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CHAOS;HEAD DUAL・クリア [ゲーム]

タイトルだけは知っているけどプレイしたことはなく、スイッチ版が出たのでそれをプレイしようと思っていたら夫がPSVita版を持っていたので、だったらあるものをプレイすればいいじゃない、ということでVitaを数年ぶりに引っ張り出してプレイしました。

デュアルということで「CHAOS;HEAD NOAH」とファンディスクの「CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!」がセットになったソフトというお得パック。
プレイ時間は本編が30時間くらい、ファンディスクが15時間くらいで、アドベンチャーゲームとしてはちょっと短いけどファンディスクを足せばまずまずのボリュームでした。

オリジナル版は2009年発売ということで、当時の携帯やネット事情を反映した話になっているものの、現在でも特に違和感なくプレイできました。

システムとして、通常の選択肢はほとんどなく、妄想トリガーというポジティブな妄想をするか、ネガティブな妄想をするか、妄想しないか、という3択でストーリーが分岐していく形になっていました。
ただし、1周目はどういう選択をしようと絶対にAエンドにしか到達できず、個別キャラとの分岐も2周目に攻略キャラと初対面の時に個別ルートに入るかどうかの選択が出るので、かなり序盤で全てが決まってしまう仕様というのもあり、その辺りの自由度は低いかな、と感じました。
個別ルートに入らず、なおかつ作中にある「その目誰の目フラグ」を一定数立てるとBエンドに到達し、全てのエンディングを見た後で真エンドが出てくる流れだったのですが、各ルートの差分がかなり少ないので、2周目以降は大半のストーリーをスキップすることになりました。
各キャラの差分のみだと2時間かからずクリアできてしまうくらいで、その辺りもっと差分があればなぁ、と感じました。

グラフィックは全体的にふた昔前くらいの古めな感じで、ちょっとデッサンおかしくないですか?、みたいなイラストや同じキャラなのに顔の角度の違う立ち絵だと別人に見えるとか、絵があまりよくないかな、と感じました。
また、句読点を文頭に持ってきてはいけないなどの禁則処理が不十分で、オリジナル版ならいざ知らず移植版ならその辺りも直しておこうよ、とは思いました。

ストーリーに関しては、1周目の吸引力がものすごくよかったです。
渋谷を舞台にした連続猟奇殺人事件、主人公の周辺で起こる不可解な出来事、とにかく先が気になるストーリーでグイグイ引き込まれました。
ただ、2周目以降となるとストーリー差分が少なく、1周目で分からなかったことを小出しに謎解きしていくような形だったので、ちょっと飽きが入ってしまいました。
Bエンドだと犯人視点の話が入るので、その辺りは読み応えがあったのですが……

「らぶChu☆Chu!」に関しては、本編の真エンド直後の話となっていて、本編のネタバレ満載でした。
パッケージに、どちらでも好きな方からプレイしてね、くらいの感じで書いてあるのはちっょとどうかと思いました。まぁ、本編をプレイする前にファンディスクをプレイする人はいないと思いますが……

こちらも1周目はなかなかに引き込まれる内容だったものの、全員が全員個別ルートに入ってからの展開がほぼ同じで、設定上そうするしかないのだろうけど、同じ展開全員分は結構きつかったです。

また、全体を通してセリフに「……」が多用されていて、声優さんたちも間をたっぷり取って演技しているので、演技は上手いけどセリフを言い終わるのを待っていられないというか、待つのがもどかしいことが多かったです。
もう少しテンポよく進んでほしいな、とは感じました。


では、ここからネタバレありの感想です。

ストーリーは妄想が現実になる、ということを主軸としていて、なぜ妄想が現実になるのか、という部分は結構理論的に説明されていて、これはこれで実際にあり得そうだな、と思わせてくれていたのが素晴らしかったです。
思考盗撮や、妄想を他の人に見せることができる設定など、一歩引いてみると結構電波な内容なのですが、ゲームプレイ中はそれが信じられるくらいの説得力はありました。
ただ、真エンドを見ても全体の9割くらいの話しか解決していなくて、含みを残すだけ残して詳しくわからなかった百瀬とか300人委員会とか、その辺りは続編の「CHAOS;CHILD」をプレイしたらわかるのかなぁ、と。
若干消化不良なところはありました。

猟奇殺人事件・ニュージェネレーションの狂気の犯人については、気付きませんでした。
むしろ、諏訪が判に対して、独自に調べていて犯人がわかりそうだけどまだ話せない、と言ったときは諏訪に死亡フラグが立ったと思ったくらいでした。
判にしても、真エンドだったら生存ルートがあるんじゃないかと思っていたくらいでしたが、どうあがいても死ぬルートしかなくて、報われないなぁ、と感じました。判と割と強く関わっていた諏訪とか百瀬とかの方がむしろ真相に近い人物で、判だけ踊らされていたような感じもありましたし。

6人のヒロインたちは全員個性強めで、キャラがキッチリ立っていました。
主人公を追い詰める時の優愛などは特にいいキャラだなぁ、と。
反面、主人公はかなりのクズキャラで好きになれませんでした。
典型的なオタクでフィギュアが大好き、ネトゲで廃人プレイをしていてレベルMaxになっていて俺TUEEEEでいい気になっているものの、リアルの世界ではドモリ気味で言いたいこともなかなか言えない。他力本願で心の中では悪態をつくのに現実世界ではペコペコして誰かに助けを求めている、という。
典型的なオタクの描写としては正しいと思いますし、最後の最後で勇気を出したりとか見せ場はあるのですが、そこに至るまでの過程が悪すぎて全く好きになれず……というか、むしろ大嫌いなキャラでした。
で、そんな主人公になんでヒロインたちは惚れていくのかなぁ、と思ったりもして、共感度は低かったです。

また、ヒロイン個別ルートのどれもがバッドエンド風味で、ラスボスは倒したけど主人公は何もしてないじゃんとか、妄想の世界に逃避して終わるとか、個別ルートになるとむしろ結果が悪くなるとかどういうこと?、というのも結構疑問に思う部分でした。
個別ルートに入らないとわからないヒロインの秘密がわかるという部分はよかったのですが、納得できない結末ばかりで微妙でした。

ただ、本編の個別ルートがそんな感じだったので、ファンディスクの個別ルートでヒロインがちゃんと主人公と両想いになってハッピーエンドで終わっていたのは、これはこれで意味があると感じました。個別ルートとして見ればむしろこっちが本編でいいんじゃないか、と思うくらいで。
その代わり、上述したようにどのヒロインでも展開がほぼ同じだったのはどうにかならないものかと思いました。
個別ルートに入る→主人公と両想いを確認する→渋谷の地下鉄ホームで星来と戦って負ける→星来を倒すのではなく受け入れるべきだと気付く→現実に帰る、という。
本当に全部これ。
優愛と美愛のルートに至っては、イベントCGでメガネをかけている・かけていないの違いと口調が違うだけで内容はほぼ一緒。このときばかりは強制スキップを使いました。既読スキップ使えなかったですし。

現時点ではまだストーリーに謎が残っていますが、「CHAOS;CHILD」で何かしらわかるかもしれないので、最終的な評価は「CHAOS;CHILD」をプレイしてからにしようと思います。
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