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アルスラーン戦記・完結 [小説]

※これは約1年3ヶ月前の記事「アルスラーン戦記・完結まで残り1巻における結末予想」の続きです。
また、最初からネタバレ全開です。
ご了承ください。


足掛け30年、私が本書に出合ってから20数年、ようやく完結しました。
長かった……本当に長かったです。
でも、無事完結するところまで読めて、無事最後の感想を書けて、本当によかったです。

それではまず最初に、結末予想はどこまで当たっていたのかを検証してみます。

Q1.アルスラーンと十六翼将の生死は?

本作は「銀河英雄伝説」と違い、ザッハークとの最終決戦後のエピローグが存在しました。
そこには十六翼将が全員亡くなるまでが描かれていたのですが、ここではザッハーク戦後に生き残っていた、という基準での生死とします。

A1.
アルスラーンは死亡。
生存者はエラム、ギーヴ、ファランギース。
残りの十六翼将は全員死亡。

やはりというか何と言うか、ここでも皆殺しの田中は健在でした。
もう最終巻冒頭から十六翼将死にまくりでした。
ギーヴとファランギースが生き残るのではないかということ、アルスラーンが死ぬのではないかということ、ダリューン以外の他の十六翼将は誰が死んでもおかしくない、という辺りは予想通りでしたが、まさか全員死ぬとは……しかもダリューンまで。
ダリューンはザッハーク戦直前までは生きていたのですが、ザッハークに殺されてしまいました。
ルクナバードを持ったアルスラーンが出る前にダリューンがザッハークとの直接決戦に出たので、これは死ぬ、というフラグがその時点で立った感じがしました。
ザッハークはアルスラーンとの一騎打ちではなく、生き残った十六翼将+アルスラーンの1対多数戦になるんじゃないかと思っていたのですが……その辺り、アルスラーンは正々堂々としていたということなのだと思います。

作中で何度も死線を潜り抜けていたキシュワード、ザッハークに対してあまり恐怖心のないジャスワント、登場が遅かったパラフーダ辺りは生き残るのではないかと思っていたのですが、全員死亡という結果に。

ナルサスの後継者的立場だと思っていたエラムが最後まで語り部として生き残った、ということに関してはちょっと意外でした。


Q2.ザッハークは封印することしかできないのか?殺せないのか?アルスラーンの命と引き換えに完全消滅させるのでは?

A2.
ザッハークは人間に作られた存在。
宝剣ルクナバードはザッハークを制御できなくなった人間たちが作った緊急対処用の装置。
ザッハークを殺したところで、また作られてしまえば復活してしまう。

この物語が始まったときから、この世界は魔法と魔物が普通に存在する世界で、ザッハークは自然発生した世界征服を狙う魔王、というように解釈していたので、実はザッハークは人間が作ったものだというのが出てきたときはかなりビックリしました。
言われてしまえばこちらの方がしっくりくるものではあるのですが。
この時代のザッハークはアルスラーンがルクナバードでなんとか封印しましたが、時間が経てば復活することもまたあり得る、という結末でした。
ラスボスの正体を見破ったら、あとは完全消滅させて後世の憂いはない、というのが定番ですが、そうはなりませんでした。


Q3.アンドラゴラスとタハミーネの実子は結局誰?

A3.
銀の腕輪を持っていた3人の女性は全員偽物。
2人の実子は男子で死産していた。タハミーネはその出産で子供が産めない体になっていた。

これに関してもかなり意外でビックリしました。
タハミーネ自身が実子は女子で、後継ぎにはなれないからどこかへ放逐された、ということを信じていたというのもあり、銀の腕輪を持つ誰かが実子なのだろうと思っていました。
真実はずっとアンドラゴラスが隠していて、タハミーネはもう子供を望めないとわかっていたからこそ実子に執着していた、ということのようでした。


Q4.パルスの周辺国家がパルスに攻め込んだけどどうなった?

A4.
ラジェンドラが治めるシンドゥラ以外は軒並み指導者が死亡。
のちの戦国時代へ続く前振りとなってしまう。

最終巻は冒頭からとにかく登場人物たちが死にまくりましたが、それは十六翼将に限らず、敵に関しても言えることでした。
ギスカール、ヒルメス、フィトナ、などの主だった敵将は何だかんだで死亡。
他にも、語られることはないかもと思っていたタハミーネ、宰相のルーシャンなどなど、とにかくどこの国でも中枢にいる名前のある登場人物たちは片っ端から死んでいく状態でした。

なので、最終的にはどこの国もトップ不在になって戦国時代突入、と。
本当、ここまで死ぬとは思っていなかったので、読み進める毎にこの人もこの人も……という状態になったときは、この話をまとめるには皆殺しにするしかなかったんじゃないかな、くらいに思いました。

そんなこんなでエピローグでは前述のように戦国時代に突入。
最後に再びパルスが国家としての足掛かりをつかんだあたりで終了、となっていました。


考えてみると、この作品は王道ファンタジーの形を取ってはいたけど、中身はその真逆だったなぁ、と感じます。
作者がこの物語のを生み出すきっかけになったのが、昔話で貧しい子が実は王子様だったとわかる話の逆をやってみよう、という発想だったというのは各所で語られています。そういう昔話の結末っていうのは、魔王を倒して世界に平和が戻り、人々は末永く平和に暮らしました、というのが定番ですが、こちらは何とか均衡を保っていた各国の情勢が一気に壊れて戦国時代突入、という真逆の結末。なので、最初からこういう結末になることが想定されていたのだろうな、と妙に納得したりもしました。

そして、ラストシーンについて。
年老いたエラムがアルスラーンと残りの十六翼将と共に旅立っていくところに、個人的にはエステルがいてくれたらなぁ、と思ってしまいました。
幻を見ているのはエラムなので、そこまで交流のなかったエステルがいないのは当然と言えば当然なのですが、アルスラーンとエステルにくっついてほしかった私としては、エピローグにエステルがいてくれたらなぁ、と思わずにはいられませんでした。
アルスラーンの遺言も、ダリューンと同じ墓に入れてくれ、でしたし。あぁ、エステルじゃないんだなぁ、と。アルスラーンからしたら、ダリューンは誰より自分に対して忠誠を尽くしてくれてましたし、誰より頼りにしていたので、それはそれで当たり前なのですが。

ただ、それ以外の部分については概ね納得できる結末でした。
ギーヴの過去は結局わからずじまいでしたが、それはそれでキーヴらしい感じがしますし。
メルレインはヒルメスに対して直接手を下すことはできませんでしたが、アルフリードの仇を一応取ることができていましたし。

20数年待って、この結末を見ることができたのは幸せだったと思います。
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わい

本当に酷いと言うかやっつけと言うか・・・
読みだした時は6巻くらいだったので30年までは待ちませんでしたがそれでも我慢して待った方です。
「解放王」ってなんでしょう?
国自体も解放して誰が後世として語り継いだのか謎しかない称号。
歴戦の勇者もあっさりですし、大好きなギーヴに至っては蚊ですか。
そりゃその時代では脅威かつ不治の病かもしれませんが。
でも剣で負けるより彼の称には合っていたのかも知れませんね。
しかし15巻表紙の壮大なネタバレには参りました笑
by わい (2019-06-24 14:54) 

minerva

15巻時点で解決しないといけない問題が山盛りだったので、まとめるにはもう登場人物を片っ端から殺していくしかなかったのかな、と今更ながらに思います。

解放王に関しては、アルスラーン統治時代実際生きていた人たちはザッハークの恐怖などそれなりの不満があったものの、後年振り返ってみたら実際すごくいい時代だったなと感じて、何より奴隷解放もあったし……みたいな感じで語り継いでいると解釈していました。
パルスという国自体なくなったものの、トゥラーン内に自治区を持って国の再興を夢見ていたらそう考えるかな、と。
でもやっぱり、アルスラーンかダリューンはどちらか生き残ってほしかったです。エラムだとちょっと足りない感じがしてしまいます。
by minerva (2019-07-02 10:34) 

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