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コミックスREVIEW・更新 [漫画全般]

本日の更新は「コミックスREVIEWのお部屋」に以下の作品を追加しました。

「階段途中のビッグ・ノイズ・亀屋樹・スクウェア・エニックス」
「金田一少年の事件簿 20周年記念シリーズ・さとうふみや・講談社」
「最底辺の男・山口ミコト・スクウェア・エニックス」
「最遊記RELOAD BLAST・峰倉かずや・一迅社」
「新部活動・西田理英・マッグガーデン」
「生存~LifE~・かわぐちかいじ・講談社」
「華園ファンタジカ・上田信舟・一迅社」
「魔探偵ロキRAGNAROK~新世界の神々~・木下さくら・マッグガーデン」
「予告犯・筒井哲也・集英社」
「ローファイ・アフタースクール・五十嵐藍・マッグガーデン」
「忘れられない・谷川史子・集英社」


差し替え作品
「カミヨミ・柴田亜美・スクウェア・エニックス」
「GOSICK・天乃咲哉・富士見書房」
「猫ラーメン・そにしけんじ・マッグガーデン」
「ぼくラはミンナ生きテイル!・Tiv・一迅社」
「まかまか・美川べるの・角川書店」
「マテリアル・パズル ゼロクロイツ・吉岡公威・スクウェア・エニックス」


今月のお勧め1作目は「階段途中のビッグ・ノイズ」です。

階段途中のビッグ・ノイズ(1) (ビッグガンガンコミックス)

階段途中のビッグ・ノイズ(1) (ビッグガンガンコミックス)

  • 作者: 越谷 オサム
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2012/05/22
  • メディア: コミック


先輩たちが薬物事件を起こして退学となり、廃部の危機に陥った軽音楽部。
ただ1人残った部員・啓人は部員を集め、その軽音楽部を何とか立ち直らせようと奮闘する。

……というわりと王道を行く話なのですが、非常に引き付けられる構図を描く作家さんで、コミックス購入を決めたのは、それが結構大きかったです。
掲載誌のビッグガンガンでコミックス発売記念に見開きカラーがあったのですが、その構図が素晴らしくて、これはコミックスを買わないといけないな、と。
それでコミックスを買ってみたら、1巻の表紙は原作小説のオマージュだと書いてありました。
で、こちらがその原作小説。

階段途中のビッグ・ノイズ (幻冬舎文庫)

階段途中のビッグ・ノイズ (幻冬舎文庫)

  • 作者: 越谷 オサム
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/05
  • メディア: 文庫


あぁこれは上手いな、と素直に感じました。
原作者のあとがきでも作画について褒めてあって、これは成功するパターンではないかな、と感じました。
「牙の旅商人」でも1巻のあとがきで原作者が作画を褒めていて、その後かなり伸びていますし。

そんな感じで絵ばかり褒めていますが、話も結構面白いです。
原作を知らないので、今は王道な話でもこれからどうなるかわかりませんが、現時点では王道なんだけど引きつけられる、という割と珍しいタイプの作品になっています。
王道作品って展開がベタだったりするので、先の展開が読めてつまらないとかよくあるのですが、この作品は先が読めても面白いです。
王道作品だからこそ、作者の底力がわかるのだと思います。


お勧め2作目は「最底辺の男」です。

最底辺の男-Scumbag Loser-(1) (ガンガンコミックスJOKER)

最底辺の男-Scumbag Loser-(1) (ガンガンコミックスJOKER)

  • 作者: 山口 ミコト
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2012/05/22
  • メディア: コミック


心の中では周りの人を見下しながらも、イジメなどに反抗することもなく、自分より下の人を見つけては、自分は最底辺ではないと自分に言い聞かせる高校生・村井。
そんな村井の前に、小学生時代に同級生で行方不明となっていた少女・遥が現れる。
そして、村井は遥が人間ではない何かであると気付く。

導入はこんな感じの作品ですが、この先は非常に先の読めない話となっています。
先に紹介した「階段途中のビッグ・ノイズ」とは真逆で、これからどうなるかわからないドキドキ感が常にある作品です。
作者の前作「死神様に最期のお願いを」が打ち切られたことで、その反省点を活かしているのか、展開はいい感じにスピーディーでマンネリ化がなく、話はちょっと複雑だけど読者が混乱するほどでもないように作られていて、このままいけば確実に化ける、と思える作品になっています。
表紙がちょっととっつきにくいので、一見さんには買われにくいだろう、というのが少し残念です。


お勧め3作目は「予告犯」です。

予告犯 1 (ヤングジャンプコミックス)

予告犯 1 (ヤングジャンプコミックス)

  • 作者: 筒井 哲也
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/04/10
  • メディア: コミック


ある日ネット上に新聞紙を目出し帽のように被り、ネットで炎上した人などに制裁を加えると犯行予告する動画かUPされる。そして、予告通りに犯行は行われた。
警察ではサイバー犯罪対策課が動くが、巧妙に身元を隠してUPされ続ける動画を止めることができない。
勝つのは警察か、予告犯か……

作者はヤングガンガンなどで連載歴のある筒井哲也さんで、読むと確かに筒井さんっぽい話だなぁ、と感じる作品です。なので、「リセット」や「マンホール」などが好きだった人は確実に買って損をしない作品です。

話は前述のようにネット上の犯行予告にどう対処するか、というのがメインなのですが、ここに出てくる予告犯のターゲットにされた人たちは、現実のものを使っています。
・某焼肉チェーンの食中毒事件での開き直り会見
・某ファストフード店で○○○○を揚げたとSNSに書いた事件
・性犯罪被害者は被害者も悪いとつぶやいた事件
この辺りを知っているとより楽しめるんじゃないかと思います。
そこそこネットをしている人なら、あぁあの事件か、とわかります。

また、ネット上の炎上がなぜ起こるのか、なぜ本人だけでなく勤務先の企業や通学している学校まで巻き込むのか、その辺りを警察の視点から分析しているところなど、なるほどな、と感じる部分も多いです。

中でも1番すごいと感じたのは、1巻の時点で予告犯が誰なのかというのが既に提示されていて、犯行動機やどうやって身元を隠しているのかなどの謎もほとんどわかってしまうところ。
コミックスが全10巻だったら、8~9巻くらいで明らかになるだろう内容を早くも提示してしまうのは、刑事コロンボのように最初から犯人がわかっている作品以外では珍しいな、と感じました。
いろんな謎をもったいぶらずにどんどん解答を示していくところがいいです。

ちなみに、このコミックスは4月半ば発売だったのですが、4月末にネット注文しようとしたら既に品切れになっていて、手に入れるのが遅くなってしまいました。
ネットで本を買うようになってから1年くらい経ちますが、コミックスの品切れを見たのは初めてでした。


続いて、完結作品の中の注目作品、1作目は「カミヨミ」です。

カミヨミ(15)(完) (Gファンタジーコミックススーパー)

カミヨミ(15)(完) (Gファンタジーコミックススーパー)

  • 作者: 柴田 亜美
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2012/06/27
  • メディア: コミック


最初から最後までテーマがぶれることなく、きれいに描き切った作品となっていました。
柴田亜美さんと言えば、シリアスよりもギャグ、というイメージがあったのですが、この作品はギャグがかなり少なめで、ほぼ終始シリアスでした。
でも、このシリアスっぷりこそ作者の真骨頂だろう、と感じるくらいいい作品になっていました。

コミックスでは最終話に描き下ろしもあり、本誌上では謎な部分もあった天馬や菊理たちのその後も描かれていて、よりよい終わり方になっていてよかったです。

ただ、話の質は最後まで落ちなかったものの、人気的には最後は序盤ほどの勢いがなくなっていたのが少し残念でした。
多分、Gファンタジーの誌面がより女子向けになってきたことが原因だったかな、と。
序盤ではアンソロジーも出ましたし、アニメ化まで行くとすら思っていたものでしたが。


完結作品の注目作2作目は「マテリアル・パズル ゼロクロイツ」です。

マテリアル・パズル ゼロクロイツ(9)(完) (ガンガンコミックス)

マテリアル・パズル ゼロクロイツ(9)(完) (ガンガンコミックス)

  • 作者: 土塚 理弘
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2012/05/22
  • メディア: コミック


最初はガンガンで連載されていたものの、ガンガンONLINEに移籍してしまって、これは左遷だろうな……と思っていたのですが、むしろガンガンONLINEに行ってからの方が面白くなった作品でした。
中盤でメルパトラがいい感じにヒロインとして化けましたし、最後の8・9巻の盛り上がりはかなり引き付けられました。

「マテリアル・パズル」本編の謎解きもいくつかはあったものの、この作品単体でも十分読める作りだったのもよかったかな、と。
ただ、「マテリアル・パズル」の第4章はすぐ始まるわけではないようで、その辺りどうなるのか少し心配です。


最後に、個人的にちょっと思い入れのあった作品「生存」について。

新装版 生存 LifE(1) (KCデラックス)

新装版 生存 LifE(1) (KCデラックス)

  • 作者: かわぐち かいじ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/05/07
  • メディア: コミック


この作品自体もう10年以上前のもので、今回買ったのは新装版です。
この作品を知ったのはコミックスが出た更に後のことで、この作品が全4話のドラマになるので機会があれば見るといいですよ、とここの掲示板で教えてもらったときでした。
で、ドラマ放映のとき、私は丁度北海道に出張中でした。
見るかどうかは迷っていたのですが、たまたま1話と2話は見ることができてしまいました。
でも、3話と4話は見ることができず、偶然2話までを見ただけなので自宅で予約録画もしていなければ、出張中で新たに予約することもできず、そのまま原作コミックを見つけることも出来ず、10年以上が経過してしまいました。
原作コミックスは気付いた時には絶版になっていて、本屋さんで偶然2巻までは見つけたのですが、最終巻だけない、という状態でした。

余命宣告をされた男性の元に、14年前に行方不明となっていた娘の死体が発見されたと連絡が入る。
事件の時効と余命の期日に不思議な符合を感じた男は、犯人を捜すために動き始める。

という話なのですが、私が知っていたのは、もしかしたらこの人が犯人なのでは?、と疑えるだけの人物が現れたところまでで、死の間際に娘が残したメモの意味とか、本当の犯人とか、重要なところがわからないままで、ずっとモヤモヤしていました。

それがここにきて復刻されて、無事結末を知ることができました。
これで10年以上心につかえていたものがなくなりました。
最後の最後で犯人を追いこむところとか、グイグイ引き付けられてよかったです。

ちなみにこの作品の原作は福本信行さんで、作画はかわぐちかいじさんではあるものの、主人公の思考方法とか独白とか、あぁ福本さんっぽいなぁ、と感じる表現が結構あって、福本さんはギャンブルものだけじゃない作品も描けるんだ、というのが改めてわかりました。
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