コミックスREVIEW更新 [漫画全般]
本日の更新は、「コミックスREIEWのお部屋」に以下の作品を追加しました。
「赤色魔法・赤夏・一迅社」
「enigma・榊健滋・集英社」
「牙の旅商人・梟・スクウェア・エニックス」
「金銀砂子・赤夏・一迅社」
「グラール騎士団・sion・一迅社」
「docca・渡辺祥智・マッグガーデン」
「バナナのナナ・鬼八頭かかし・マッグガーデン」
「秒速5センチメートル・清家雪子・講談社」
「ぼくラはミンナ生きテイル!・Tiv・一迅社」
「ライアー×ライアー・金田一蓮十郎・講談社」
差し替え作品
「暁の闇・夏乃あゆみ・マッグガーデン」
「うみねこのなく頃に Episode2・鈴木次郎・スクウェア・エニックス」
「このこここのこ・藤こよみ・一迅社」
「獣神演武・荒川弘・スクウェア・エニックス」
「-di[e]ce-・山本佳奈・一迅社」
「閉ざされたネルガル・あるまるみ・スクウェア・エニックス」
「夏のあらし!・小林尽・スクウェア・エニックス」
「ハートの国のアリス・ほしの総明・マッグガーデン」
「鋼の錬金術師・荒川弘・スクウェア・エニックス」
「BAMBOO BLADE・五十嵐あぐり・スクウェア・エニックス」
「フダンシズム・もりしげ・スクウェア・エニックス」
「”文学少女”と死にたがりの道化・高坂りと・スクウェア・エニックス」
「マイガール・佐原ミズ・新潮社」
「白黒奇譚・楠りんか・スクウェア・エニックス」
今月のお勧め、1作目は「金銀砂子」です。
女が完全な物として扱われる大遊里・密街を脱走して人斬りを遊びとして行う少女・果実と、何者かに追われてどこか壊れた毬売りの青年・芭蕉が出会い、旅をする話です。
主役の2人はどちらも心が壊れかけていて、果実は人を斬ることで、芭蕉は麻薬に頼ることで何とか現実に心を留めているような危うい感じが何とも言えずよい雰囲気を出しています。
2人がなぜ心を壊しかけているのか、その辺りにも十分説得力があるので、読んでいて都合のよさは感じませんでした。
絵も話にピッタリで、やや読みにくいところもありますが、所々に残虐性がありつつ幻想的でかなり引き込まれます。
1巻完結作品なので、手の出しやすい作品かと思います。
ちなみに、同じ赤夏さんの作品で「赤色魔法」という短編集も同時発売されています。
全9作品が収められている短編集で、主にゼロサムで代原だったと思われる読み切りが収録されています。
雑誌の代原となるとあまり質が高くないのが通例なのですが、赤夏さんは別格で、どれもよくできています。
短いページ数でまとめるのが上手く、下手に連載狙いになっていなくて、読み切りとして完結している作品が多いのが良いです。
明るい話から暗い話まで、ファンタジー要素があるものないもの、いろいろなタイプの話が読めてお得です。
一迅社ってあまり作家さん別の短編集などは出さないので、それが出ることだけでも将来性はあるかと思います。
赤夏さんは今1番応援している作家さんです。
お勧め2作目は「牙の旅商人」です。
魔物が跋扈し、山賊なども横行する中、開拓民の馬車が悪名高い山賊に襲われる。
その中で唯一、わざと生き残された少年・ソーナは瀕死の状態だったところを1人の美しい武器商人・ガラミィに拾われる。
命を救ってもらった代わりにガラミィの所有物となったソーナは、自分の命の代価を払うためにガラミィと共に旅をすることになる、というストーリーです。
原作の七月鏡一さんがあとがきで、作画の梟さんの絵に出合って連載を決めた、と語るだけあって、かなり絵に引き込まれる作品です。
全体的にグロい描写が多くてすごく描き込まれているのですが、それでいて決して読みにくくない、むしろ読みやすい、というレベルの高い絵です。
更にすごいと思うのは、グロいゾンビやら魔物やらボロボロの老人やら醜い商人がいる中で、アイリ姫というかなりかわいいお姫様が出てくるところ。本当にいろんなタイプのキャラが描ける作家さんなのだと思います。
話も単純な勧善懲悪ではなく、後味か悪いものがあったり、倫理的にまずそうなところもあえてガンガン描いてしまっているところなど、読んでいていろいろと驚かされることもあってよい感じです。
話としてしっかり捻られている印象です。
今後にもすごく期待しています。
さて、今月は完結した作品の中にもかなりの名作が含まれているので、少し長くなりますが、紹介したいと思います。
まず完結作品の中で欠かせないのが「鋼の錬金術師」。
連載開始当初から完結するまで、全く息切れすることなく完走した数少ない名作だと思います。
今まで読んできた漫画の中で、連載中にアニメ化した作品は、掲載ページ数が増えてクオリティそのものが下がったり、人気が出て引き延ばし展開になったりすることがほとんどだったのですが、この作品に関してはそれが一切なかったです。
全27巻の中で、無駄な話もエピソードもなかったです。
完結した今だからこそ、1巻からまた読み返したい作品です。
次の作品は「マイガール」。
以前、1巻が発売されたときに個別で紹介するくらい好きな作品でしたが、雑誌の休刊に伴って連載も終わってしまった、少し残念な作品です。
この作品は最初からすごくゆっくり話が進むのがむしろ心地いい作品だったのですが、最後だけちょっと急ぎ足になっていたのが悔やまれます。
サザエさん方式ではなく、少しずつ作中の時間が経過していく中で、コハルが小学校を卒業するまで同じペースで話が進んでいればなぁ、と。
それでも、話はすごくよかったです。
主人公の正宗は決して仕事がバリバリできるタイプではないので、コハルのために仕事を頑張ろうと決意してもそれが空回りしたり失敗につながったり……でもそれがまたいいのです。
それでいて、とんとん拍子に進んでいたところをドーンと落とされることもなく、3歩進んで2歩下がるような地道な進み方が好きでした。
最後の作品は「BAMBOO BLADE」。
ガンガンはもとより、スクエニ系の雑誌の中でスポーツ物は成功しないと言われていた中でアニメ化まで行った希有な作品でした。
女子剣道部というちょっと珍しいスポーツが舞台で、作者もしっかりと剣道の知識があったというのも成功した理由の1つかと。
最後の榊心のエピソードはちょっと剣道以外のところが長すぎてだれてしまったところもありましたが、まとめ方はかなり良かったかと。
この作者・作画コンビでまた何か描いてほしいところですが、原作の土塚さんは結構自分で描きたいタイプのように見えるので、ちょっと難しいかもしれません。
他にも、「うみねこのなく頃に Episode2」「このこここのこ」「夏のあらし!」「”文学少女”と死にたがりの道化」など、なかなか良い完結作品が集まった月でした。
「赤色魔法・赤夏・一迅社」
「enigma・榊健滋・集英社」
「牙の旅商人・梟・スクウェア・エニックス」
「金銀砂子・赤夏・一迅社」
「グラール騎士団・sion・一迅社」
「docca・渡辺祥智・マッグガーデン」
「バナナのナナ・鬼八頭かかし・マッグガーデン」
「秒速5センチメートル・清家雪子・講談社」
「ぼくラはミンナ生きテイル!・Tiv・一迅社」
「ライアー×ライアー・金田一蓮十郎・講談社」
差し替え作品
「暁の闇・夏乃あゆみ・マッグガーデン」
「うみねこのなく頃に Episode2・鈴木次郎・スクウェア・エニックス」
「このこここのこ・藤こよみ・一迅社」
「獣神演武・荒川弘・スクウェア・エニックス」
「-di[e]ce-・山本佳奈・一迅社」
「閉ざされたネルガル・あるまるみ・スクウェア・エニックス」
「夏のあらし!・小林尽・スクウェア・エニックス」
「ハートの国のアリス・ほしの総明・マッグガーデン」
「鋼の錬金術師・荒川弘・スクウェア・エニックス」
「BAMBOO BLADE・五十嵐あぐり・スクウェア・エニックス」
「フダンシズム・もりしげ・スクウェア・エニックス」
「”文学少女”と死にたがりの道化・高坂りと・スクウェア・エニックス」
「マイガール・佐原ミズ・新潮社」
「白黒奇譚・楠りんか・スクウェア・エニックス」
今月のお勧め、1作目は「金銀砂子」です。
女が完全な物として扱われる大遊里・密街を脱走して人斬りを遊びとして行う少女・果実と、何者かに追われてどこか壊れた毬売りの青年・芭蕉が出会い、旅をする話です。
主役の2人はどちらも心が壊れかけていて、果実は人を斬ることで、芭蕉は麻薬に頼ることで何とか現実に心を留めているような危うい感じが何とも言えずよい雰囲気を出しています。
2人がなぜ心を壊しかけているのか、その辺りにも十分説得力があるので、読んでいて都合のよさは感じませんでした。
絵も話にピッタリで、やや読みにくいところもありますが、所々に残虐性がありつつ幻想的でかなり引き込まれます。
1巻完結作品なので、手の出しやすい作品かと思います。
ちなみに、同じ赤夏さんの作品で「赤色魔法」という短編集も同時発売されています。
全9作品が収められている短編集で、主にゼロサムで代原だったと思われる読み切りが収録されています。
雑誌の代原となるとあまり質が高くないのが通例なのですが、赤夏さんは別格で、どれもよくできています。
短いページ数でまとめるのが上手く、下手に連載狙いになっていなくて、読み切りとして完結している作品が多いのが良いです。
明るい話から暗い話まで、ファンタジー要素があるものないもの、いろいろなタイプの話が読めてお得です。
一迅社ってあまり作家さん別の短編集などは出さないので、それが出ることだけでも将来性はあるかと思います。
赤夏さんは今1番応援している作家さんです。
お勧め2作目は「牙の旅商人」です。
魔物が跋扈し、山賊なども横行する中、開拓民の馬車が悪名高い山賊に襲われる。
その中で唯一、わざと生き残された少年・ソーナは瀕死の状態だったところを1人の美しい武器商人・ガラミィに拾われる。
命を救ってもらった代わりにガラミィの所有物となったソーナは、自分の命の代価を払うためにガラミィと共に旅をすることになる、というストーリーです。
原作の七月鏡一さんがあとがきで、作画の梟さんの絵に出合って連載を決めた、と語るだけあって、かなり絵に引き込まれる作品です。
全体的にグロい描写が多くてすごく描き込まれているのですが、それでいて決して読みにくくない、むしろ読みやすい、というレベルの高い絵です。
更にすごいと思うのは、グロいゾンビやら魔物やらボロボロの老人やら醜い商人がいる中で、アイリ姫というかなりかわいいお姫様が出てくるところ。本当にいろんなタイプのキャラが描ける作家さんなのだと思います。
話も単純な勧善懲悪ではなく、後味か悪いものがあったり、倫理的にまずそうなところもあえてガンガン描いてしまっているところなど、読んでいていろいろと驚かされることもあってよい感じです。
話としてしっかり捻られている印象です。
今後にもすごく期待しています。
さて、今月は完結した作品の中にもかなりの名作が含まれているので、少し長くなりますが、紹介したいと思います。
まず完結作品の中で欠かせないのが「鋼の錬金術師」。
連載開始当初から完結するまで、全く息切れすることなく完走した数少ない名作だと思います。
今まで読んできた漫画の中で、連載中にアニメ化した作品は、掲載ページ数が増えてクオリティそのものが下がったり、人気が出て引き延ばし展開になったりすることがほとんどだったのですが、この作品に関してはそれが一切なかったです。
全27巻の中で、無駄な話もエピソードもなかったです。
完結した今だからこそ、1巻からまた読み返したい作品です。
次の作品は「マイガール」。
以前、1巻が発売されたときに個別で紹介するくらい好きな作品でしたが、雑誌の休刊に伴って連載も終わってしまった、少し残念な作品です。
この作品は最初からすごくゆっくり話が進むのがむしろ心地いい作品だったのですが、最後だけちょっと急ぎ足になっていたのが悔やまれます。
サザエさん方式ではなく、少しずつ作中の時間が経過していく中で、コハルが小学校を卒業するまで同じペースで話が進んでいればなぁ、と。
それでも、話はすごくよかったです。
主人公の正宗は決して仕事がバリバリできるタイプではないので、コハルのために仕事を頑張ろうと決意してもそれが空回りしたり失敗につながったり……でもそれがまたいいのです。
それでいて、とんとん拍子に進んでいたところをドーンと落とされることもなく、3歩進んで2歩下がるような地道な進み方が好きでした。
最後の作品は「BAMBOO BLADE」。
BAMBOO BLADE 14 (ヤングガンガンコミックス)
- 作者: 土塚 理弘
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: コミック
ガンガンはもとより、スクエニ系の雑誌の中でスポーツ物は成功しないと言われていた中でアニメ化まで行った希有な作品でした。
女子剣道部というちょっと珍しいスポーツが舞台で、作者もしっかりと剣道の知識があったというのも成功した理由の1つかと。
最後の榊心のエピソードはちょっと剣道以外のところが長すぎてだれてしまったところもありましたが、まとめ方はかなり良かったかと。
この作者・作画コンビでまた何か描いてほしいところですが、原作の土塚さんは結構自分で描きたいタイプのように見えるので、ちょっと難しいかもしれません。
他にも、「うみねこのなく頃に Episode2」「このこここのこ」「夏のあらし!」「”文学少女”と死にたがりの道化」など、なかなか良い完結作品が集まった月でした。
うみねこのなく頃に Episode2:Turn of the golden witch 5 (Gファンタジーコミックス)
- 作者: 竜騎士07
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/12/22
- メディア: コミック
“文学少女”と死にたがりの道化 3 (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 野村 美月
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/12/22
- メディア: コミック
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