさを紛らわせていた女性に、断れない宮仕えの話が来る。中宮の教育係となった女性は藤式部という名前を与えられ、公認同人活動を許されて源氏物語の続きを書くことになる。
舞台は平安時代だが、セリフには結構な横文字が使われているので、その辺りのノリが合わないときついかもしれない。極端に現代語訳されていると思った方がいい。
背景や当時の生活様式などは結構しっかり描かれている。

「57人の遺産相続人」
夢路行・全1巻・エレガンスイブ(秋田書店)
★ ★ ★
とある大金持ちの老人が生前関係のあった人たち57人にそれぞれ別の遺産を残した。その遺産を渡すように頼まれたスナックを経営する3人の女性と遺産相続人たちの物語。
渡される遺産はそれぞれ謎めいていて、なぜその遺産が選ばれたのか?、というのを解明していく話がオムニバス形式で語られていく。
オチにちょっとした捻りがあったりもして、各話割と面白く読める。

「タコピーの原罪」
タイザン5・全2巻・ジャンプ+(集英社)
★ ★ ★ ★
宇宙にハッピーを広めるため地球にやって来た宇宙人・タコピー。自分にパンをくれた少女を幸せにするため、タコピーは様々な便利道具を少女に与えようとするが、少女はそれを受け取らなかった。
タコピーは善意だけで動いているものの、善意だけではどうにもならない現実であったり人間関係で最悪の結果を招くなど、読んでいるといろいろ考えさせられる作品。
次第に壊れていく主人公、イジメをしないと自我を保てないいじめっ子など、心を抉ってくる。
最後は少々都合のいい終わり方に見えてしまったことだけが残念。

「ひぐらしのなく頃に 令 星渡し編」
刻夜セイゴ・ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
「ひぐらしのなく頃に」本編から約35年後、令和元年の雛見沢村で再びオヤシロサマの祟りが起こる。
梨花を除く本編の主人公4人にそれぞれ子供が出来ていて、その子供たちが惨劇の謎に挑む。
舞台が令和になっても、雛見沢村が世界遺産を目指して観光地化されているなど、それなりに村が存続していると思わせてくれているところは素直に上手いと思う。
これから起こる惨劇に向けて不穏な空気が上手く出ている。

「ひぐらしのなく頃に 令 鬼熾し編」
夏海ケイ・ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★ ★
こちらも令和の「ひぐらしのなく頃に」。
キャラ紹介がメインの序盤はほぼ「星渡し編」と展開が同じになっているが、画力が高いのはこちらの作品なので、引き込む力は強い。
1巻の中盤くらいで展開が分かれてくる。
読者を驚かせようとする構成が上手い。

「黄泉のツガイ」
荒川弘・ガンガン(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★ ★
山奥の村で暮らしていた少年は、ある日村が襲撃され、自身が文明社会と切り離され、隠されて育てられていたことに気付く。2人のツガイと呼ばれる神と共に山を下りた少年に、様々な事件が降りかかる。
序盤は和風ファンタジーに見えるが、実際は現代文明を知らない少年を読者として温かく見守りつつ、バトルを楽しむ感じ。少しずつ明かされていく少年の価値など、話の引きは強い。
細かいネタでも楽しめる。

「竜の花嫁お断り」
イロノ・Gファンタジー(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
竜の血を引いているためそこまで強くはないものの特殊な力を持つ少女が、幼馴染の青年を助けるため封印されていた竜を解き放ってしまう。竜は青年の体に取り憑き、少女に全ての封印を解くよう要求してくる。
一見すると和風ファンタジーだが、実際は西洋の妖怪的なものも割と出てくる。
話としては割と王道な感じで、やや個性に乏しい。

「恋愛自壊人形恋するサーティン」
鍵空とみやき・ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
★ ★ ★
人のために作られ、自立思考する人形は恋をすることを禁じられていた。
しかし、人形が最終調整のために通う学校で人形たちは全員誰かに恋をしていた。
序盤はややギャグテイストで進むが、途中から少しずつ不穏な空気になっていく。「ハッピーシュガーライフ」(ハ行参照)と似た作品を求めている人にも合うと思う。
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