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黄昏のシンセミア・クリア [ゲーム]

本日の更新は「ゲームREVIEWのお部屋」にPC「黄昏のシンセミア」のレビューを追加しました。

毎年恒例、萌えゲーアワード金賞受賞作品を買ってプレイしてみました。
2010年度受賞の「黄昏のシンセミア」は、ノミネート作品発表以前からとにかくぶっちぎり状態で、ほぼ全ての部門で1位を取っていました。
なので、これはもう受賞するのは確実だ、と思って発表前にソフトは買っていました。
これで受賞しなかったらどうしよう、と少し思っていましたが、結果的に金賞を受賞したので、特に問題もなかったです。

ということで、萌えゲーアワード始まって以来のぶっちぎり状態のソフトだったので、かなりの期待を持ってプレイし始めました。

……が。

終わってみるとそこまで面白いとは思えませんでした。
平均以上にすごくよく出来てはいるのですが、ストーリーにそこまで吸引力がなかったかなぁ、と。
今までプレイした萌えゲーアワードの金賞・銀賞受賞作品はストーリーでグイグイ引っ張っていくものばかりだったのですが、「黄昏のシンセミア」に関しては面白いのですど、そこまでではなかったです。
基本的には純愛ものなので、やや話の起伏に乏しかったかな、という印象です。
謎解きであっと驚かされることもなかったです。

ただ、システムに関しては非常によくできていました。
なんといっても便利だったのは、ストーリー分岐が一目瞭然でわかるフローチャートシステム。
ほぼその場で提示される選択肢で分岐するので、どうやったらどっちへ分岐するのかわからないことはなかったです。
また、分岐するために必要な選択肢を前半部分で予め選んでいないと、その後出てくる選択肢自体にマスクがかかって選択できないようにしてあったのは上手いな、と感じました。
その他、フローチャートから直接ストーリーにジャンプできたり、フローチャートに付箋としていろいろな書き込みができたり、色分けができたり、と攻略本いらずだったところは本当に素晴らしかったです。

誤字を含めたバグも皆無で、パッチを当てたら、プレイしていた限りで誤字はなかったです。
コンシューマと違ってPCゲームに誤字は付き物なのですが、それが確認できなかったのはすごいな、と。


グラフィックに関しては、それなりにきれいだったのですが、とある手法についてちょっと気になりました。
それは、ゲームを進めていく中で、キャラがアップになったり、1枚絵を部分的に拡大する手法なのですが、背景も一緒に拡大してしまうため、背景が荒く見えてしまうことが多々ありました。
背景が解像度の高い写真だったらいいのかもしれませんが、背景は普通の絵で、例えば遠くにある電柱などが線1本で描かれていたりすると、1枚絵では気にならなくても、拡大されるとただの線に見えるとかありました。
1枚絵を部分的に拡大するだけだったらまだよかったのですが、通常背景でもそれがあるので、少し臨場感は出るけど一長一短だったな、と感じました。


登場人物については、モブキャラ以外の男性キャラが主人公しかいない状態だったのが残念でした。
典型的なギャルゲーの人物配置なのですが、主人公の友人的な誰かとかアドバイザー的な誰かはいてもよかったのでは、と。
女性キャラは8人と割と豊富だっただけに、男性キャラがいないのが寂しかったです。


では、ここからストーリーに関するネタバレを含んだ感想です。

まずは、各ヒロインたち個別の感想です。

皆神さくや
主人公の妹で、正ヒロイン。
今までプレイしてきたギャルゲーの中で、ヒロインが妹というのは何人か見てきましたが、本当に血の繋がった妹で、それが正ヒロインだというのは初めてだったので、ちょっとビックリしました。
妹と言えば予め義妹だとわかっていたり、後々血が繋がっていないことがわかったりするのが通例なのですが、この作品に関してはそれがなく、本当に本当の兄妹。
これでHシーンありなので、大丈夫なのかな……と思いながらプレイしていました。
ただ、ストーリーとしてはタブーを犯しているのをわかった上で、周囲の人に認めてもらおうとか、そういう方向に話が向かっていたのはよかったかな、と。
キャラとしては、一見すると冷たいタイプだけど本当は情が深い、という感じでありがちと言えばありがち。
そこまで魅力は感じなかったです。

岩永翔子
主人公の従妹。
ギャルゲーというのは何かの意志によって登場人物は全員18歳以上になっていて、このゲームでも起動直後にそういった注意書きが出ます。
でも、このキャラはもう見た目が明らかに中学生……もしくは小学生。通っている学校が小学だとか中学だというのは一切出ませんが。
年齢的な情報としては、まだお酒の飲めない未成年で、主人公とはそれなりに年齢が離れていて、さくやよりも年下であることくらいしかわからないのですが、高校生ではないだろう、と。
とりあえず制服を着ているので、田舎の小学校で制服があるというのはまずないだろうから中学生だろうけど、受験生でもなさそうなので、13~14歳くらいだろうな、と。
今までロリキャラが出てくるギャルゲーもいくつか見てきましたが、主人公とは同級生で成長が遅いだけというのが多く、明らかに年齢が低いキャラということはなかったので、やはりプレイしていて大丈夫なのかな……とずっと思っていました。
そして、都条例ではこういうキャラを禁止にしたかったのか、と心の隅で思ったり。
キャラとしては、主人公のことが大好きになるさくやよりも妹属性の強い子で、かなり子供っぽい嫉妬も多かったというのもあり、個人的にはあまり好きになれませんでした。

銀子
伝承として残る天女の妹で、数百年を生きてきた人。
本編に入る前のプロローグの段階で、ふざけて500年前は~みたいな会話があったので、多分普通の人間ではないのだろうな、というのが想像ついてしまいました。
ただ、銀子もそのことをそこまで隠しているわけでもなく、銀子シナリオなどではあっさり認めてしまったりするのは割といいな、と思いました。
普段はかなり明るくおちゃらけた感じで主人公をからかったりもするけど、実は何にも知らないうぶな子だったという辺りはお約束なのですが、それはそれでよかったです。
好感度としては1番高かったキャラです。

春日いろは
主人公の幼なじみで神社の巫女。
定番の主人公の幼なじみで明るく元気な子なのですが、ちょっと個性に欠けるような感じがしました。
メインヒロイン4人の中に入っているものの、他のヒロインほど本編に関わりがあるわけでもなく、話もそれほど長くもなく。
極々普通のキャラで、あまり印象に残りませんでした。

高見沙智子・稲垣美里・南戸朱音
翔子の同級生、翔子たちの学校の先生、神社の巫女、というサブヒロインたち。
沙智子シナリオではタイムカプセルから主人公の母親の手紙が見つかる、というやや本編に関わる話が出てきたものの、それ以外はそれぞれの家庭の事情がわかった後で主人公とくっついて終わり、という感じになっていました。
村で起こる不思議な事件はいろいろと気になるけど、そんなこともあったよね……という感じで事件のことも忘れて女の子と幸せになる、という流れだったので、話としてはやや消化不良な感じがありました。
サブヒロインなので仕方ないのですが。


シナリオとして優れていたと思うのは、4人のメインヒロインの話は個別だとそれぞれに謎が残るけど、他のメインヒロインの話を進めることで少しずつ謎が解けるザッピング方式になっていたこと。
各ヒロインを全員分攻略する意味も出てきますし、こういう方式のシナリオは個人的に好みです。

しかしながら、肝心の謎解きがややわかりにくかったがために、話の吸引力を減らしてしまっていたかな、と感じました。
天女の羽衣、赤い石・青い石、不老不死の薬のことなど、羽衣伝説からよくここまで話を広げたな、というのは感心する部分でもあったのですが、謎解きを読んだ後でそれを頭の中で整理しないとよくわからないまま終わってしまうように感じられたのは残念でした。

また、物語の各所に散りばめられた、
・さくやという名前を長女に引き継ぐ理由
・主人公とさくやがおぼれた時に何があったのか
・青い石とは何なのか、赤い石とは何なのか
などの謎解きは、シナリオの半ばで謎解きが提示される前にわかってしまったこともあったのですが、「そういうことだったのか」という驚きはほとんどなく、想像通りでつまらなかったかな、とか、ふーんそうだったのか、くらいにしか感じませんでした。

最終シナリオの「シンセミア」についても、思っていたより短くてやや肩透かしな感じがしました。
さくやのメインシナリオの完結編のような位置付けで、曖昧だった主人公の過去や赤い石・青い石についての決着を付ける流れだったのは良かったものの、サクッと終わってしまって、もう終わりなの?、と。
シンセミアシナリオが始まる前、新しいオープニングが流れた時は、気持ち的にかなり盛り上がっただけに、落差を感じてしまいました。
CLANNADのアフターストーリーとか、AIRのAIR編をイメージしていたせいかもしれませんが。
特にどんでん返しもなかったので、本当にあっさり終わってしまったなぁ、と。

もしこの作品が萌えゲーアワード金賞作品として初めて買った作品だったら、次の年も金賞受賞作品を購入していたかは分からなかったかもしれません。
良作ではあったけど、名作ではなかったな、と感じました。
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