SSブログ

この大空に、翼を広げて・クリア [ゲーム]

萌えゲーアワード2012年度大賞受賞作品、ということで買ってみたソフトでした。
この時期からなかなかゲームが出来なくなってしまって9年ほど寝かせることになってしまいましたが、最近はゲームもできるようになったし、続編ではないPCゲーム自体久しぶりというのもあって、プレイしてみることにしました。

とりあえずインストール作業から入るわけですが、9年前のソフトということで、当然ながらWindows10には対応していないわけで、インストールできなかったら怖いな……と思いつつ作業開始。
デフォルト設定だとフォルダの設定が違うからか、インストーラは起動するのにインストールそのものが始まらなくてちょっと焦りましたが、インストール先を手動で設定したら無事インストールできました。
動作も特に問題はありませんでした。

ストーリーは、高専の廃部寸前のソアリング部がグライダーを作って、数10年に1度だけ起こるという気象現象・モーニンググローリーを飛ぶことを目指す、というもの。
主人公は競技自転車でそれなりの結果を残していたものの事故による怪我で競技が続けられなくなり、地元に帰って高専に編入。古くからある学生寮の寮母になる、という設定でした。
ファンタジー要素は一切なく、純粋な青春ストーリーとなっていました。

話としては決して悪くはなかったのですが……全体的に普通だったかな、という印象でした。
2段階で用意されているオープニングとか、どこで話が分岐したのかわからないほど流れが自然なシナリオとか、小鳥ルートと対比することでこそ価値の出てくる天音ルートとか、少ない素材の中でどうにかアニメーションさせようとしている努力の痕跡とか、演出が上手いな、と思うところはたくさんありました。
文章も吸引力がないわけではなかったですし、決してつまらないわけではなかったです。
でもこう……時間を忘れてプレイしてしまうほどではなかったという感じで、大賞受賞作品とはいえ、ちょっと小粒な感じはしました。

グラフィックに関しては、斜め角度の顔がおかしいとか、ちょっと伏し目がちになったときの瞼の辺りに違和感があるとか、もうちょっとどうにかならなかったものかなぁ、と思った部分もありました。
背景とかモーニンググローリーの描写とかは非常にきれいだったのですが。

では、ここから各ルート詳細とネタバレありの話です。
18禁内容も含みます。

クリア順は、あげは→小鳥→亜紗→依瑠→天音、でした。
最初から全てのルートが選べるわけではなく、スタート時点から選べるのは小鳥とあげはのみ。
どちらかをクリアすると亜紗・依瑠の風戸姉妹ルートが解放され、風戸姉妹ルートの中で亜紗をクリアすると依瑠ルートが解放、小鳥ルートをクリアすると天音ルートが解放される、という仕組みでした。
順番的には絶対に天音ルートを最後にプレイするべきという内容だったので、天音ルートに関しては他の4人を全てクリアしたら解放でもよかったのではないかな、と感じました。

話は2部構成になっていて、ソアリング部を復活させてグライダーでモーニンググローリーのような雲を見つけて飛び出すものの失敗してしまうまでが第1部、1年後に再挑戦するのが第2部。
第1部の序盤で1回目のオープニングが入り、割とサクサクグライダーの制作作業が進んでモーニンググローリーを飛ぶ展開に入るので、まだ話が分岐すらしていないけど話が終わるんじゃないの!?、と焦らされました。しかしながら直後に失敗して復活させたソアリング部が一旦活動停止に追い込まれたところで真オープニングが出てくるという流れになっていて、これは素直に騙されたな、と感じました。
ここまでが全部前振りで、本編は第2部からだという。
第1部も結構なプレイ時間を要するので、本当なら回想シーンとしてサラッと語られるような部分をじっくり描いた感じで、共通ルートは共通ルートなのだけど、こういう構成のゲームは初めて見たな、と感じました。

それで、第1部の所々で発生していた選択肢の結果で、第2部の中盤から個別ルートに突入。
ただ、他のゲームは割と分岐用の選択肢の直後から個別ルートに入ることが多いのですが、このゲームは分岐用の選択肢の後も結構長めの共通ルートがあって、最初にプレイしたあげはルートでは、いつ分岐したのかわからないまま個別ルートに入っていた感じがしました。
最初のHシーンに入ったとき、あぁこれもうあげはルートなんだ、と気付いたくらいで、それまでは、なんとなくあげはルートな気がするけどまだどこかで分岐しそうだな、という雰囲気がありました。
この自然な流れは上手いな、と感じました。

ということで、ここからは各キャラについての感想です。

姫城あげは
主人公の幼馴染で、進学のため引っ越す直前あげはに主人公が告白したもののあげはにはフラれている、という過去あり。
主人公が再び告白することで数年間離れ離れになっていた時のトラウマやら何やらを思い出したりするので、それを克服していくというのがメインストーリー。
主人公と関係を持った後でなぜかよそよそしくなったり、主人公やソアリング部の部員たちに隠れて裏で何かこそこそしていたり、終始この子は何を考えているんだ?、という感じのヒロインでした。
理由は後半に語られるわけですが、そこまで説得力があるものでもなく、微妙でした。
あくまでメカニック担当というか、グライダーに乗るというよりも作ることを主体としていて、主人公と一緒にグライダーで飛ぶことがなかったものの、それはそれで個性が出ていてよかったです。
あやうく中盤で妹のほたるを含めた姉妹丼展開あるのかな、という感じになりそうにはなりましたが、そこはあげは一筋ということでちょっと安心もしました。

羽々根小鳥
気球の転落事故で車椅子なしでは生活できなくなってしまった女の子。
第1部では周囲から孤立していて、手を差し伸べている主人公やあげはに対してもなかなか心を開かないものの、次第に仲間になっていく過程が丁寧に描かれていました。
気球の転落事故で歩けなくなったのにそれがトラウマになることもなく、より空に憧れるようになってグライダーでモーニンググローリーを飛びたいと誰よりも望んでいるということで、1番ヒロインらしいヒロインでした。
事故がトラウマになっているのは小鳥本人ではなく家族の方で、とにかく小鳥をグライダーから引き離そうとしてきたり、ソアリング部のことをよく思っていない飛岡先生がひたすら妨害してきたりするので、その困難を乗り越えて飛ぶところはド直球な展開ではありましたが、これはこれでメインヒロインらしくてよかったな、と思いました。
主人公が競技自転車をやっていた、という設定が1番活かされていたのもこのルートでしたし。
1つ気になったのは、車椅子なしでは生活できない割に足の肉付きが良いこと。もうゲームなので仕方ないですし、そこまでリアリティ求めるものでもないと思うのですが、1年以上車椅子生活を送っているならもっと足が細くなるよね、と思ってしまいました。
そこだけ唯一引っかかりました。

風戸亜紗
主人公の1年後輩で、第1部ではチラッとしか出て来ないので、実質第2部からのヒロイン。
依瑠と共通の風戸姉妹ルートがそれなりの長さで取られていて、いざ亜紗ルートに入ったと思ったらHシーンを挟んですぐに話が終わってしまい、他のルートで飛んでいたモーニンググローリーも飛べない、というこれバッドエンドなんじゃないかな、みたいなルートでした。
Hシーンに関しても、それ体位おかしくない?、みたいなのもあって、微妙でした。
亜紗自体が優秀過ぎる妹の依瑠に強いコンプレックスを持っていたものの、主人公に選ばれたことで自信が持てるという流れだったので、普通に終わってしまった感じでもありました。
ストレートな後輩キャラだったので、個性に乏しかったです。

風戸依瑠
亜紗の双子の妹で、頭がいい故にどことなく他の人たちをバカにしたような態度を取る女の子。
風戸姉妹ルートに入った後、亜紗を選ばなかった未来は依瑠を選ぶのではなく、どちらも選べないから2人と同時に付き合うというある種のハーレムルートでした。
ただ、2人と付き合うといっても亜紗との個別Hシーンはなく、形式上姉妹ルートだけど実質依瑠ルート、みたいな感じでした。
双子が出てきたからには絶対に姉妹丼はあるだろうとも思っていたので、そのためのルートだったのかな、と感じました。
話としては、主人公がグライダーの墜落事故を起こしてパイロットが出来なくなってしまい、姉妹がいろいろ頑張って姉妹でモーニンググローリーを飛ぶという流れになっていて、主人公の立場がちょっと弱い感じがしてしまいました。

望月天音
超留年生として高専に残り続けてソアリング部を1人で維持している女の子。
何年留年しているかはザックリしか語られないものの、主人公よりも下手すると10歳くらい年上。
他の4人のルートでは、第1部でモーニンググローリーを飛ぶことに失敗した後でソアリング部の部室があったガレージが取り壊されてしまうものの、天音ルートに入るとなぜか取り壊されないで話が進みました。
また、他のルートでは第2部でソアリング部の顧問を快く受け入れてくれるのに、このルートでは一旦断ってくるなど、他のルートと違うことがいろいろ起こって、最終ルートなのに目新しい感じでよかったです。
他のルートでは何となくしか語られなかった、天音がソアリング部を維持し続けた理由、空を目指すきっかけになったイスカという同級生のことなどが詳細に語られるので、絶対に最後にやるべきルートでもありました。
小鳥ルートのときは散々妨害されたソアリング部の活動に関しても、終盤で妨害の急先鋒だった飛岡先生と和解することで活動がスムーズに行っていたり、ちょうど小鳥ルートの真裏にあるような話となっていました。
最後はモーニンググローリーを飛んでイスカとも再会するハッピーエンドで、読後感が良かったです。

5人のルートに順位を付けるなら、天音→小鳥→あげは→依瑠→亜紗、でした。
ヒロインとしての存在感は天音と小鳥が強め、あげははギリギリメインヒロイン、風戸姉妹はサブヒロインくらいの感じだったので、もうちょっとどうにかならなかったかなぁ、と感じました。

ファンディスクや続編も出ているのですが、私としてはもうこれでお腹いっぱいかな、と思っています。
決して悪くはないけれど、続編に手を出すほどハマらなかった、という感じでした。
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。