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Detroit: Become Human・クリア [ゲーム]

このゲームを知ったのは「勇者ああああ」でチャプター1を実況するというコーナーを見たときで、その後体験版をプレイしてみてすごく面白そうだな、と思ったので買ってみました。
本当に人間を操っているみたいなリアルさ、ほとんどの選択肢に時間制限がついていて一瞬の判断にシナリオが左右されるところなど、すごく引きつけられました。

それで実際に最後までプレイしてみると、とにかく分岐の多さと凄まじいフラグ管理に驚かされました。
序盤のあのフラグが終盤のここに影響してくるの!?っていうものが多々ありましたし、登場人物が死亡エンドになってしまってもそれはそれで話は続いていくとか、そういう作りであることにも驚かされました。
普通のADVにあるような、選択肢などをミス→主人公死亡→ゲームオーバーでセーブポイントからやり直し、という流れがないという。

3人の主人公を順番に操作して、何度かニアミスがありつつそれぞれの結末に向かって行く感じは「街」に近い感じがしましたが、話の分岐が半端ではないので、よくこれだけの話を作り上げたものだな、と感心しきりでした。

話の分岐はいつでもフローチャートで見ることができるという素晴らしいシステムがあり、また自分が選んだルートは世界の人の何%の人が選んだルートだというのがわかったりするのは面白い試みだな、と感じました。おそらく最初のプレイでの記録が集められているので、中には0%ルートもあったりして、それを探すのも楽しかったりしました。
どこをどう操作したらこっちに分岐する、というのはおおよそ2周目にならないとわからないのですが、1周目はあえてあまり見ないで進めて、2周目以降はフローチャートをじっくり見ながら進めていて、あの場面はこういう展開もあったのか、と2度楽しめる感じがよかったです。
フローチャートに出て来ない分岐も結構あるので、その辺りの違いを楽しむのも好きでした。

グラフィックはかなりリアルに近く、全ての動きをモーションキャプチャーで取り込んでいるので動作も自然、音楽もいい感じに話を盛り上げてくれてほぼ言うことなしくらいに楽しめたのですが……唯一の欠点はストーリースキップできないこと、でした。
チャプター5の展開を変えたいからチャプター3のフラグを操作した場合、再びチャプター5を始めてもフラグは変更されておらず、チャプター3→4→5と進めていかないとフラグ変更は反映されない、という。これが近いチャプターならまだよくて、前述のように序盤のフラグが終盤に活きてくる場合もあるので(チャプター1の展開がチャプター23に関係してくるとか)、フローチャートを埋めるとなったらかなり大変な作業になります。
でもまぁ、そういうシステムにしないと膨大なフラグ管理のどこかに矛盾が出てきて収拾がつかなくなるのだと思います。
ただ、ときどき操作不能で登場人物たちの会話のみで進むシーンもあるのですが、そういう部分もスキップできないのはプレイしていてきつかったです。10回以上同じ会話聞いているとかありましたし。攻めてそういう場面だけは選択肢までスキップできる機能があったらなぁ、と感じました。

最終的にフローチャートを全て埋めきることは諦めたのですが、トロフィー全獲得、ボーナスコンテンツ全開放くらいまではやり込みました。
トロフィー全獲得者が全世界の1.5%くらいしかいないのは、おそらくスキップができないせいだと思います。


では、ここからストーリーに関するネタバレを含めた感想になるので、隠します。

ゲームを始めるに当たって特に世界観の説明とかはなく、オープニングとストーリーの進みを見て世界観を知っていく形だったので、序盤で結構アンドロイドが迫害されている姿を見るのは意外な感じがしました。
アンドロイドが人の代わりに家事全般やってくれたりしたらすごく楽なのに、と。
でも、話を進めていくと、アンドロイドは安価なものなら10万円程度で買えて、人に替わっていろんな作業をしてくれるから人間の失業率が上昇して社会問題になっていることが判明して、宗教的なことでなく軋轢が生まれるのは確かにそうだよな、と納得できました。
デトロイトという舞台にしても設定が上手くて、かつての自動車産業が衰退した後にアンドロイド産業で復活。ただ、アンドロイドが普及し始めて10年程度なのでアメリカにはアンドロイド法があるけれどカナダにはなく、更にデトロイトはカナダとの国境に近い街である、ということが非常に上手く話の舞台設定として成立していました。
ストーリー分岐だけでなく、舞台設定などなど非常に細かく作り込んでいるところは素晴らしかったです。


それで一通りプレイしたわけですが、私が1回目にクリアしたときは、

コナー→ジェリコで変異しない選択をして、ハンクと戦うも見逃し、最後にノースを見逃す。
マーカス→自由への行進で自らを犠牲にして死亡(誰か助けてくれることを期待していたら、助けてくれるキャラも死亡していたので、アンドロイド部隊のリーダーがノースになった)。
カーラ→バスに乗って国境に辿り着くも、世論の評価が低くて係官に通報されて死亡。ルーサーはジェリコで2人をかばって死亡。

という、あまりよろしくない結末でした。

それでいろいろやり直して全員生存&個人的に納得のハッピーエンドには辿り着きました。
1番好きなキャラがハンクだったので、マーカスが平和的交渉でアンドロイドを種族として認めさせ、それに協力したコナーが最後にハンクと抱き合うエンディングは最高でした。
化学兵器でアンドロイド以外デトロイトに住めなくなるエンディングも悪くはないのですが……まぁ、そこにハンクはいないので。

私が最初にプレイしたときはマーカス編でかなり失敗を繰り返したので(部品を満足に持ち帰れず、サイバーライフの店も襲えなかった)、自由への行進でマーカスが死なないようにしてもジェリコから追放されるという展開になりました。
その中でシナリオ的に見ておかないといけなシーンをすっ飛ばしてしまっていたので(自由への行進でマーカスがいきなりアンドロイドを変異させられるようになっていた)、展開的にちょっとわからなくなってしまうことがあったりして、その辺り少しフォローが欲しかったかな、とは思いました。

また、マーカス編はわりと善悪がはっきりしていて、ノースは過激派、ジョシュは保守派、サイモンは逃避派とそれぞれの主張があって最後の判断をマーカスに任せてくる辺りはいかにもゲーム的だな、と感じました。でもそれはマイナスな意味ではなくて、やはり暴力によるアンドロイドの解放を目指すと人間とは和解できないですし世論もアンドロイド否定派になっていきますし、逆に和平路線を取ると世論もアンドロイドを支持する形に変わっていく、というのは現実世界に近いものがあるけどそう言い切れない部分もあります。でも、和平路線で解放を目指せば和解もあり得る世界を見せてくれたのはゲームでないとできない部分でもあるかな、と。

カーラ編は最後までルーサーが同行すると思っていなかったので、終盤だけ何度か繰り返してもフローチャートが埋まらないのはなんでだろうと思って攻略ページを見たらルーサーが死なないルートがあるというのを知って結構ビックリしました。
ただ、ルーサーがいてもいなくてもカーラとアリスの結末にそこまで変化はなかったので、ルーサーが最後までおまけみたいに見えてしまったのは残念でした。
また、アリスの正体については全く気付かなくて、そういえばアリスは登場時から何も食べてなかったじゃん、とかいろいろ伏線に気付かされました。隠し方は上手かったと思います。

コナー編で最初に変異を選ばなかったのは、それが正規ルートだと思っていたから、でした。
マーカスはアンドロイドの解放を目指すけど、コナーはあくまで人間側のキャラなんじゃないかと思っていて。でも、最後まで人間に尽くしても、最後の最後で型落ち廃棄を通達される、という悲しいエンディングがあって初めてこれは正規ルートじゃないんだ、と気付きました。
ハンクと最後まで友情状態を保っていても、コナーが変異しないとハンクとはどうやっても別れる終わり方でしたし。
そんな感じだったので、変異を選んだ後のサイバーライフタワーでのハンクとのやり取りなんかはかなりグッとくるものがありました。
ハンクが自分の中でずっとくすぶっていた思いを打ち明けるところとか特に。

そうやっておおよそ95%くらいはルートを解放したわけですが、話の構成的には、提示された謎に対する解答全て示してくれるわけではなく、ヒントは出しておくからあとは自分で考えてね、という形になっていました。rA9の意味は何となく分かったけどrA9ってなんでrA9っていうのだろうとか、マーカスがアンドロイドを変異させられるようになったのはわかるけど、なんでコナーもできるようになっているんだろうとか、コナーといつも一緒にいるアマンダって何なんだろうとか、いろいろ。
その辺りの考察をネットで見るのもそれはそれで楽しかったりはするのですが。

このゲームをプレイできて本当によかったな、と思います。

このゲームの製作チームが過去に作った作品がPS3にあるということで、「HEAVY RAIN」と「BEYOND:Two Souls」は思わず買ってしまいました。いずれプレイしてみるつもりです。

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